平成2594日目

1996/02/14

この日のできごと(何の日)

【菅直人厚相】HIV訴訟原告らと会談

薬害エイズ問題で菅直人厚相は14日、東京・霞が関の厚生省内で東京、大阪HIV(エイズウイルス)訴訟の原告代表と会談した。

原告らは「薬害エイズに対する国の姿勢を抜本的に転換してほしい」と直接訴え、菅厚相は「皆さんの声を受け止め、できる限り努力したい。国の責任についてはきちんと認めるべきだと思っている」と答えた。

HIV訴訟の原告と厚相が会うのは始めて。訴訟は現在、東京、大阪両地裁で和解協議が進んでおり、今回の初会談で3月の和解成立に向けて大きく弾みがつきそうだ。《共同通信》

昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。

情報量が少ない日は随時加筆中です。

引用記事は名前、住所など一部修正の上、抜粋してあります。

外国の方のお名前、地名などは現時点で一般的に通じるものに書き換えています。(例・ロシアのプーチン氏はかつてプチン氏と表記されていました)

古い記事の多くは「書き写し」のため、誤字脱字が多数あります。見つけ次第修正しています。

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【中越鉄道】運行再開

1979年の中越戦争以来、17年間にわたって不通だった中国とベトナムを結ぶ鉄道の運行再開記念式典が14日、中国広西チワン族自治区の国境の町、凭祥で行われた。式典後、両国関係者を乗せた一番列車が、ベトナム側のドンダンに向けて出発、北京=ハノイ間が再び鉄道で結ばれた。凭祥ードンダンのほか、もう一つの雲南省・山腰ーラオカイを結ぶルートも同日、運行を開始。

運行再開は、両国が未解決の領土・領海問題を抱えながらも着実に関係拡大しているのを象徴しており、再開を機に両国間の経済関係はさらに活発化するとみられる。

式典には、中国側から国林・鉄道次官、唐家瑞外務次官、ベトナム側からブイ・バン・スオン運輸郵政次官ら、計約500人が出席。テープカットに続き、一番列車が出発した。

式典では、国林次官が「中越鉄道開通で、両国の経済関係はさらに拡大するだろう」とあいさつ。ベトナム・ランソン省のドン・コン・ダ省長も「鉄道再開で友好関係が増進するのを希望する」と述べた。

北京―ハノイ間は今後、旅客列車が週2往復のペースで運行する。ベトナムと中国ではレールの幅が異なるため、旅客は凭祥、ドンダンで列車を乗り換えることになる。また雲南省ルートは当面、貨物列車が運行される。

中国、ベトナム間の鉄道は、1955年に開通。インドシナ戦争、ベトナム戦争当時は、中国からベトナムへの支援物資補給ルートに使われたが、中越戦争以来、運行がストップしていた。《共同通信》

【北朝鮮】ロシア大使館で銃撃戦

タス通信によると、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の平壌のロシア大使館の敷地にあるロシア通商代表部に14日明、銃を持った男1人が乱入、警備の北朝鮮の警官と撃ち合いになり、警官3人が死亡、1人が負傷した。平壌のロシア外交筋が明らかにした。

男は25歳の北朝鮮市民で、朝鮮労働党中央委員会の特別施設の警備をしていた。通商代表部にとどまり、ロシアに政治亡命を要求。亡命が受け入れられず、北朝鮮側に引き渡されるならば自殺するとしている。男はロシア人に危害は加えていないという。北朝鮮当局が、男と交渉を続けている。

チェルメイショフ・ロシア外務次官は、北朝鮮当局と連絡とっていることを明らかにし、事件解決にしばらく時間がかかるとしている。

ロシア大使館は市の中心部に位置し、北朝鮮の党、政府、軍の機関が近くにある。大使館周辺は平穏だという。大使館の敷地は高い塀で囲まれ、3カ所に出入り口があり、それぞれに武装警官の詰め所がある。平壌のロシア大使館で銃撃事件があったのは初めて。

旧ソ連時代に結ばれた北朝鮮との条約は、刑事犯罪を犯した亡命者については、互いに本国に送還しなければならないと規定している。しかし、少なくともここ数年では、該当する亡命事件は起きていないという。《共同通信》

【羽生善治六冠】史上初の七冠達成

将棋の羽生善治六冠王(25)が谷川浩司王将(33)に挑戦した第45期「王将戦」七番勝負の第四局は、13日から山口県豊浦町の「マリンピアくろい」で行われ、14日午後5時6分、82手までで後手の羽生が勝ち、4連勝で最後のタイトルを獲得した。羽生は初の王将位で、同時に名人、竜王、棋聖、王位、王座、棋王と合わせ7つの全タイトルを手中にした。

全冠同時制覇は、升田幸三(三冠時代)と故大山康晴(三冠、四冠、五冠時代に計6度)に次いで3人目。昭和58年(1983年)に七冠になってからは初めて。羽生はタイトル戦出場27回で24勝3敗の驚異的な成績をマーク、名実ともに羽生時代を確立した。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は14日朝から、北海道のトンネル崩落事故の岩盤爆破作業状況が気が気でない様子。午前8時前、官邸入りすると開口一番「専門家に任せるしかない。昨日も連絡・責任体制のことで頭がいっぱいだった」と険しい表情を見せた。昼休みに爆破成功の報告を受けたが、衆院予算委の午後の審議に向かう途中も「(爆破した)岩の除去とトンネル内での救出作業が同時にできるか知りたかったんだが、連絡が間に合わなくてピリピリしているんだ」と、みけんにしわを寄せたまま。住専問題に加えトンネル事故と首相のピリピリは当分続きそうだ。

○・・・新進党の愛野興一郎氏はこの日の衆院予算委員会で、与党の一部から選挙制度再見直し論が出ていることを取り上げ、「社民党議員が小選挙区比例代表並立制見直しの署名活動をやろうとしている。政治改革の一環として並立制を導入したのに一回もやらないのはおかしい」と語気鋭く追及した。返す刀で「私は新旧交代の代表として比例代表に回った」と、政治改革推進のため自ら進んで選挙区を離れたことをアピールしたが、最後は「これでは(私も)また中選挙区制度でやり直さなければならない」とぼやき節も。《共同通信》

【北海道・豊浜トンネル崩落事故】岩盤を破砕

北海道・積丹半島の豊浜トンネル崩落事故で北海道開発局の現地対策本部は14日午前11時、トンネル上方の巨大な岩盤除去のため通算4回目の発破を実施、残っていた岩盤はほぼ全体が崩れ落ち、一部は海まで転げ落ちた。対策本部は発破終了後、現地調査を行い、岩盤が除去されたことを確認した。

これを受け、直ちにショーベルカーなどでトンネル上部の土砂の撤去作業に着手、自衛隊員らもトンネル内に入り、トンネル内に閉じ込められているとみられる路線バスの乗客ら20人の救出を進めている。トンネルの出入り口付近には小樽、札幌両市の消防本部などの救急車が待機している。

現場では、乗客の家族らが不安そうに発破作業を見守っていた。岩盤が崩れ落ちた瞬間、家族からは「やった」との声が上がったが、あまりに遅い本格的な救出作業の開始にはいらだちを見せている。

開発局によると、残っていた岩盤は高さ20メートルで、事故発生当時に比べ半分以下になっていた。4回目の発破は、160キログラムの爆薬を使用、これまでの3回と異なり、岩盤のトンネル側に爆薬を仕掛けて行われた。

当初、20本の穴に400キログラムの爆薬を詰めて行う予定だったが、準備の途中で岩盤が自然崩落したため作業を一時中断。安全を確認した後、既にあげていた12本だけに装てんし、発破を行った。

これに先立ち、対策本部は14日朝、乗客らの家族に作業の進め方を説明、了解を得た。しかし、事故から5日目を迎え、実際の救出活動が遅れていることや説明不足が続いていることで、家族らの対策本部に対する批判が相次ぎ、不信感が強まっている。

岩盤はトンネルに上から突き刺さるような形でのしかかり、トンネル内部から掘り進めての救出活動を阻んでいた。路線バスは高さ約1メートルに押しつぶされているのが確認されているが、乗客らの安否は依然不明のまま。バスのほか、男性1人が乗った乗用車も事故に巻き込まれたとみられている。《共同通信》



2月14日 その日のできごと(何の日)