平成2624日目
1996/03/15
この日のできごと(何の日)
【HIV訴訟】菅厚相、和解案受諾を表明
東京、大阪HIV(エイズウイルス)訴訟で菅直人厚相は15日の閣議後の記者会見で「国として早期解決を図るため、(東京、大阪両地裁が示した)和解案を受け入れることとし、両地裁に回答した」と受諾を正式に表明した。さらに「被害者の皆さんに国として心からおわびしたい」とあらためて謝罪した。
患者や遺族が強く求めている「弔慰事業」については「遺族の方々の気持を聞きながら、遺族が『良かった』と思える事業を考えたい。和解成立後の協議の仕方として協議機関のような基本的なルールをつくる」と語った。
被告・製薬会社5社は14日、和解案を受け入れると表明しており、原告側も20日に開く原告団総会で大筋で受諾する見込み。同訴訟は提訴から約7年で和解で決着することとなる。
菅厚相はエイズ感染症の研究治療センターの設置、各地の拠点病院の整備充実についても「適切な措置をとることに努める」と前向きな姿勢を示した。《共同通信》
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【大相撲春場所】6日目
大相撲春場所6日目(15日・大阪府立体育会館)平幕の琴の若が6連勝で単独トップに立った。横綱貴乃花ら4人が1敗で追っている。琴の若は湊富士を右肩透かしで破った。貴乃花は横綱初挑戦の玉春日を危なげなく寄り切って、1敗を堅持。綱とりを目指す大関貴ノ浪も朝乃若を挿し出して、5勝1敗とした。しかし、大関武蔵丸は関脇魁皇の左下手出し投げに屈し2敗目。魁皇も2敗。かど番大関若乃花は蒼樹山を下し2敗を守った。関脇同士の一番は琴錦が武双山を寄り倒し、ともに1敗。貴闘力は2敗を保った。十両は久島海ら4人が1敗で並んでいる。《共同通信》
【土井たか子衆院議長】ピケに退去勧告
土井たか子衆院議長は15日、新進党の西岡武夫国対委員長を呼び、衆院予算委員会室前の新進党議員の座り込みに対し、文書で退去勧告した。しかし同党では勧告を拒否し正常化の条件として①加藤紘一自民党幹事長の証人喚問②新進党の合意を前提とした審議日程の決定ーを挙げた。新進党は同日夕の議員総会で16、17日の週末もピケの続行を確認した。
これに対し与党は同日午後、橋本龍太郎首相らによる最高首脳会議を開き、長期の暫定予算を編成する方針を固めるとともに、加藤幹事長の証人喚問を現段階では拒否することで一致した。《共同通信》
【衆院】TBS常務を招致へ
衆院法務委員会は15日、与党3党の理事懇談会を開き、オウム真理教による坂本弁護士殺害事件をめぐるTBSのインタビューテープ問題について協議、事実確認のためTBS調査チーム責任者の大川光行常務を参考人招致することを申し合わせた。
中川智正被告公判の検察側冒頭陳述とTBSの社内調査結果がくい違うため。19日の同理事会で正式に決定し、直ちに大川氏に対する質疑に入る予定。TBS側も出席に同意している。
自民党の太田誠一理事は「検察の冒陳にかかわるので、検察行政を監視する立場から無関心ではいられない。検察側の言い分は法務委で聞いたが、それだけでは一方的なのでTBSの主張を聞きたい」と話している。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・橋本龍太郎首相は15日午後、25日に開かれる母校・慶応大学の卒業式後の謝恩会で流すコメントを録音した。首相官邸を訪れた同大の「卒業準備委員会」の学生5人の求めに応じたもので、首相は「慶応でつくった仲間は大事で、力になってくれるだろう。どのような方面に進んでも頑張ってほしい」と語ったという。新進党のピケ戦術で空転する国会を打開するための与党最高首脳会議が開かれる直前だったが、新進党の小沢一郎党首も慶応OBだけに「力になってくれる」は小沢氏への協力要請のサインだったのでは、との説も。
○・・・新進党の鳩山邦夫・広報企画委員長はこの日、国会内で記者会見し、ピケを張る同党議員が「パフォーマンス」とコメントしたテレビ局記者を糾弾した問題など一連のマスコミとのトラブルについて「一種の興奮状態の中で起きたこと。今は不正常な中での秩序が徐々にできてきた」と苦しい釈明。一部の報道機関に対する取材拒否も「(あったと)聞いている」と認め、関係正常化をさかんに強調した。会見直後、廊下ですれ違った強硬派の若手議員にも「変なことはやめるように」とくぎを刺すなど、ピケ批判が強まる中、これ以上の混乱は避けたいとの思いがにじむ。《共同通信》
【オウム裁判】上祐被告、罪状認否は黙秘
オウム真理教の熊本県波野村進出をめぐる国土利用計画法違反事件の公判に絡み、偽証と有印私文書偽造、同行使の罪に問われた幹部上祐史浩被告(33)の初公判が15日、東京地裁(竹崎博允裁判長)で開かれた。上祐被告は罪状認否で「麻原尊師は救世主であり私のすべて」などと述べ、起訴事実については「私の方から申し上げることは何もありません」と黙秘した。
検察側は冒頭陳述で、教祖麻原彰晃被告(41)が土地売買を贈与に見せ掛けることや書類の偽造など詳細な指示をしていた、と指摘した。
冒頭陳述によると、麻原被告は、同法で義務付けられている届け出をせずに平成2年5月に買った波野村での土地の取引について、届け出義務のない「贈与」だったことに見せ掛けるよう元幹部早川紀代秀被告(46)らに指示。
同10月に教団が同法違反で強制捜査を受けた後は、上祐被告らに指示し、支払った土地代金の一部3500万円は元地権者への融資だと装うため、別の文書にあった元地権者の署名押印などを使って受領書と融資契約書を偽造した。
上祐被告は4年6−8月に熊本地裁で開かれた同法違反事件の公判で、この2通を証拠として同地裁に提出させた。さらに証人に立った元教団公認会計士S被告(47)に、教団が融資をしたとする虚偽の証言をさせた。
熊本地裁での同法違反事件の公判は、昨年の教団に対する一連の強制捜査で4被告全員が別の事件で逮捕、起訴されたため、現在は東京地裁などの公判に併合されている。《共同通信》
【長野地裁】パート賃金差別は違法
長野県丸子町の自動車部品メーカーの臨時従業員、A子さん(60)ら28人が、全く同じ作業に従事する女性正社員と賃金格差があるのは違法として、会社側に賃金の差額など約1億4700万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が15日、長野地裁上田支部であった。
北沢貞男裁判長は「会社が臨時社員として採用し、顕著な賃金格差を維持したことほ均等待遇の理念に反する差別で公序良俗違反」として、会社側に原告のうち9年以上働いた臨時従業員26人に対し、正社員賃金の8割との差額、一人当たり223万−3万円、計1466万円の支払いを命じた。2人については請求を棄却した。
原告弁護団によると、就業時間が同じいわゆる“フルタイムパート労働者”の賃金格差についての初の司法判断で、名古屋、東京両地裁などで係争中の同種訴訟の行方に大きな影響を与えるとみられる。
判決で北沢裁判長は「同一(価値)労働同一賃金の原則は、労働関係を規律する一般的な法規範とは言えない。しかし、この原則の根底には人はその労働に対し、等しく報われなければならないという均等待遇の理念が存在する」とした。
その上で、職種、勤務時間、日数などが同一の臨時従業員に「会社は正社員に登用したり、正社員と同様の賃金体系を作る必要があった」のに怠ったとし、「賃金格差を維持拡大したことは、均等待遇の理念に反する差別で、公序良俗違反」と認めた。
しかし判決は使用者側の裁量も認め、その違法性の程度を「正社員との差額の8割以下になる場合」とした。8割の根拠については示さなかった。
判決によると、A子さんら臨時従業員はフルタイムで、最長で27年、最も短い人でも6年間勤務。自動車の各種警報器部品の組み立てラインで、女性正社員と同一の作業をしてきた。《共同通信》
【富山県氷見市】商店街に藤子不二雄Ⓐさんのモニュメント
氷見市比美町商店街と隣接の湊町商店街に、同市出身の漫画家藤子不二雄Ⓐさんの魚の漫画を擬人化したモニュメント16体が設置されることになり、15日から作業が始まった。比美町商店街がアーケード改築に合わせて設置するもので、近くの湊川には同じ藤子さんの「忍者ハットリ君」のからくり時計もあり、漫画のある商店街として人気を集めそう。
比美商店街が回遊性のある商店街を目指してモニュメントの設置を計画、藤子さんに原画を依頼した。魚の町らしくブリをはじめカニ、タコ、シマダイ、アンコウなど8種類、16体を制作した。高さ70センチの台座に60センチ前後の本体を置くもので2つの商店街の両側に等間隔に設置される。
モニュメントはカニが大きく手を広げるなどいずれもカラフルでユーモラスなものばかり。センサーでセリフも話す。
昨年夏から延長580メートルの工事が進められていたアーケードは20日に完成式が行われ、モニュメントも除幕される。《北國新聞》