平成2532日目

平成7年12月14日(木)

1995/12/14

【東京地裁】オウム資産仮差し押さえ

東京地裁は14日までに、地下鉄サリン事件など4事件の被害者、遺族45人と国の申し立てに基づき、オウム真理教の不動産65物件と動産の保全を認める決定を出した。同地裁と被害者側は同日午前10時から、東京・南青山の東京総本部など全国の教団施設11カ所で一斉に動産の仮差し押さえをし、正午までに現金約400万円などを仮差し押さえた。

被害者らは「被害に対する債務超過」を理由に教団の破産を申し立てており、これに対する決定に先立って債権を保全するための措置。不動産についても12日、決定に基づき譲渡や抵当権設定など一切の処分を禁じる登記が実施されており、教団側は無断での財産処分ができなくなった。

オウム真理教に対しては、宗教法人法に基づく東京地検の解散請求を東京地裁が認め、教団側の即時抗告に対する東京高裁の決定も近く出るとみられている。

破産と資産保全を申し立てていたのは国のほか、地下鉄、松本両サリン事件や坂本弁護士一家殺害事件、目黒公証役場事務長監禁致死事件の被害者、遺族計45人。

被害者側は教団に損害賠償を求める訴訟を起こしたり準備しているが「教団が名義を関連会社に移すなど資産隠しをしている疑いがある」として11日、資産分散を食い止めるため東京地裁に教団の破産と資産保全を申し立てた。また、国も教団犯罪による労災保険金や犯罪被害者給付金などを教団が負担すべきだとして同様の申し立てをした。

同地裁はこれを受けて12日、破産宣告に先立ち教団の不動産処分禁止の仮処分と、動産の仮差し押さえを命じる決定をした。

被害者側弁護団によると、4事件の被害者側が求めている損害賠償の総額は約18億4430万円。このほかの教団事件での被害額を合わせると教団が負うべき賠償責任は50億円を超えるとしている。また国も数億円規模の債権を抱えているという。

これに対し、教団側が保有する資産は全国の土地48件、建物17件(評価額計約8億9000万円)と、債権3億5000万円の計約12億4000万円と算定。現金や預貯金は把握できなかったが、債務超過が明らかとしている。

14日の強制執行の対象となったのは東京総本部のほか、東京・亀戸の新東京総本部、山梨県上九一色村の「第6サティアン」、支部道場など全国11カ所。着手に当たって「もう名義を移している」と一部で抵抗する場面もあったが、おおむね順調に行われ、保有する現金や備品などの差し押さえが実施された。《共同通信》



【政府】オウム真理教に破防法適用へ

政府は14日、オウム真理教に対し破壊活動防止法の団体規制(解散の指定)を適用する方針を決めた。宮沢弘法相が同日午後、首相官邸に村山富市首相を訪ね、法務省・公安調査庁での検討結果と適用の方針を報告、首相もこれを了承した。団体規制の適用は昭和27年の破防法施行以来、初のケースとなる。

来週にも杉原弘泰公安調査庁長官が官報に公示、同教団に弁明の期日や請求理由などを通知する。来年1月中旬にも弁明手続きが開始される。

首相はこれを受け談話を発表し、同教団について「基本的な法秩序への破壊的行為」と断定する一方で、法手続きは基本的人権との絡みで慎重に進める考えを表明した。《共同通信》

(管理人注・最終的に適用されず)

【新進党・鳩山邦夫氏】党首選への出馬を断念

新進党の鳩山邦夫衆院議員は14日夜、16日告示の党首公選への出馬を断念した。同氏擁立を目指していた山田宏衆院議員ら若手議員グループが、立候補に必要な国会議員20人の推薦署名集めに失敗、「第3の候補」擁立見送りを決めたことを受けて判断した。これにより同党首選は既に立候補を表明している小沢一郎幹事長と羽田孜副党首の一騎打ちとなることが決定的になった。《共同通信》

【ASEAN首脳会議】開幕

東南アジア諸国連合(ASEAN)の第5回首脳会議は14日バンコクで、新加盟のベトナムを加えた7カ国の首脳が出席し、2日間の日程で開幕した。15日にはラオス、カンボジア、ミャンマーを加えた初の東南アジア10カ国首脳会議が開かれ、東南アジア非核地帯条約が調印される。

議長国タイのバンハーン首相は「われわれは10カ国による東南アジア共同体の実現に向け動き出した」と会議の意義を強調。また、ASEANが世界市場で競争力を維持するため、経済協力を世界貿易機関(WTO)やアジア太平洋経済協力会議(APEC)の枠組みより速めて推進、ASEAN自由貿易地域(AFTA)の域内関税を2003年までに「0%」とするよう提案する。

一方、フィリピンのラモス大統領は、米国や中国などの核保有国が非核地帯条約の議定書内容に不満を示し「正当な懸念と国益」を表明している問題で、保有国側の主張にこたえ、同内容の修正を提案した。

インドネシアのスハルト大統領は、ASEAN加盟国や中国との間で起きている南沙(スプラトリー)諸島の領有権問題に関し、平和的な解決を図るよう呼び掛けた。

7カ国首脳は15日、ASEAN10カ国体制の早期実現やAFTA計画の促進、エイズや麻薬など社会問題の解決に向けた協力姿勢を盛り込んだバンコク宣言を採択する。《共同通信》

【ボスニア紛争】和平協定調印式

3年半にわたる内戦で20万人の犠牲者を出し、欧州では第二次大戦後、最大の悲劇となったボスニア・ヘルツェゴビナ紛争に平和的解決の道筋をつけるボスニア和平協定の調印式が14日、バリのフランス大統領府(エリゼ宮)で行われ、ボスニア、クロアチア、ユーゴスラビア・セルビア共和国の紛争当事国3首脳が「ボスニア和平包括枠組み協定」に調印した。

米オハイオ州デートンでの和平合意はこの調印で正式に発効、ボスニアは未解決のまま先送りされた一部領土問題など不安要素をにらみながら、復興と和解へ向け動き出すことになった。米国を中心に国際社会全体が支援する今回の合意は、停戦協定が何度も結ばれては破たんしてきた紛争の政治解決への「最後の機会」とみられている。

3当事国の間では、和平協定の基盤を強化するため、相互承認実現に向けた交渉も進んでおり、既にセルビア、クロアチア間の合意を残すのみとなっている。

協定は、ボスニアをイスラム教徒とクロアチア人で構成する「ボスニア連邦」とセルビア人勢力の「セルビア人共和国」から成る単一国家と規定、6−9カ月以内に幹部会、議会など指導部の自由選挙による選出を定めている。

国連防護軍は撤退し、北大西洋条約機構(NATO)を中心とした多国籍軍である平和履行部隊(IFOR)約6万人が停戦監視などに当たる。《共同通信》



12月14日のできごと