平成2623日目
1996/03/14
この日のできごと(何の日)
【台湾・李登輝総統】前線を初訪問
台湾の李登輝総統は14日午後、中国が海空合同実弾演習を行っている海域からわずか70キロしか離れていない前線の澎湖諸島を訪問、澎湖防衛司令部を視察し「心を一つに団結し、国家に対する信頼を高めよう。状況は十分把握しており、兵士も民衆も安心してほしい」と呼び掛けた。
中国軍は8日から台湾の南北海域でミサイル発射演習、12日からは海空合同演習を実施しているが、演習開始後に李総統が前線を訪れたのは初めてで、中台の対立が強まりそうだ。
前線の各島の市民生活は平静ではあるものの、コメの買いだめが起きるなどしており、中国軍の演習中に前線を総統自ら訪問することで市民の不安感を抑えるのが狙いとみられる。
今回の訪問は、澎湖諸島の中心である澎湖島と日沙島を結ぶ橋が完成した式典を主宰するのが名目だったために、中国を刺激するのを避けて軍関係の機関は訪問しないとの見方が一部に出ていた。
李総統は、司令部訪問後の橋の完成式典で市民に「手を携えて、澎湖の力を示そう」と団結を呼び掛け、23日に迫った総統選挙への支持を訴えた。《共同通信》
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【ブラジル・カルドゾ大統領】国会で演説
国賓として来日中のブラジルのカルドゾ大統領は14日昼、参院本会議場で衆参両院議員を前に演説し、経済、政治の両面で日本とブラジルの対話と協力を強化する必要性を訴えた。外国の首脳による国会演説は一昨年の金泳三・韓国大統領以来。
カルドゾ大統領は、ブラジルが民主主義の下で、民営化などの経済的な機構改革を進め、インフレを過去20年間で最低水準に引き下げたことを力説し「改革プロセスは進行しており、後戻りはない」と強調。日本とブラジルが安全保障、国連強化、多国間貿易主義、環境、人権など「世界の共通利益を守るため、さらに緊密で協調的になることが決められている」との考えを表明した。
日本との関係について大統領は、今年が両国間の修好通商航海条約締結100周年に当たることを指摘し「日本人がブラジルに持ち込んだ精神的豊かさと物質的貢献に感謝の念を伝える」と、日本からの移住者の貢献を高く評価した。《共同通信》
【橋本龍太郎首相】ブラジル・カルドゾ大統領と会談
橋本龍太郎首相は14日夜、東京・元赤坂の迎賓館で国賓として来日中のブラジルのカルドゾ大統領と会談し、国連安全保障理事会の改革に関連して「日本、ドイツに加え、アジア、アフリカ、中南米諸国を加えることを検討する用意がある」と表明した。
首相は「(常任理事国は)グローバルな責任を担う能力と意思のある限定された数の国を加えるべきだ」と指摘、日本の常任理事国入りにブラジルの協力を求めた。
同大統領は日本、ドイツの常任理事国入りを支持するとともに「途上国についてもメンバーに加えるべきだ」として、ブラジルの常任理事国入りに重ねて意欲を示した。《共同通信》
【住専国会】新進党、議長要請を拒否
土井たか子衆院議長は14日午後、新進党の米沢隆幹事長と会談し、住宅金融専門会社(住専)処理問題で与野党対立が続く国会の正常化に向けて協議した。
同議長は衆院予算委の審議時間を大幅に確保し、強行採決は回避するとの打開案を提示し、新進党が予算委員会室前での座り込みを解除し、新たな日程協議と審議に応じるよう要請した。
しかし米沢幹事長はヤミ献金疑惑をもたれている加藤紘一自民党幹事長の証人喚問を審議入りの条件に挙げ、議長提案を拒否した。再三にわたる議長調整は不調に終わり、事態打開のめどは立たなかった。
新進党は週末も座り込みを継続する方針だが、党内の一部にピケ戦術見直しの動きも出てきた。衆院予算委理事会は15、16両日の理事会、委員会を開かないことを決めたため、予算案審議、採決は週明けの18日以降となることが確定した。《共同通信》
【社民党・村山富市党首】新進党を批判
社民党の村山富市党首は14日、都内のホテルで開かれた支持労組との会合で、新進党の小沢一郎党首が衆院解散・総選挙を求めていることについて「新進党は(住専問題で)何ら審議に値するような対案を示していない。党利党略に基づく主張だ」と批判した。
住専問題については、平成8年度予算成立とともに、現在の枠組みを前提とした処理方針も決定すべきだと強調、「国会の異常な状態を解消し、審議ができるようにしないといけない」と述べ、新進党の座り込みを批判し、早期正常化を求めた。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・橋本龍太郎首相は14日、英国で起きた銃の乱射事件に「(被害者は)子供だって」と驚いた様子。記者団から銃器対策について聞かれると「(僕は)運輸相の時は海上保安庁、蔵相の時は税関の職員が銃器の国内への流入を食い止めようと一生懸命やっていたの知っている。それでも約7割しか止められないのが現状だ」と解説した。その上で「銃に対して警戒する意識を国民にもっと持っていただきたいと思う」と国民の意識向上を要望。住専処理で世論の反発が強いだけに、国民の理解の必要性を首相はだれよりも痛感している?
○・・・新進党の渡部恒三総務会長はこの日午後、憲政記念館で開いた「住専に税金を使うな! 抗議集会」でのあいさつで「自民党は政権に就くことしか頭にない。政権を取るには社会主義でもいいとして(自社さ連立を)やった。近ごろは共産党とくっついた」と、ピケ反対での与党と共産党の連携に強く反発。さらに続けて「先々週テレビに出たが、加藤紘一幹事長と共産党の若いやつが一体だった。共産党は自民党の手先だ。自民党が政権を守るためには共産主義でもいいというのが橋本君だ」と語気を強め、国会での四面楚歌状態に八つ当たり気味だった。《共同通信》
【静岡駅前地下街爆発事故訴訟】地裁、静岡ガスの責任認めず
1980年8月、死者15人、負傷者223人を出した静岡駅前地下街爆発事故で、遺族や負傷者、被災したビルのオーナーやテナントなど7法人25人が静岡ガスに総額25億2000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が14日、静岡地裁で言い渡された。
吉原耕平裁判長は「被告会社の対応は二次災害防止のための注意義務の水準から最善を尽くしたとは認め難いが、原告らが主張する対応を取ったとしても、相当規模の二次爆発の発生は回避できなかった可能性が高い」として原告側の請求を全面的に棄却した。《共同通信》
【HIV訴訟】ミドリ十字社長、土下座でおわび
大阪、東京HIV訴訟で、ミドリ十字の川野武彦社長は14日午後、大阪市中央区の本社を訪れた原告らに対し、「被害を出した加害責任を認めおわびする」と謝罪、東京、大阪両地裁の第二次和解案受け入れを表明した。
原告らは「就職と結婚の壁にぶち当たっている。この病気を一生背負って生きていかなくてはいけない。あなたたちを許すことはできない」と訴えた。
川野社長は当初、「大きな苦痛と深い悲しみを与えたことを反省する」などと用意した文書を読み上げたが、原告らは「あんたらには流す血も涙もないのか」「自分の言葉ではっきりと謝罪してほしい」などと詰め寄った。
「救済する責任」「社会的責任、人道的責任」などと途切れがちの言葉で答えていた川野社長。最後は土下座して「申し訳ありません」。「真相究明について積極的に努力し再発防止に最善の努力をする」と恒久対策も約束した。《共同通信》
【大相撲春場所】5日目
大相撲春場所5日目(14日・大阪府立体育会館)横綱、大関陣ではかど番大関若乃花が剣晃にもろ差しから送り出され2敗目を喫した。横綱貴乃花は落ち着いて蒼樹山はたき込み、大関貴ノ浪は肥後ノ海を、武蔵丸は小結土佐ノ海をともに寄り切り、それぞれ1敗をキープした。前日まで全勝の3人は関脇武双山が小結安芸乃島を押し出し、平幕琴の若は気迫十分の相撲で関脇貴闘力を寄り切った。しかし、関脇琴錦は浪之花の内無双に不覚を取った。《共同通信》
【臨海高速鉄道臨海副都心線】試運転公開
30日に部分開業する東京臨海副都心の新鉄道、「臨海高速鉄道臨海副都心線」(臨海高速線)の新型車両による試運転が14日、報道陣に公開された。
臨海副都心線は東京都の第三セクターが運営し、当面JR京葉線の新木場駅と臨海副都心の東京テレポート駅間4.9キロを結ぶ。停車駅は4駅だけで、所要時間は7分。朝夕のラッシュ時には7分、昼間は10分間隔で運転する。運賃は初乗りが180円、新木場−東京テレポート間は230円となる。
臨海高速線は、世界都市博覧会の開催に合わせて計画された。2000年度にはJR山手線の大崎駅まで延ばし、千葉方面と東京南部を結ぶ動脈にと期待されている。《共同通信》