平成2679日目

1996/05/09

この日のできごと(何の日)

【プロ野球・ダイエー】選手の乗ったバスに卵

9日、近鉄に惜敗したダイエー王監督らを乗せた移動のバスが、またしても過激なファンに取り囲まれ、15分の足止めを食った。この日、日生球場では7日に起きた「バス包囲騒動」の再発を警戒し、通常の警備員36人に加え私服警官8人を動員。さらにバスの出発口を左翼横からバックスクリーン裏に移し、その周辺の警備員も前回より10人多い30人に増やした。選手のバス乗車も試合終了30分後に遅らせるなど、さまざまな対策が講じられたが、効果はなかった。

人波からは「辞めろサダハル」のシュプレヒコール。バスには心ないファンから野球の応援とは無関係な生卵が投げ付けられた。

試合終了と同時に球場に険悪なムードが漂った。一人の男が三塁側フェンスを乗り越えると、ベンチ前に待機していたガードマンが取り押さえた。直後に「辞めろサダハル」コールとともに、グラウンドのレフト定位置付近には発煙筒が投げ込まれ、白煙が立ち込めた。この日は計4人のファンが警備員に取り押さえられた。

「選手も何をやらなきゃいけないかは分かっていた。あと一押し足りなかったな」と振り返る王監督は、バ声に「勝てば文句は言われないんだ。このファンも勝てば拍手で迎えてくれたはず」と耐えた。王ダイエーは不調というトンネルからの脱出と、ファンへの対応という難問を抱え込んだ。《日刊スポーツ》

昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。

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【橋本龍太郎首相】NZ・ボルジャー首相と会談

橋本龍太郎首相とニュージーランドのボルジャー首相は9日夜、都内の外務省飯倉公館で約2時間にわたって会談した。ボルジャー首相は、中国、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)、ロシア情勢などアジア太平洋地域に不安定要素が存在することを指摘。その上で今秋の国連安保理常任理事国選挙について「選挙で勝ってメンバーとなり、日本の知識を安保理で活用してほしい」と述べ、日本を支持する考えを強調。橋本首相は謝意を表した。《共同通信》

【日韓漁業協議】竹島領有権で難航必至

国連海洋法条約の批准に伴って日韓の漁業協定を見直すための第1回実務者協議が9日、東京・霞が関の外務省で開かれた。両国は、竹島(韓国名・独島)の領有権問題を棚上げし、漁業問題を解決することで合意しているが、200カイリの排他的経済水域の線引きをめぐり領有権問題が再浮上するのは必至で、協議は難航が予想される。

両国は海洋法条約の批准を決めており、日本側としては漁船の所属する国に取リ締まり権がある「旗国主義」となっている現在の漁業協定を、沿岸国に取り締まり権を与える「沿岸国主義」に変更したい考え。一年以内に新漁業協定を結ぶことを目指しており与党などは合意できない場合には現協定の破棄を求めている。

今回の協議では日本沿岸の水産資源の評価や今後の漁業秩序についての基本的考え方などについて意見交換するとみられる。《共同通信》

【社民党】総選挙は新党で戦う

社民党は9日午前の常任幹事会で、新党問題について「党大会方針に沿って『総選挙は新党で戦う』という戦略目標の下に、新しい政治勢力の結集に向けた取り組みを進めていく」とした方針を了承した。

また併せて了承された「新しい政治勢力の結集に向けて」と題した文書では、衆院解散・総選挙の時期について「今夏以降からはいつあってもおかしくない情勢だ」とし、「当面、社民党を基軸とした総選挙態勢の確立を急ぐとともに、可能な限り選挙協力に努める」との方針を強調している。

新党問題では、新党さきがけが社民党との合流に「慎重な姿勢」を示していることを指摘した上で「この段階での新たな結集を展望することは困難」との現状を認め、今後ローカルパーティー(地域政党)などとの連携を模索していく姿勢を打ち出した。

このほか自民、新進両党内にある「保・保連合」構想について「橋本(龍太郎首相)・小沢(一郎新進党党首)会談を発火点として、保・保連合志向という流れが浮上しつつある」と、警戒感を強めている。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・明治2年に初めて販売されたことにちなんだ「アイスクリームの日」の9日、橋本龍太郎首相は官邸で、日本アイスクリーム協会のキャンペーンガール大薗元子さんらからアイスクリームをプレゼントされた。首相は「甘い物が苦手な中でアイスは好きなんですよ。毎日来てくれませんか」とさっそく味見。直前まで国会内で参院与党幹部と会談していた首相は「参院でつかまっちゃったが、こちらの方が心配で….。5、6分遅れていたらだいぶ溶けていたね」と周囲を笑わせた。アイスも住専決議の与野党対立も時間がたてば自然にとける?

○・・・新進党の鳩山邦夫広報企画委員長はこの日の記者会見で、インターネットをめぐる役員会の論議を紹介。「担当者を独立させたいと念願していたが、予算や人員の関係もありできなかった」と苦しい台所事情から専門担当者を断念したことを説明した。役員会では積極論もあったが、米沢隆幹事長の「文明の利器はできるだけ使おう」の明治時代のような一言で幕。鳩山氏は同党のホームページについて「3月は(情報が古くて)党首は海部俊樹と出たが、今は小沢一郎になっているし、日本語版もできた」とPRに努めたが、インターネットでは“新進”と胸は張れない様子。《共同通信》

【皇太后陛下】葉山でご静養

皇太后さまは9日午後、静養のため神奈川県葉山町の葉山御用邸に出掛けられた。27日まで滞在の予定。皇太后さまが皇居から外出するのは昨年10月の葉山静養以来。

宮内庁は出発に合わせ、嘱託カメラマンが4月下旬に撮影した皇太后さまの写真を発表した。皇居・吹上大宮御所の庭を車いすで散策する様子などの写真で、近影の公表は平成3年2月の米寿の際に行われて以来、約5年ぶり。

宮内庁は皇太后さまについて「少しやせたが体調は安定しており、93歳という年齢を考えれば大変お元気だ」としている。

これまで御用邸に出発する際、宮内庁は皇居の乾門付近で報道関係者に写真取材の場を設けたが「高齢であり、お気の毒。世間の批判もある」との理由で、今回から取りやめになった。《共同通信》

【インド総選挙】与党、歴史的惨敗

インド総選挙は、9日の国営第一テレビの開票速報によると、与党の国民会議派がこれまで最低だった1977年総選挙の154議席の確保も難しい情勢で、歴史的大敗が確実となった。

ヒンズー至上主義の最大野党、インド人民党(BJP)が国民会議派を上回る勢いを見せ、人民党や中道政党が強い北部のウッタルプラデシュ州などの開票が進むにつれ、会議派の伸び悩みが目立っている。会議派が、第一党の座から転落する可能性もあり、政局は混迷の度を深めそうだ。

一方で、人民党も単独過半数獲得は難しい情勢。国民会議派が失った議席の多くは中道政党や地域政党が奪っており、選挙後の政局は会議派と人民党に「第三勢力」と呼ばれる中道、左翼の連合の3勢力の綱引きで、連立政権ができても不安定な情勢が予想される。《共同通信》

【南アフリカ】白人政党、政権離脱へ

南アフリカの白人主体政党、国民党のデクラーク党首(第二副大統領)は9日、マンデラ大統領率いる国民統一政府からの政権離脱を決めた。これまでマンデラ政権に協力姿勢を示していた国民党の離脱により、南ア政局は今後、一気に緊迫することになろう。

国民党は8日に採択された新憲法で、議席比率に応じ閣僚ポストを振り分ける現行の強制連立政権制度が解消されることになったため、アフリカ民族会議(ANC)単独による多数派支配がもたらされると、新憲法の内容を批判していた。

新憲法交渉では、教育、労働などの問題をめぐりANCと国民党が対立し、採択が危ぶまれていたが、採決直前になって両者が合意。国民党も新憲法の採択には賛成票を投じていた。《共同通信》

【足利事件】元運転手、二審も無期

平成2年5月、栃木県足利市で保育園児Aちゃん=当時(4つ)=を誘拐、殺害したとして殺人罪などに問われた元幼稚園バス運転手菅家利和被告(49)の控訴審判決で、東京高裁の高木俊夫裁判長は9日、菅家被告と犯行を結び付けたデオキシリボ核酸(DNA)型鑑定の信用性を認め、一審宇都宮地裁の無期懲役判決を支持、菅家被告の控訴を棄却した。

判決理由で高木裁判長は「DNA型の一致は血液型の一致と併せて、重要な積極証拠として評価できる」と指摘した。

DNA型鑑定をめぐっては、大分市の短大生殺害事件で福岡高裁が昨年6月、鑑定作業で過誤があった疑いを指摘して信用性を否定、被告に逆転無罪を言い渡しており、この日の判決が注目された。

高木裁判長は「DNA型鑑定には科学的根拠があり、警察が実施している鑑定法も一定の信頼性があるとされている。鑑定を担当した科学警察研究所の技官は必要な専門的知識と技術、経験を持ち、鑑定作業に特に落ち度があるとは認められない」と述べた。

また菅家被告が一審公判途中まで犯行を認めていた点について「警察官らが(取り調べで)自白を得るためことさら誘導、強制を加えたとは認められない」と判断。さらに「警察の事情聴取当日に犯行を自白し、具体的で詳細な供述をしていることなどに照らすと、犯行の主要部分についての供述は信用できる」と認定した。《共同通信》



5月9日 その日のできごと(何の日)