平成2018日目

平成6年7月18日(月)

1994/07/18

【村山富市首相】所信表明演説

村山首相は18日午後、衆参両院本会議で、47年ぶりの社会党出身の首相として就任後初の所信表明演説を行った。

首相は政権の基本理念として「人にやさしい政治」「安心できる政治」を掲げ、「生活者の気持ちに軸足を置く」と強調、外交面でも「強い国よりやさしい国」との方向を打ち出した。

朝鮮半島情勢については朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の金日成主席の死去が朝鮮半島の平和と安定に悪影響を与えないよう求めた上で、核開発疑惑をめぐり、首相自身の訪韓などを通じた米、韓、中三国との連携で「平和的解決を志向して最善の努力をしていく」との決意を表明した。

規制緩和の推進など旧連立与党からの改革路線の継承を強調しながらも、新生党の小沢代表幹事が提唱する「普通の国」論を強く意識した演説となった。

内政面の重要課題では、総選挙を新制度で実施できるよう衆院小選挙区の区割り法案の早期国会提出を明言。税制改革は「来年以降の減税を含む税制改革に国一民の理解を求めつつ年内実現に努力」と指摘、消費控率引き上げなど財源問題では国民の支持と理解が前提との立場を鮮明にし、必ずしも年内実現にはこだわらない姿勢をにじませた。

安保、防衛で首相は「日米安保体制の堅持」をあらためて表明。自衛隊については「国際情勢の変化を踏まえ在り方を検討、必要最小限の防衛力整備を心掛ける」と述べ、「現在の自衛隊は違憲状態」との社会党の基本政策との整合性には触れずに、軍縮に努力する意向を示した。

首相はまた。国連安保理の常任理事国入りは①国際社会の支持と国民的理解を踏まえて取り組む②国連平和維持活動(PKO)は憲法の範囲内で積極的に協力、軍事力によらない貢献に力を注ぐーなどとの考えを提示。先の大戦に関しても「わが国の侵略行為や植民地支配が多くの人々に耐え難い苦しみと悲しみをもたらしたことへの認識を新たにする」と述べて昨年8月の細川元首相の所信表明演説を踏襲、「ハト派政権」を強くアピールした。

首相は経済運営では景気の現状について「次第に明るい動きも広がっている」とし、為替の安定と内需中心型経済への移行を目指す考えを明らかにした。《共同通信》



【新間正次参院議員】有罪確定へ

平成4年の参院選に立候補した際、選挙公報で「明治大学入学」などと経歴を詐称した、として公選法違反(虚偽事項の公表)の罪に問われた参院議員新間正次被告(59)=愛知選挙区、民社党離党、辞職願提出=の上告審判決が18日、最高裁第二小法廷で言い渡された。

根岸重治裁判長は選挙違反裁判を百日以内に審理するよう努めるとの「百日裁判」の規定を合憲と判断。その上で「経歴に関し虚偽の報告をしたとの一、二審の判断は正当」と述べ、禁錮6月、執行猶予4年とした一、二審判決を支持。新間被告の上告を棄却した。同被告の有罪が確定する。

公選法の規定により、新間被告の当選は無効となり失職、有罪確定の通知が愛知県選管に届いた日から、40日以内に再選挙が行われる。国会議員が公選法の虚偽事項公表の罪で当選無効となるのは初めて。しかし、新間被告は既に辞職願を提出しており、有罪が確定する日までに受理されれば失職を免れ、補欠選挙が行われる。

判決理由で根岸裁判長は、新間被告がスイスに学し、ボランティアの勉強をしたと虚偽の演説をした行為について「福祉政策の重視を訴える被告の実績を誤って強く印象付け、有権者の公正な判断に影響を及ぼす恐れがあり『経歴』に関する虚偽事項の公表に当たる」と判断した。また、被告側が「百日裁判」規定を違憲と主張した点も「最高裁判例から違憲と言えないのは明らか」と退けた。

一、二審判決によると、新間議員は当選する目的で平成4年7月下旬、民社党愛知県連職員に「明治大学入学、中退」と虚偽の学歴を伝え、選挙公報などに掲載、配布させた。また選挙中、名古屋市での演説会で「中学時代にスイスに留学した」と偽った。

新間正次参院議員 予想された判決とはいえ、こちらとしての理解や主張と違っており残念だ。私自身の不徳の致すところであり、多くの方々にご迷惑をかけて申し訳ない。《共同通信》

【海上保安庁】初の女性パイロット

海上保安庁初の女性パイロットとなる岡昌子さん(26)が海上自衛隊の幹部操縦士課程を修了し18日、第三管区海上保安本部(横浜)の羽田航空基地に飛行士として配属された。岡さんは広島県呉市出身。海上保安大学校専攻科を修了後、パイロットを希望して海上自衛隊で教育・訓練を受けていた。

記者会見で岡さんは、「小さい時からパイロットになりたかった。大学校の時、休暇を利用して米国で自家用操縦免許も取っていたぐらい」とうれしそうだった。しかし話題が仕事に移ると「飛行機を操縦するのは手段としてで、目的は海難救助などの業務です」と表情を引き締めた。後輩たちには「女性でもパイロットになりたい人がいれば続いてほしい」と話した。

岡さんは約一カ月間、羽田航空基地で訓練を受け、早ければ8月中にも副操縦士として救難やパトロール業務を始め、約2年後には機長に昇格することになるという。《共同通信》



7月18日のできごと