平成2421日目
1995/08/25
この日のできごと(何の日)
【秩父宮妃勢津子殿下】薨去
天皇陛下の叔母に当たる秩父宮妃勢津子さまは25日午前11時28分、心不全のため皇居内の宮内庁病院で亡くなられた。85歳だった。葬儀は約一週間後、東京都文京区大塚の豊島岡墓地で営まれる予定。喪主などは未定。皇室にとっては昭和64年1月の昭和天皇に続くご不幸。
「スポーツの宮様」として知られた秩父宮さまが28年1月に死去してからは一人暮らしだった。お子さまはなく、勢津子さまの死去で秩父宮家は途絶えることになる。
心臓に持病があった勢津子さまは7月5日から微熱と食欲不振のため宮内庁病院に入院した。吐血を繰り返し、血圧、じん機能が低下。この日未明からこん睡状態に陥り、危篤となっていた。
明治42年(1909年)9月9日、外交官で後の宮内大臣、初代参院議長を務めた松平恒雄、信子夫妻の長女としてロンドンで誕生。大正14年2月、両親とともに渡米、ワシントンの学校で学んだ。 昭和3年9月、大正天皇の二男、秩父宮さまと結婚。旧皇室典範の規定で一般の女性は皇族妃になれなかったため、本家の旧会津藩主、松平保男子爵家に入籍してから嫁がれた。また名前が秩父宮さまの母の貞明皇后と同じ「節子」だったため、結婚前に「勢津子」と改名された。
秩父宮さまが陸軍軍人として青森県などに赴任した時は一緒に任地に移り、軍人生活を支えられた。 結核予防会が設立された14年から総裁として結核の予防、治療活動に尽くし、昨年5月に秋篠宮妃紀子さまに総裁を譲られた後は名誉総裁に就任された。 秩父宮さまの死去後は日英協会名誉総裁を引き継ぎ、日本赤十字社名誉副総裁、交通遺児育英会の名誉総裁として社会福祉活動を続けられた。
国際親善の面でも尽力。特に英王室とのつながりは深く、37年に国賓として招待を受けるなど計5回にわたり英国を訪問。このほか韓国(45年)、ネパール(60年)なども訪問された。 著書に、自らの人生を振り返った「銀のボンボニエール」(平成3年刊)がある。
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村山富市首相は25日午後、秩父宮妃勢津子さまが亡くなったことについて「心から哀悼の意をささげます」と述べた。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
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【巨人・松井秀喜外野手】公式戦初の4番
巨人5−3阪神◇25日◇甲子園
巨人が松井、広沢の活躍で今季6度目の5連勝。2点を先行された後の三回、一死満塁から松井の右前打で同点とし、続く広沢の左前打で1点を勝ち越した。五回には二死から松井が左中間二塁打の後、広沢が左中間に本塁打して突き放した。河原は阪神に4連勝。
阪神は序盤の拙攻がたたった。制球難の河原から三回まで4安打、5四球を得ながら押し出しによる2点だけ。川尻は球威不足で連打を浴び、巨人戦5連敗。《共同通信》
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巨人の松井秀喜選手が25日に甲子園球場で行われた阪神戦で公式戦初の4番を打った。思い出がいっぱいで、後輩の星稜ナインが快進撃した甲子園での4番。本塁打はなかったが、同点打に二塁打と快音を響かせ、威風堂々の打席にファンも大喜びだった。《北國新聞》
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「4番・松井」のアナウンスが響き渡った。オールスターゲームでは2試合4番を打ったことがあるが、公式戦では初めて。プ口入り3年目、291試合目で主砲の定位置に座った。落合の負傷欠場で回ってきた暫定措置、ではあったが…。
見せ場は三回に巡ってきた。2点を追う一死満塁。川尻のシンカーを右前に運ぶ同点タイムリーを放った。「うまく拾えた。チャンスだから打たないとね」。プレッシャーをはねのけた安ど感が試合中に回覧された談話から読み取れた。五回には二死から左中間二塁打して広沢の本塁打に結び付けた。
終わってみれば2安打2打点。「特に意識することはなかった。まあアルバイトみたいなもんですから」と試合後の松井は屈託がなかったが、それも結果を出せたから言えるのだろう。だが、七回の無死一塁では送りバントを命じられた。四番にはそぐわない指令。ここには四番を打ち続けてきた長嶋監督の厳しいゲキのようなものが感じ足られた。松井もそれは十分承知で「1点を最る場面ですからね。何とも思ってませんよ」とさらり。
窮余の策とはいえ巨人の4番を打つことの注目度、重圧を肌で体験したのは大きなプラス材料であろう。《共同通信》
【社会党】ゴラン高原PKOを容認
社会党は25日午前の臨時中央執行委員会で、中東・ゴラン高原に展開している国連兵力引き渡し監視軍(UNDOF)への自衛隊派遣について、従来の「時期尚早」との見解を改め、派遣を容認する方針を決めた。与党政策調整会議は同日午後、①武器を使用する共同訓練には参加しない②派遣期間は2年とするーなどの確認事項で合意、派遣方針を了承した。
これを受け、政府は29日の閣僚懇談会で、国際平和協力本部副本部長の野坂浩賢官房長官が派遣の準備宣言を行い、来年2月派遣に向けて本格的準備に入るよう指示する。《共同通信》
【自民党総裁選】橋本陣営が事務所開き
自民党総裁選で「橋本龍太郎総裁を実現する会」(塚原俊平会長)は25日午前、国会近くのホテルに選対事務所を開設、総裁選に向けて態勢を整えた。
事務所開きには旧派閥横断的に29人の議員が出席。30日に総会を開くことを決めた。塚原会長が「総裁選まで1カ月あるのに橋本氏が優勢といううわさが流されている。引き締めていかなければならない」とあいさつした。
今後は同事務所に議員が毎日詰め、国会議員に対する多数派工作、一般党員対策の拠点とする。一方、衆院当選1回の議員13人が同日朝「自由で元気な国会議員の会」(岸本光造会長)を結成。①総裁選では旧派閥の拘束をなくす②立候補者の公開討論会を求める−などを働き掛けていくことを決めた。総裁選での支持は決めていないが、参加者の大半が橋本氏支持を明確にしている。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・野坂浩賢官房長官は25日昼、外遊中の河野洋平外相の臨時代理として外務省に登庁。4階の大臣室で幹部職員から説明を受け、外相会談に使う応接室などを視察した。30分間の予定を約15分オーバーした野坂氏は「やっぱりこっちの方が広くていいな。帰りたくないよ」と官房長官室より豪華な大臣室にうらやましげ。「建設大臣の部屋もこっちに比べると相当見劣りする。(外相は)やっぱり顔だから」としきりに感心。自民党総裁選の結果次第では内閣の先行きも不透明だが、建設相、官房長官を歴任した野坂氏の次の狙いはまさか外相ではあるまいが…
○・・・自民党の「橋本龍太郎総裁を実現する会」はこの日、国会近くのホテルのスイートルームを改装して選対事務所開きを行った。会長の塚原俊平元労相はあいさつで「この部屋は縁起がいい。新婚でこの部屋に泊まった人で離婚した人はいないそうだ」とした上で「戦いに使われたことはないようだが、われわれが大勝利していい実績をつくれば、ホテルの方もおまけしてくれるかも」と、虫のいい勘定も披露。「優勢とうわさきれているがまだ1カ月ある」と引き締めの号令をかけたが、河野洋平総裁陣営に先んじた事務所設置に、丸い顔も崩れっぱなしだった。《共同通信》
【豪閣僚委員会】核実験反対国連決議で協力
日本とオーストラリアの主要閣僚が出席して2年ごとに開催されている日豪閣僚委員会が25日、キャンベラで開かれた。中国の核実験実施とフランスの核実験再開を間近に控え、日豪両国は国連での核実験停止へ向けた決議採択で協力することで一致した。
河野洋平外相は午前中の全体会合で、日本はこれまで中国の核実験停止と、フランスの核実験再開決定撒回を求めてきたとし、「国連で核実験停止を求める決議を提出することを検討中」と説明した。これに対しエバンズ外相は「国連の場で決議採択に向け、日本と協力していきたい」と述べた。日本は現在、独自の国連決議案作成を検討しており、オーストラリアとの共同提案という形にはなっていない。
今秋大阪で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)については、河野外相が貿易投資の自由化へ向け「大阪で行動指針の作成を目指す」と述べた。オーストラリア側は日本の積極的な役割に支持を表明した。
今回の会議は13回目で、日本側からは河野外相、橋本龍太郎通産相ら5閣僚、オーストラリア側からはエバンズ外相、ウィリス蔵相ら8閣僚が出席した。同日夕、両外相が共同記者会見して閉幕する。《共同通信》
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キャンベラで開かれた日豪閣僚委員会は25日、フランスと中国の核実験に反対する国連決議を共同提案する方向で作業を進めるとともに、今秋大阪で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)では、貿易投資の自由化へ向け協力することで合意し、議長総括を発表して閉幕した。
会議後、エバンズ・オーストラリア外相と共同記者会見した河野洋平外相は国連決議について「一国が提案国になるというのではなくて、複数の国が一緒になって提案する方向で考えたい」と述べた。
エバンズ外相は「両国とも、今行われている核実験や計画にはっきり反対を示す決議を実現したいと思っている。決議の提案により、包括的核実験禁止条約(CTBT)の交渉が重要という関心を世界に呼び起こしたい」と述べた。
また「一回実験をするごとに環境は大きな危険にさらされており、CTBTの精神に反している」と核実験反対の意思をあらためて表明した。《共同通信》
【統一教会】合同結婚式に3万6000組
世界基督教統一神霊協会(統一教会)の合同結婚式が25日午前11時から、ソウルのオリンピック競技場で雨の中、約1時間半にわたって行われ、約3万6000のカップルが参加した。
統一教会によると、合同結婚式は世界553カ所に衛星中継され、世界中で36万組がソウルと同じ式順で合同結婚式を挙げた。《共同通信》
【米政府】ヒラリー夫人の訪中発表
米ホワイトハウスは25日、ヒラリー・クリントン米大統領夫人が9月4日から北京で開催される第4回国連世界女性会議に米政府代表団の名誉団長として参加すると正式発表した。
中国でスパイ容疑で拘束された中国系米国人の人権活動家ハリー・ウー氏が事実上、釈放されて帰国したことを米政府が評価、夫人の訪中を決めたことで、李登輝・台湾総統の訪米以来緊張していた米中関係を修復する第一歩となる可能性が出てきた。
しかし、米政府はイランなどへの兵器供与や台湾近海でのミサイル発射訓練など中国政府の行動を依然問題視しており、夫人の訪中に反対してきた議会共和党や人権擁護団体などからの反発が予想される。
ホワイトハウスの声明は「会議は女性の地位向上のための重要な機会を提供する」とした上で「ファーストレディーの会議参加はこうした目標達成のための米政府の強い意欲を反映するものだ」と説明した。《共同通信》