1996 平成8年5月2日(木)

平成2672日目

平成8年5月2日(木)

1996/05/02

【参院予算委員会】「住専」証人喚問2日目

参院予算委員会は2日午前、住宅金融専門会社(住専)処理問題について2日目の証人喚問を行い、角道謙一農林中央金庫理事長に証言を求めた。

角道氏は政府の処理策で農林系金融機関が負担する5300億円の積算根拠について「昨年12月18日、農相、蔵相折衝の際、5300億円をめどに交渉したいとの話があった。根拠の開示はなく、承知していない」との認識を表明、負担割合の決定は最終的には政治判断との事情を明らかにした。

また農林系が住専に5兆5000億円の多額融資を行っている理由について「住専は母体行の子会社であり、役員も派遣するなど経営を支配している。大蔵省が直轄指定し監督していた」と母体行や大蔵省の信用力が背景と強調した。

角道氏は「平成2年ごろ大型の不動産関連倒産があり、住専に影響が出るとの懸念があった。注意するよう信連に情報を与えた」と述べ、住専への危機感を持っていたことを明らかにした上で「将来展望を持って貸し出しに当たるべきだった。徹底した経済見通しの上に立ったリスク管理が必要だった」と甘さがあったことを反省した。

3年の住専第一次再建計画策定後、5年に第二次計画の策定に入ったことについては「(農林系に)迷惑を掛けないことを母体行と住専に確認したのに、金融機関の約束ごとを安易にほごにする無責任な姿勢だ」と、母体行を批判した。《共同通信》

参院予算委員会は2日午後も住宅金融専門会社(住専)処理問題に関する証人喚問を続行、母体行の橋本徹・前全国銀行協会連合会会長(富士銀行頭取)を呼び、証言を求めた。

橋本氏は焦点となっている母体行の追加負担について「債権全額放棄など法的に許される限度まで負担している。知恵を絞ったが、法制上の制約で現時点で名案はなく、これ以上の負担は難しい」と答弁。商法の「取締役の忠実義務」違反などを理由に、住専に対する3兆5000億円の債権放棄以上の負担は困難との考えを重ねて強調した。久保亘蔵相は母体行負担増を再三求めているが、母体行側の姿勢は極めて固いことがあらためて示された。

昨年12月16日の政府の住専処理策当初案で1兆1000億円だった農林系金融機関の負担が、2日後に急きょ5300億円に削減され、財政資金投入となったことについて、橋本氏は「青天のへきれきで、大変なことだと思った。しかし、金融システムの安定化のためにはやむを得ないと思った」と証言した。

橋本氏は住専問題に対する責任については「大変遺憾に思い、迷惑を掛けた」と陳謝する一方、富士銀行頭取の辞意表明については「住専問題の責任ではなく、銀行固有の問題からだ」と述べ、住専問題とは無関係なことを強調した。

富士銀行などが母体行の住宅ローンサービス再建のために無利子で融資した100億円も債権の放棄対象とすべきだとの追及に対し、橋本氏は放棄対象となる債権ではないと拒否。住専問題の原因について「総量規制と金融引き締めなどで地価が暴落、結果として不良資産を抱えた」と、政府の土地政策の誤りを指摘した。

1日の証人喚問で原秀三・元住総社長が指摘した一部銀行による住専の住宅ローンへの借り換え攻勢について、橋本氏は「借り換えのリクエストはあったが、指導はしていない」と否定した。《共同通信》



【アジア女性基金】元慰安婦へ一時金300万円

元従軍慰安婦の補償対策事業を進めている「女性のためのアジア平和国民基金」(理事長・原文兵衛前参院議長)が、韓国、フィリピン、台湾の元慰安婦約300人に支給する一時金の支給計画の全容が2日、関係者の話で明らかになった。

①支給額は一人当たり300万円②7月19日−8月15日に一律方式で同時支給③「道義的責任」を認め「謝罪」の文言を明記した首相の手紙を添える−が主な内容。9日に開かれる理事会で了承され、同基金の正式決定となる予定。しかし、国家補償を求める元慰安婦が多い上、募金活動も不調で、実際の一時金支給は難航も予想される。《共同通信》

【新進党・小沢一郎党首】中国訪問

新進党の小沢一郎党首は2日午前、成田発の日航機で中国訪問に出発した。中国共産党の招きによるもので、6日までの北京滞在中、江沢民国家主席、遅浩田国防相ら中国首脳と会談する。この後、四川省の重慶や、長江の「三峡ダム」建設現場などを訪れ、12日に上海から帰国の予定。昨年12月の党首就任後、初の外遊になる。《共同通信》

新進党の小沢一郎党首は2日午後、北京に到着した。6日までの北京滞在中、江沢民国家主席や遅浩田国防相ら中国要人と会談する予定。

【橋本龍太郎首相】攻めの行革推進を指示

橋本龍太郎
https://www.kantei.go.jp/

橋本龍太郎首相は2日、自民党本部で開かれた党行政改革推進本部(水野清本部長)の幹部会合に出席し、橋本内閣として「攻めの橋本行革」(水野氏)に積極的に取り組む考えを強調するとともに、行革の目玉づくりに向け具体的な行革テーマを早急に絞り込むよう指示した。これを受けて同本部は今国会中にも中間報告を取りまとめる方針。

政府、自民党には、次の衆院解散・総選挙をにらみ「行革断行」の姿勢を一層明確にすることで首相の指導力を確保し、政権浮揚を図る狙いがある。来年4月から予定通り消費税率を5%に引き上げるためには、行革による歳出削減を行わなければ国民の理解が得られないとの判断も働いているようだ。

会合は、党行革推進本部に設置されている①基本問題②規制緩和③財政改革④行政組織・首都機能移転⑤地方分権・地方行革―の5委員会ごとに問題点を集約した「橋本行革の基本方法」と題する総論をたたき台に意見交換した。

首相は省庁の統廃合問題や財政再建、地方分権などについて「おおむね私の考えと一緒だ」と述べ、同本部の議論の方向性に賛意を示した。《共同通信》



5月2日のできごと