平成2425日目
1995/08/29
この日のできごと(何の日)
【ムルロア環礁での核実験に強く反対する議員の会】結団式
フランスの核実験再開に反対する武村正義蔵相(新党さきがけ代表)ら超党派議員による「ムルロア環礁での核実験に強く反対する議員の会」のタヒチ派遣団の結団式が29日午後、衆院第二議員会館で行われ、団長に武村氏を選んだ。
あいさつで武村氏は「ムルロアの実験に反対の意思を態度で表すために行く。みなさんと一緒に成果のある、行ってよかったと実感できる旅にしたい」と抱負を述べた。
派遣団は、さきがけ9人、社会党7人、新進、平和・市民各2人、自民、共産、二院クラブ各1人の計7党派23人。
武村氏ら主要メンバーは来月1日夕に日本を出発。2日にタヒチで行われるデモ行進や共同抗議集会に参加。武村氏が議員団を代表して核実験中止をアピールする。現地では原爆写真展や各国合同の記者会見なども予定されており、武村氏は4日午後に帰国の予定だ。
また、さきがけの田中甲、宇佐美登、平和・市民の金田誠一各衆院議員はタヒチからグリーンピースの抗議船に乗り込み、実験海域近くの公海での抗議行動にも参加する。
同会は29日、中国の地下核実験に対しても「核実験中止と核兵器廃絶を求める国際世論を無視した暴挙。強い怒りと失望を禁じ得ない」と抗議の決議を採択した。《共同通信》
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【河野洋平外相】当面留任
村山富市首相は29日、自民党総裁選不出馬を表明した河野洋平副総理兼外相(総裁)と会い、9月下旬の国連総会出席を要請、河野氏も了承した。首相は総裁任期切れ後も引き続き河野氏に外相留任を求める方針だ。
新総裁就任がもっとも確実な橋本龍太郎通産相も11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)には内閣の現体制で臨むことを明言しており、当面は河野外相続投の方向だ。しかし首相は副総理ポストについて「自民党総裁の就任が適切」(首相周辺)として、新総裁に要請したい考えだ。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・自民党総裁選出馬を断念した河野洋平外相(総裁)は29日、バーバー米共和党全国委員長と会談し「恋人同士でも互いに手を握り目を見て満足する関係もあれば、(より親密に)肩を組み月とか星を見て幸せを感じるものもある。日米関係は後者だ」と強調した。この後の記者会見で河野氏は不出馬について「(私と橋本龍太郎氏の)二人が国政をないがしろにする事態が起きたら国民にすまない」と釈明した。公選と政策論争の道を自ら断ち切った今回の断念劇は、河野氏と国民との「見詰め合う」関係すらも断ってしまったのでは?
○・・・新進党の西岡武夫氏はこの日の記者会見で、党内で論議中のNTT分割問題に関連して「最新のパソコン基本ソフト『ウインドウズ95』が世界を席けんするのではないかといわれる中で、NTTがどうあるべきか考える必要がある」。パソコンでインターネットにアクセスする政界有数のマニアだけに「規制緩和で大規模小売店舗法がどうだ、こうだと言っているが、若者たちはインターネットで世界中のモノを買っている時代。情報通信に国境がなくなる中で、日本は国家戦略の視点を持つべきだ」と、体験的情報論を展開したが、NTT問題での見解には触れずじまい。《共同通信》
【高速増殖炉もんじゅ】試験運転で「初送電」
わが国が推進する核燃料サイクルの中核に位置付けられる動力炉・核燃料開発事業団の高速増殖炉(FBR)原型炉「もんじゅ」=敦賀市白木=が29日午前、国内のFBRとしては初めての発・送電を達成した。
今後の試験密偵について、大石博理事長は来年6月に初めて100%出力での試験運転を実施。炉心燃料の一部を交換した後、来年後半には本格運転を始めることを明らかにした。《福井新聞》
【中国】駐米大使帰任決定
中国外務省の陳健報道局長は29日、李登輝・台湾総統の訪米による米中関係の悪化で本国に召還していた李道豫駐米大使の米国帰任を確認するとともに「米中首脳会談に向けて米国が有利な雰囲気と条件をつくるよう希望する」と述べ、10月に江沢民国家主席が国連の記念行事で訪米する際の首脳会談実現に積極的な姿勢を示した。
米中両国は李総統の再訪米問題など、依然台湾をめぐる対立点を残しているが、中国大使の帰任などで関係改善の流れが一層強まることは間違いない。9月の米中外相会談(ニューヨーク)などを通して首脳会談実現へ向けた駆け引きが強まろう。
同局長は米中首脳会談について「米中の高いレベルの指導者の接触は相互の理解と関係の発展に有利である」と指摘、中国が会談実施に原則的に賛成であるとの姿勢を示唆した。
また先のターノフ米国務次官の訪中などで、米国側が①米中関係における台湾問題の重要性と敏感性を十分に認識した②「一つの中国」の政策を変えることはない③米中間の共同コミュニケを順守する④台湾の国連加盟に反対する―と表明したことを指摘。米中関係が正常に戻るかどうかは、米側がこうした約束を実際行動で示すかどうかにかかっていると強調した。《共同通信》
【若田光一宇宙飛行士】会見
この秋にも打ち上げ予定の米スペースシャトル「エンデバー」への搭乗が近づいている日本人宇宙飛行士若田光一さん(32)は29日、訓練中の米航空宇宙局ジョンソン宇宙センターで記者会見し「訓練は佳境に入り、高度になってきたが、充実している。楽しんでいます」とリラックスした様子で心境を語った。
搭乗員がおそろいで作った紺のポロシャツ姿で現れた若田さんは「日米2つの衛星の回収のほか、実験装置の運用、船外活動(宇宙遊泳)の支援も任されている」と役割の重さを説明した。
若田さんは日本人初の搭乗運用技術者としてシャトルに乗り込む。このため、あらゆるトラブルを想定した複雑な訓練が連日続いているが、「本番でトラブルが起きても対応できるようになっているのでは」と自信ありげ。同席したブライアン・ダフィー船長(42)も「コウイチは熟練した技術を既に証明している」と高く評価した。
自分以外の5人のクルーについて、若田さんは「同僚は皆、陽気な人たち。長い時間を一緒にすごし、気心も知れている」とにっこり。「自分も良い雰囲気作りの役に立っていると思います」とチームワークの良さを強調した。
休日は勉強に充てるほか、テニスやジョギングで体を鍛える日々。自宅でご飯を炊いたりカレーを作る花の独身生活だが、特定のガールフレンドがいるとのうわさについて聞かれると「ええ」。
「宇宙から帰ったら結婚しますか」と重ねて問われると「できればそうなればいいと思っています」とほおを緩め、「これ以上は任務の後で…」と照れくさそうだった。《共同通信》