平成2407日目

平成7年8月11日(金)

1995/08/11

【武村正義蔵相】仏核実験抗議集会出席へ

新党さきがけの武村正義蔵相は11日の閣議後の記者会見で、来月2日に南太平洋のタヒチで開かれるフランス核実験再開に反対する抗議集会への参加を検討していることを明らかにした。

タヒチ行きについて、蔵相は「盆明けに最終判断したい」としながらも「行くとすれば蔵相ではなく一政治家として行く」と述べたが、日本の現職閣僚が現地に乗り込んで抗議活動に加わることは、日本・フランス関係に大きな影響を与えそうだ。

この点について、蔵相は会見で「日本とフランスとの関係は大事にしなければならない」と述べ、フランスとの外交・経済関係を重視する立場に変わりはないことを強調した。

抗議集会には、さきがけからは武村代表のほか、鳩山由紀夫代表幹事らも参加を予定し、抗議船には宇佐美登衆院議員らが乗船。党を挙げての「核実験反対」の姿勢をアピールするのが狙いだ。集会には自民、社会、共産各党の議員も参加する方向だ。



【村山富市首相】「集会出席は個人の行動」

村山富市首相は11日朝、武村正義蔵相が来月にタヒチで開かれる核実験抗議集会に出席する意向を示していることについて「まだ詳しくは聞いていないが、個人の政治家として行くということだろう」との認識を示した。首相官邸で記者団の質問に答えた。

これに関連して野坂浩賢官房長官は記者会見で「まだ正式な届けは出ていない」と述べ、政府の対応について明言を避けたものの「中国の核実験、フランスの核実験再開決定に対する反対は、国会でも決議しており、政府も正式に中止要請や反対の意思表示をしている」と述べ、政府としては既に十分な対応策を講じていることを強調した。《共同通信》

【新進党・西岡武夫氏】武村蔵相を批判

新進党「明日の内閣」の西岡武夫総合調整担当は11日午後の記者会見で、武村正義蔵相がタヒチで開かれるフランス核実験再開への抗議集会参加を検討していることに「行きたいと言っ以上は大臣を辞めて行ってもらいたい」などと批判した。

西岡氏は「国際的な問題である以上、閣僚は日本の代表であり私的とか個人の立場という使い分けは許されない」と指摘。フランスはじめ中国など他の核保有国との外交関係も考慮し、政府として明確に決意した上での行動なら一つの選択肢だとし、「その決意がないなら、武村氏の行動は軽率のそしりを免れない」と決めつけた。

西岡氏は「私は被爆県選出だから、武村氏以上に核実験反対の気持ちは強い」と強調、世論受けを狙ったとも受け取れる武村氏の姿勢を非難した。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・村山富市首相は11日タ、栃木県内での夏休みに出発する前、島村宜伸文相の侵略戦争関連発言について「もう決着がついた」と、記者団に一件落着を強調。「夏休みの宿題は」との記者団の問いには「大いに充電することじゃ」と型通りに答えたが、休暇中の過ごし方を聞かれると「心の整理や資料の整理…」と、聞きようによっては微妙な発言も。河野洋平外相への禅譲発言や武村正義蔵相の党代表辞任騒動、内閣改造直後の閣僚の問題発言と、政権内部はぎくしゃく続きなだけに、首相にとっては疲労より傷心をいやす旅になりそうだ。

○・・・橋本龍太郎通産相はこの日の閣議後会見で、河野外相との対決が予想される自民党総裁選の出馬問題を聞かれたが、「今はそういう話を申し上げる場ではない」ときっぱり。「確かにいろんな人から忠告や意見を頂いているが、報道は私が言うことを予想してお書きになっているのかな」と、連日の報道を皮肉った。しかし橋本氏は続けて「いずれ自分の思いを整理して申し上げることは、どういうケースであれ、必要になると思う」。事実上の出馬宣言かと思わせたが、「スタートした内閣で全力を挙げ仕事をしていくことが私の役目」と、最後は優等生発言。《共同通信》

【第77回全国高校野球選手権大会】第5日

第77回全国高校野球選手権大会第5日は11日、甲子園球場で1回戦3試合を行い、今春の選抜大会優勝の観音寺中央(香川)と、同準優勝の銚子商(千葉)、初出場の日大藤沢(神奈川)が勝ち進んだ。

観音寺中央は、宇都宮学園(栃木)の堅い守りと鋭い攻めに苦しんだが、土壇場で底力を発揮。九回に4安打と残飛などで4点を挙げて逆転し、8−6で接戦を制した。銚子商は打線が振るい、江の川(島根)の3投手に14安打を浴びせ、エース島田が完投して7−1で快勝した。日大藤沢は、比叡山(滋賀)の左腕、沢木を打ちあぐねて終盤までリードを許したが、八回に寺田の3点本塁打などで4点を挙げて逆転、4−1で初戦を突破した。《共同通信》

【松本サリン事件】遺族が教団を提訴

松本サリン事件で子供が犠牲になった4組の夫婦8人が11日、「事件はオウム真理教の組織的犯行」として、オウム真理教と教祖の麻原彰晃被告(40)を相手に慰謝料など総額約5億5000万円の賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。

遺族側の代理人によると、サリン事件で遺族が教団側に損害賠償を求めて提訴したのは初めて。《共同通信》

【韓国】3169人に特赦、復権

韓国政府は11日、日本からの解放50周年を迎えるに当たり、在日韓国人を含む政治犯や刑事犯ら3169人に対し特赦および減刑、復権の措置を取ると発表した。

対象者には「不正腐敗の追放」を旗印に金泳三政権が進めてきた改革政策で、贈収賄などの経済事件で有罪判決を受けた旧政権中枢の政治家、経済人が多数含まれており、5年の任期の折り返し点を迎える同政権の今後の政策と合わせ関心を呼んでいる。

発表によると、財閥系企業、現代グループの鄭周永・名誉会長や息子の鄭夢準・大韓サッカー協会会長、大宇グループの金宇中会長らが特赦、復権となるほか、盧泰愚前大統領の親類で実力者だった朴哲彦・元青年体育相が特別復権となる。また朴正熙、全斗煥、盧泰愚の3代にわたる軍人出身政権の実力者だった朴泰俊一・浦項製鉄前会長への公訴を取り下げる。

一方、金大中氏がつくる野党、新政治国民会議の金槿泰指導委員らかつての在野運動の活動家らも多く含まれているが、野党、民主党の李富栄副総裁は含まれなかったほか、全、盧両政権の中枢にいた張世東・元国家安全企画部長も除外された。

現在、服役中や拘置中の対象者は解放記念日の15日午前10時、全国の刑務所や拘置所から一斉に出所する。《共同通信》

8月11日のできごと