平成2593日目

平成8年2月13日(火)

1996/02/13

【池田行彦外相】「竹島は日本の領土」

池田行彦外相は13日午前の閣僚懇談会で、竹島の領有権をめぐり韓国が日本に対し反発を強めている問題について「両国の立場の相違が友好関係を損なうことを極力避け、冷静に話し合いを積み重ねることが大事だ」と述べ、韓国側との協議で事態の打開を図りたい考えを示した。

竹島の帰属については「わが国の立場は一貫している」と述べ、日本の領土であるとの考えをあらためて強調した。外相は閣議に先立ち、橋本龍太郎首相に問題の経過を報告、首相も「冷静な対応」を指示した。

外相は閣議後の記者会見で、韓国側が竹島周辺で軍事演習を計画していることについて「報道には接したが、確定しているわけではない」としながらも「例年この時期に行われるもののようでもある」との認識を示した。

また、竹島問題と国連海洋法条約の批准に伴う排他的経済水域設定との関連について「竹島の問題を海洋法問題と直接結びつけて考えているわけではない。お互いに知恵を出しながら、妥当、適切な方途を見いだしたい」と述べた。

自民党総務会、批判が噴出

13日午前の自民党総務会で、竹島問題について、韓国への批判や政府の対応への疑問が相次いだ。出席者からは「竹島は1905年に日本の領土登録をして島根県が管轄することを決めたが、韓国側からは何も意思表示がなく、認めている」との日本の領有権の正統性を主張する意見が出た。

この一方で韓国側が竹島に港湾施設を建設していることに関連し「こうした工作を排除しないで、(日本政府が)竹島を日本固有の領土というのはおかしい」など、日本政府の対応が不十分との指摘もあった。

今国会で批准を目指している国連海洋法条約に関しては「漁業協定などでは韓国にやられっぱなしだった。排他的水域の全面設定をすべきだ」との声も上がった。《共同通信》

韓国、池田外相発言に謝罪要求

韓国国会の外務統一委員会は13日、竹島(韓国名)の領有権を主張した池田行彦外相の発言を「明確な主権侵害であり、排他的経済水域設定に向けて計算された発言」として日本側の謝罪と再発防止を求める決議を採択した。

決議は「独島は歴史的にも国際法上もわが国固有の領土で、韓国が実効的に管轄している領土」とし、問題のふ頭建設工事については「安定した物資供給と航行船舶の避難場所確保のため必要な工事で、政党な主権行使であることを確認する」などとしている。《共同通信》



【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は北海道のトンネル事故が気になってしかたがない様子で、13日朝から「寝られん」を連発。「現地の話を聞く限り、素人の私から見ると発破しか方法がないような気もする」と言いながら、予定より早く官邸入りし、職員があわてて玄関を開ける一幕も。さらに閣議が開かれる国会にも「閣僚が飛び込みで入ってくることもあるからね」と予定よりも早く向かった。村山内閣が阪神大震災での初動の対応遅れで厳しい批判を浴びたのを教訓に、ことさら慌ただしくしている様子もあるが、住専、竹島問題と睡眠不足の原因もまだまだ山積み?

○・・・社民党の村山富市党首は同日午後、党本部で京都府長岡京市の女性(69)から油絵の肖像画を贈られた。趣味で絵を描いているという女性は「テレビに映った顔を写真にとって描きました。村山さんは気さくで誠実な汚職のない政治家だから絵にした。もっともっと首相をやってほしかった」と手放しの持ち上げよう。さらに「テレビより実物の方が若くてきれい」と言われると、村山氏種は尽きず。は「みんなにそう言われる。やはりテレビは真実を映さないな」とご満悦。首相時代に苦渋の表情はどこかに忘れ去ったように、顔は緩みっぱなしだった。《共同通信》

【オウム真理教】弁護士にもサリン攻撃

平成6年5月、オウム真理教対策弁護団の滝本太郎弁護士(39)の車にオウム真理教信者らがサリンを仕掛けて殺害しようとした疑いが強まり、警視庁築地署捜査本部は13日、殺人未遂容疑で教祖の麻原彰晃被告(40)をはじめ元幹部ら5人を再逮捕、女性出家信者(19)を新たに逮捕した。《共同通信》

【オウム裁判】青山被告、起訴事実大筋で認める

名誉棄損など6事件で起訴されているオウム真理教の元顧問弁護士青山吉伸被告(35)の公判が13日、東京地裁(大野市太郎裁判長)で開かれ、宮崎県の旅館経営者拉致事件で経営者らを逆に告訴した虚偽告訴と、信者の交通事故に絡み保険金をだまし取ろうとした詐欺未遂の2事件が審理された。

検察側は冒頭陳述で、青山被告が拉致事件の発覚を防ぐため、旅館経営者の娘に入院依頼書を偽造させるなど細かい指示を出していた、と指摘した。これに先立つ罪状認否で青山被告は2件の起訴事実を大筋で認め「本当に恥ずかしい行為で、反省しています」と謝罪した。《共同通信》

【東京・大阪国税局】住専貸付先を税務調査

東京、大阪両国税局は住宅金融専門会社(住専)の大口貸付先企業の経理実態を解明する方針を固め、13日、「末野興産」(大阪市西区)や「富士住建」(大阪市住吉区)「麻布建物」(東京都港区)など不動産会社5社とその関連会社の税務調査に一斉着手した。住専問題が表面化して以来、調査権限をもつ関係当局が調査に入ったのは初めて。《共同通信》

【橋本龍太郎首相】「問題あれば調査は当然」

橋本龍太郎首相は13日の衆院予算委員会で、東京、大阪両国税局が住宅金融専門会社(住専)の大口貸付先の不動産会社などへの税務調査に着手したことについて「いかなる立場の納税者も課税上問題があれば税務調査をするのは当然で、その考えの下に国税当局は行動している」と述べ、税務調査を徹底することで住専問題の実態解明を行っていく考えを強調した。

首相は6850億円の財政資金を支出する政府の処理策が、農林系金融機関の救済に当たるとの指摘に対して「そういう一面を全く否定してゼロとは言えない」と述べ、農林系に配慮した側面もあったとの認識を示した。また「最終的に大所高所からの総合的な判断があったかもしれない」と述べた。北側一雄氏(新進)の質問への答弁。《共同通信》

【北朝鮮】亡命した外交官が会見

今年1月に朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)のザンビア大使館から亡命した同大使館の前三等書記官、玄ソンイル氏(37)、崔スボンさん(35)の夫妻とかつて同大使館所属の工作員だった車ソングン氏(28)の3人が13日、ソウルで記者会見し、北朝鮮在外公館の苦しい“台所事情”などを明かした。

玄氏夫妻によると、ザンビア大使館の年間維持費は6万ドルとなっていたが、1993年11月の赴任後2年間で計3万ドルが送金されてきただけ。崔スボンさんは「毎月250ドルで生活しなければならず、食費は50ドルにし、衣類は古着市場で買った」と述べた。

車氏によると、93年12月に金正日書記の指示で人民武力省内に韓国軍情報の収集や韓国軍人のら致工作を担当する「文化連絡室」が、また94年4月には先進国の科学技術情報収集のため「138連絡所」が新設された。さらに「314連絡所」では韓国の貨幣やパスポートの偽造をしているという。

一方、87年の大韓航空機爆破事件の後、金賢姫死刑囚が毒を飲んで死にきれなかったことから、金書記が「潔くない。やはり女はだめだ」と指示し、88年に女性工作員20人が任を解かれたという。

今年1月に朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)のザンビア大使館から韓国に亡命した同大使館の元工作員、車ソングン氏が国家安全企画部の調べに「1980年代初めに北朝鮮にら致された日本人男性が、日本への潜入を目指す工作員相手の日本語教師をしていると聞いた」と供述していることが13日、同部が発表した資料で分かった。

資料によると、金正日書記の指示で、日本に潜入した工作員2人が海岸近くの公園で散策中の20歳代の男性1人をら致し麻酔して咸鏡北道の清津港に運んだ。男性は平壌市内にある招待所に収容、工作員に日本語を教える語学教員として活動しているという。《共同通信》



2月13日のできごと