平成2020日目

1994/07/20

この日のできごと(何の日)

【村山富市首相】自衛隊「合憲」を表明

国会は20日、衆院本会議で、村山首相の所信表明演説に対して与野党が代表質問を行った。首相は自衛隊に対する憲法判断について「専守防衛に徹し、自衛のための必要最小限度の実力組織である自衛隊は、憲法が認めるものだ」と述べ、自衛隊が合憲との認識を初めて公式に明言した。日米安保条約についても、「冷戦終結後もわが国の安全確保とアジア・太平洋地域の安定要因として米国の存在を確保するために、必要、不可欠だ」と強調。従来の社会党の安全保障政策を根本的に転換する考えを表明した。

首相は「基本的な問題である防衛問題で主要政党間に大きな相違があったことは好ましくない」と指摘。「社会党も新しい変化に対応する合意が得られることを期待する」と述べ、政策転換での党内合意形成に強い決意を示した。日の丸、君が代については「国旗、国歌として定着しており、私も尊重する」としたが、「掲揚や斉唱を強制すべきではない」と述べた。

政治改革については、「衆院選挙区画定審議会の勧告を尊重し、法案を速やかに国会に提案したい」と述べた。しかし臨時国会の召集時期については、「区割り法案ができた時点で、内外の諸課題を慎重に判断して決めたい」と述べるにとどまり、早期召集に慎重姿勢を示した。

野党側は小選挙区制度下での早期解散、総選挙実施を求めたが、首相は「一刻たりとも政治的空白は許されない」として退けた。《共同通信》

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【北朝鮮】故金日成主席追悼大会

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は20日午前10時から1時間20分、平壌の金日成広場で故金日成主席の追悼大会を開いた。金永南労働党政治局員・副首相(外相)が金正日書記の「委任」を受けて追悼の辞を述べ、金書記の下での団結を訴えた。しかし、注目された金正日書記の追悼演説はなかった。この日の追悼大会で、北朝鮮は公式に金正日書記時代をスタートさせ、今週中にも党中央委総会を開いて金書記を正式に党総書記に選出し、さらに最高人民会で主席選ぶ見通し。

金副首相は金日成主席の功績をたたえながら「領導(指導)の後継問題を解決したことが最大の功績」と息子の金正日書記の後継体制の正統性を強調した。さらに「金正日同志を中心に党中央委の周りに団結し、金正日同志の領導を奉じて、金主席の生前の意思を継いで祖国統一と主体革命の偉業を完成させなければならない」と訴えた。《共同通信》

【政界談話室】

○…村山首相は20日、いよいよ自衛隊合憲の答弁をするとあって、午前9時前から午後1時の衆院本会議まで、官邸執務室にこもりっきり。昼食もいつもの官邸小食堂でなく、執務室でとるなど、ぎりぎりまで答弁の打ち合わせを続けた。本会議前に記者団が心境を尋ねると「いやあ、別に」と一瞬口ごもり、「誠心誠意、お答えするだけです」と、やや硬い表情。18日の所信表明演説で初めて掛けた黒縁眼鏡についても「老眼じゃからのう」と、短く答えただけで、そそくさと本会議場へ。社会党にとっての「歴史的答弁」だけにガチガチの緊張ぶり。

○…日本遺族会会長を務める橋本龍太郎通産相はこの日、都内で開かれた全国戦没者遺族大会に出席。靖国参拝について「ナポリ・サミット(先進国首脳会議)前に靖国神社で、通産大臣と署名、お参りし、たいへん幸せだった。サミットが無事に終わるように英霊に祈念した」とあいさつ。さらに「この次は8月15日に社頭でお会いしたい」と、社会党側を刺激しかねない発言。自社連立政権を支える有力閣僚の橋本氏だが、自民党の「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」会長を務めたこともあり、この問題はどうしても譲れない?《共同通信》

【プロ野球・オールスターゲーム】第2戦

1994年のプロ野球サンヨーオールスターゲーム第2戦(最終戦)、全セントラルー全パシフィックは20日、ナゴヤ球場で行われ、全セが六回に打者10人の猛攻で6点を挙げて、7―3で逆転勝ち、第1戦の雪辱をした。通算成績は全パの65勝48敗5分け。

2点を先行された全セは三回、彦野(中日)の本塁打でまず1点。六回には松井(巨人)の右前同点打、ブラッグス(横浜)の3点三塁打など6安打を集めて6点を奪った。

全パは三回までにイチロー(オリックス)の適時打などで2点を先行。逆転を許した後の八回には秋山(ダイエー)の適時打で追い上げたがここまでだった。最優秀選手(MVP)は勝ち越し三塁打を放ったブラッグスが初めて選出された。《共同通信》



7月20日 その日のできごと(何の日)