平成2505日目
1995/11/17
この日のできごと(何の日)
【オウム真理教】信者1000人に覚せい剤
山梨県上九一色村のオウム真理教施設でサリンや覚せい剤を製造したとして殺人予備罪と覚せい剤取締法違反の罪に問われた元信者A子被告(30)と、殺人予備罪に問われた同、B子被告(29)の公判が17日、東京地裁(山田利夫裁判長)で開かれた。
A子被告の覚せい剤取締法違反事件で、検察側は教祖麻原彰晃被告(40)が、覚せい剤の作用を宗教儀式に利用、在家の信者を含む計約1000人を対象とした儀式で使用した、と指摘した。A子被告は最初の工程にはかかわっていないなどとした上で「それ以外は間違いありません」と密造を認めた。
検察側の冒頭陳述や関係被告の調書などによると、麻原被告は昨年5月、教団内で密造したLSDを元幹部遠藤誠一被告(35)から受け取り「じゃあ、わしが試してみよう」と使用「これはできている。修行で到達できる最高の所まで到達した。これを修行に応用できないか」などと述べた。
麻原被告は同月、村井秀夫元幹部=死亡当時(36)=、遠藤被告、幹部土谷正実被告(30)、元幹部中川智正被告(33)を呼び「作れるものはすべて作れ」と薬物密造を命じた。
村井元幹部は覚せい剤も同様に利用できると考えて土谷被告に製造を指示した。土谷被告は途中で警察の捜索を受けても覚せい剤密造が分からないようにするため、通常とは異なる方法を考案し、同年7月ごろ森脇被告が加わり、約5グラムの合成に成功した。
村井元幹部から成功の報告を受けた麻原被告は覚せい剤を「ブッダ」と名付け、さらに量産するよう命令した。土谷被告から指示を受けたA子被告は、今年2月上旬ごろまでの間に計約222グラムを作った。
このうち約65グラムは、昨年11月ごろから今年3月下旬、「ルドラチャクリンのイニシエーション」というLSD、覚せい剤入りの飲料水を飲ませる儀式で信者約1000人に使用した。
あらかじめ年齢、体重、既往症、薬物使用歴などについてアンケートを実施、その結果に応じて麻原被告が各信者に使用する覚せい剤の量を決めるなどしていた。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
情報量が少ない日は随時加筆中です。
引用記事は名前、住所など一部修正の上、抜粋してあります。
外国の方のお名前、地名などは現時点で一般的に通じるものに書き換えています。(例・ロシアのプーチン氏はかつてプチン氏と表記されていました)
古い記事の多くは「書き写し」のため、誤字脱字が多数あります。見つけ次第修正しています。
【長野五輪組織委】スノーボード実施を決定
1998年長野五輪組織委員会は17日、東京都内のホテルで開いた組織委会議で、国際オリンピック委員会(IOC)から要請されていたスノーボードの追加実施を決めた。12月のIOC理事会で正式決定される。最近、人気を集めている冬の新スポーツが、五輪で初めて正式種目となる。
スキー競技の一部として長野で実施されるのは、男女大回転と同ハーフパイプの計4種目。開放は大回転が山ノ内町焼額山、ハーフパイプが同町かんばやしスノーボードパークと決まった。長野五輪で実施される競技・種目数は7競技68種目となる。《共同通信》
【大相撲九州場所】6日目
大相撲九州場所6日目(17日・福岡国際センター)全勝の大関武蔵丸に土がつき、両横綱ら6人が5勝1敗で並んだ。武蔵丸は関脇琴錦の厳しい攻めにほんろうされ、はたき込まれた。琴錦は1敗を堅持。
両横綱は、貴乃花が寺尾の突き、押しに後退したが、寄り倒して2日目から5連勝。曙は水戸泉を一方的に押し出して1敗をキープ。大関若乃花は琴の若を送り出して5勝目。平幕では安芸乃島も1敗守った。大関貴ノ浪は舞の海を下して4勝目。関脇魁皇は栃乃和歌に敗れて2敗、武双山は小結貴闘力に屈して2勝4敗となった。《共同通信》
【APEC大阪会議】各国首脳が大阪入り
アジア太平洋経済協力会議(APEC)の非公式首脳会議を前に17日、韓国の金泳三大統領や中国の江沢民国家主席ら加盟各国・地域の首脳が続々と特別機や専用機で大阪入りし、街は華やかな歓迎ムードが高まる一方、厳戒態勢の緊張はピークに達した。
ホスト役の村山富市首相は到着ラッシュに巻き込まれた格好で、定刻より少し遅れて午後4時半前に関空に到着。二女の中原由利さんとタラップを降りると、出迎えた横山ノック大阪府知事らに、にこやかな表情であいさつし握手を交わした。《共同通信》
【河野洋平外相】米韓外相と会談
河野洋平外相、クリストファー米国務長官、孔魯明韓国外相は17日午後、大阪市内のホテルで三国外相会談を開き、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)政策をめぐる共同声明を発表した。この中で、三国が北朝鮮政第について協調して対応するため、状況に応じて閣僚、高級事務レベル(次官級)会合を開くことで合意。1回目の次官級協議を来年1月とすることを決めた。
これは、北朝鮮の核開発問題に限定せずに朝鮮半島情勢全般に関する継続的な政策協議の場を初めて設置し、日米韓の連携、協調態勢を一層強化することで北朝鮮に対し、南北直接対話の進展を促そうという狙いだ。
今回の三国外相会談は、孔韓国外相の提唱で開催。冒頭、各外相は「日米韓は北東アジア地域に極めて重「要な役割を果たしている」との認識を表明。対北朝鮮政策に関しては「国際社会との対話促進と、南北関係改善を促す」との観点から、三国それぞれの政策を今後も緊密にすり合わせていく考えで一致した。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・村山富市首相はクリントン米大統領訪日中止のショックから一夜明けた17日、首相官邸でアジア太平洋経済協力会議(APEC)大阪会議に臨む抱負を聞かれ「議長国としての役割をしっかり果たします」と胸を張った。前日夕には散髪も済ませ、体調についても「大丈夫だ」と万全の態勢を強調。今年日本で開催される最大の国際的イベントとあって緊張感は隠せないが「平常心。平常心で成功のためしっかり努力します」と、自らに言い聞かせるような口ぶり。
○・・・新進党の江田五月広報企画委員長はこの日、党首選の細目を決める準備委員会後記者会見。「今日は慎重に十分に深く検討した。決して当てずっぽうでやっているわけじゃない」と笑いながら説明。前回の準備委では投票用紙の配布や党員の確定をめぐって、記者団の質問に答えきれずしどろもどろになっただけに「サーベイ(精査)して、練り直し、かなり時間をかけて再チ-ェックした」と順調に作業が進んでいることを強調した。しかし、党員への投票用紙配布は、結局党本部からの一括配布方式に変更することになり「総支部に任せていたら、やや心もとない」と、地方組織の未整備ぶりを思わず暴露。《共同通信》
【石川県立航空プラザ】オープン
実機展示やフライトシミュレーションなどを通じて航空文化を体験できる小松市安宅新町の石川県立航空プラザは17日、オープンし、約200人の関係者が開館式で小松空港周辺整備事業の核施設の誕生を祝った。
開館式ではテープカットのあと、谷本正憲石川県知事、北栄一郎小松市長が「県民のみならず小松空港を利用する人々の交流の場となってもらいたい」などとあいさつ、河口健吾石川県議会議長、横山雅輝小松市議会議長が祝辞を述べた。
航空プラザは鉄骨一部2階建て、延べ床面積約6000平方メートル。常設展示室や実機展示室、多目的ホールなどが設けられている。このうち、常設展示室では、日本初の飛行機となる玉虫型人力機の実寸模型や昭和5年に三大陸横断を果たした石川県出身の東善作の足跡を示すパネルなどが並べられ、航空機の歴史が学べるようになっている。
フライトシミュレーションコーナーではジャンボジェット機とグライダーの2種類のコックピット装置があり、映像を通じて飛行体験できる。実機展示室には南極観測用軽飛行機や航空自衛隊の練習機など7機が展示され、屋外にはヘリコプター2機が置かれている。《北國新聞》
【米・クリントン大統領】沖縄県民の懸念に理解
クリントン米大統領は17日、ホワイトハウスで共同通信とNHKのインタビューに答え、日米関係全般にわたり見解を表明、来年早期の日本公式訪問を確約した。沖縄の女子小学生暴行事件では、あらためて遺憾の意を示し、沖縄米軍基地の問題は「沖縄県民の懸念を理解する。基地縮小問題では、いかなる選択肢であれ、日本政府と協議するつもりだ」と言明した。
大統領は一方で、朝鮮半島情勢などを理由に在日および在韓米軍の大幅な縮小は否定。日米安保体制を「両国関係の柱」と位置付け、暴行事件で揺らいだ両国関係の修復を日本国民に訴えるとともに、日米安保堅持とアジア地域安保強化の必要性を強調した。
大統領は、冷戦後のアジア安保について、欧州の平和のためのパートナーシッープ(PFP)と「同様のことを世界中で実現させたい」とし、将来は日本と韓国を軸に「4−5カ国による合同演習」実施など、アジア地域の緩やかな安保体制を構築したい考えを表明した。
沖縄駐留米軍の問題は1年かけて解決したいと述べ、安保に関する両国の協議機関で①米軍の規模や部隊再配置②米軍が使用する土地の規模と利用目的③部隊の沖縄から日本の他の場所への移転−などを検討すると語った。
沖縄米軍基地の縮小問題については「交渉担当者が打ち出す選択肢次第だ。米国は選択肢についてオープンだ」とし、沖縄県民の懸念に「誠意をもって対処したい」と述べた。《共同通信》
【沖縄米兵少女暴行事件】米司令官が暴言
在沖縄米軍を指揮下に置くマッキー米太平洋軍司令官(海軍大将)は17日、沖縄駐留米兵3人による女子小学生暴行事件について「犯行に使用した車を借りる金があれば、女(売春婦)を買えたのに。3人はばかだ」と暴言を吐き、その責任を取って同日辞任した。
同司令官は発言を取り消し、遺憾の意を表明した。しかし、ペリー国防長官は、事件に対する深刻な認識を欠き、女性への侮辱をも含んだこの発言が「沖縄の怒り」を増幅させる懸念が強いと判断、辞任を求めた。事実上の解任といえる。
この暴言が沖縄における反基地、反米軍感情を刺激するのは間違いなく、クリントン大統領の訪日中止も重なって日米安保関係がさらに大きく揺らぐのは避けられない情勢だ。
司令官は17日午前、事件で起訴された米兵3人の素行などについて国防総省で背景説明したが、その際にこの問題発言が飛び出した。
司令官は、沖縄の米軍基地に対する怒りや不満について「事件があったならというよりも、日本本土と比べて過重な基地負担を押しつけられているとの感情に由来している」などとも説明した。
司令官は発言後「3人の愚かな行動に対するわたしのイライラから出た言葉だった」との釈明声明を発表。一方、ペリー長官は「判断を誤ったこの発言は極めて重大であり、マッキー司令官が太平洋軍の指揮官としての義務を遂行するのは不可能」(長官声明)と判断、辞任させた。
マッキー司令官は米軍人りして35年のベテランで、米軍司令官の中でも最も地位の高い人物の一人。
米側はこれまで、暴行事件を深刻に受け止め、再発防止に全力を尽くすと表明するなど、ひたすら反省の姿勢を強調していた。クリしーントン大統領もこの日の共同通信などとの会見で、被害者と家族、沖縄県民にあらためて遺憾の意を表明したばかりだった。《共同通信》