平成2680日目

平成8年5月10日(金)

1996/05/10

【1996年度予算】成立

住宅金融専門会社(住専)処理のための財政支出を含む総額75兆1000億円の平成8年度予算は10日午前の参院本会議で採決、与党3党などの賛成多数で可決、成立した。

6月19日に会期末を控えた終盤国会は引き続き住専処理策、住専予算の執行時期を焦点に、論戦の舞台を衆院金融問題特別委員会に移し、住専処理法案など金融関連5法案の審議をめぐり与野党攻防が再び展開される。

しかしヤミ献金疑惑をめぐる加藤紘一自民党幹事長の証人喚問問題もあって、住専処理法案などが会期内に成立するめどは立っていない。このため会期延長は確実な情勢。

政局は衆院の任期満了を一年余り後に控え、解散・総選挙の時期をにらんで新党結成、政界再編の動きも活発化するなど、波乱要因を抱えて推移することになろう。解散が当面遠のけば、内閣改造もいずれ検討されそうだ。

政府与党は住専予算執行の条件である住専処理法案成立に全力を挙げる方針。加藤氏の証人喚問は法案審議とは切り離して、参考人質問などの形で決着させたいところだ。

これに対し、新進党は加藤喚問実現を前面に掲げ、預金保険法改正案など金融関連法案の審議を先行させ、住専処理法案を審議未了に追い込む構え。与野党対決が最終場面で解散論につながる可能性もある。《共同通信》

橋本龍太郎首相は10日午後、1996年度予算の成立を受けて首相官邸で記者会見し、景気回復を本格化し金融システムの安定を図るため住専処理法案など金融関連法案の早期成立に全力を挙げる考えを強調。財政再建や行財政改革、極東有事の対応策検討などにも積極的に取り組む決意を表明した。

その上で、衆院の早期解散について「簡単に考えられるほど精神的にゆとりはない」と重ねて否定。また、連立の枠組みを維持し、保・保連合にも消極姿勢を見せた。《共同通信》



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【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は10日昼、平成8年度予算成立を受け、国会内の参院各会派を久保巨蔵相らと連れ立ってあいさつ回り。久保氏の古巣である社民党控室前では「久保さんも現金だな。ここまで来ると急に早足になった。これが“ホームスピード”と言うのかな」と記者団にぼやいてみせた。住専国会前半の与野党攻防は何とか乗り切ったものの、後半戦も住専関連法案審議や財政再建問題などの難問が山積し、蔵相との二人三脚は絶対条件だけに歩調が気になって仕方ない?

○・・・この日午前の自民党役員連絡会で、村上正邦参院幹事長は「参院議長の裁定を不本意だが受け入れた」と、住専問題に関する国会決議を見送った経過を説明。さらに党内で「村上天皇の独り相撲」と冷やかされているのを気にしてか、矛先を加藤紘一幹事長に向け「加藤氏の了解を得て進めてきた。参院の独走ではない」とまくし立てた。加藤氏は「連休前に村上さんから話を聞いて作業を見守ってきた」と受け答えるのがやっとで「村上天皇」の舌ぽうにたじたじ。《共同通信》

【新進党・小沢一郎党首】李総統来日「問題ない」

小沢一郎新進党党首は10日午後、中国・長江の船上で同行記者団懇談し、台湾の李登輝総統の来日問題について「公の場で『何が問題か』と言っている」と述べ、私的訪問を容認すべきだとの持論を示した。

国内政局は小沢氏側意向で話題にならなかった。「自民党単独政権」との協力に触れた北京発言への党内外の反発に配慮したようだ。

李総統来日問題では、小沢氏に対し中国側から直接言及はなかったとされるが、昨年6月の李総統米国訪問について「訪問させないと言っておいて覆された。言っていることとやっていることが違い信義の問題が出ている」(熊光楷人民解放軍副総参謀長)と指摘したこともあり、小沢氏の中国での発言は波紋を呼びそうだ。

日本の外交の在り方については「朝鮮(半島)のこともカネを出すとき出させておいて、肝心のときにお呼びがかからない。『成り金はカネを出せばいい』という話になっている」と指摘し、朝鮮半島の安定を目指した四者会談構想に日本が含まれていないことに懸念を表明した。

中国の核武装について「科学技術の進歩が核兵器を時代遅れにしてしまう。核武装してもどうってことはない。それによって中国が危険視される方がマイナスだ。自衛権の拡大競争は意味がない」と自重を求めたことを明らかにした。《共同通信》

【新進党・興志会】小沢発言に反発

新進党の羽田孜元首相支持グループ「興志会」は10日、都内のホテルで幹部会を開き、小沢一郎党首の「自民党単独少数政権でも大事なことは賛成する」との北京発言に対し「それでは自民党との選挙が戦えない」などの反発が相次いだ。

また、党首公選での小沢氏の政策が党の公約になるとの趣旨の発言についても、「党首がすべき発言ではない」と批判が出た。会合には左藤恵、石井一、愛野興一郎各氏ら閣僚経験者が出席した。《共同通信》

【社民党・野坂浩賢前官房長官】引退へ

社民党副党首で前官房長官の野坂浩賢氏(71)は10日夜、都内で記者団に対し、「平成8年度予算も成立し、一段落した。体のこともあるし、このままでは後継者も決められないので決意した。後進に道を譲りたい」と述べ、次期総選挙に出馬しない意向を明らかにした。既に、村山富市党首にも伝えており、地元の米子市で11日、正式に引退を表明する。

野坂氏は6年六6月に発足した村山政権で建設相に就任、昨年8月の内閣改造では官房長官を務めた。村山氏の側近中の側近。村山氏の退陣とともに、社民党の副党首として新党問題を担当していた。

今年2月下旬から急性気管支炎のため40日間入院、4月中旬に復帰していたが、政界引退は健康上の理由とみられる。ただ、野坂氏は記者団に「最後のご奉公で新党問題に取り組みたい」と強調した。《共同通信》

【難波康子さん】エベレスト登頂

ネパール観光省によると、東京都大田区の会社員難波康子さん(47)が10日、世界最高峰エベレスト(中国名チョモーランマ、8848メートル)登頂に成功した。日本人女性としては昭和50年の田部井淳子さんに次いで2人目。

難波さんはプロガイドの主催する公募隊(一種の登山ツアー)に参加、総勢12人の多国籍登山隊の一員だった。このうちリーダーのニュージーランド人ロバート・ホール氏(35)ら4人とともに南東ルートからの登頂に成功。この日のうちに8000メートル地点のキャンプに戻った。ネパール人シェルパも2人が頂上に同行した。

日本山岳協会によると、難波さんは東京の会社に勤めるOLで、協会には所属しない、いわゆる「未組織の登山者」。同協会によると、難波さんはこのエベレスト登頂で、世界の七大陸最高峰をすべて制覇したことになるという。

春の登山シーズンであるエベレストには現在、ほかにもネパール側、中国側からそれぞれ一人ずつの日本人女性が登頂を試みている。

エベレストには難波さんを含め、これまでに少なくとも35人の日本人が登頂に成功している。《共同通信》



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