平成2374日目

1995/07/09

この日のできごと(何の日)

【地下鉄サリン事件】特別手配の2人逮捕

警視庁と埼玉県警は9日、地下鉄サリン事件の殺人、同未遂容疑で特別手配中のオウム真理教「自治省」所属端本悟(28)、中村昇(28)両容疑者と、指名手配中の元自衛官で同、M容疑者(27)の計3人を埼玉県内で逮捕。端本、中村両容疑者をかくまったとする犯人隠匿の現行犯で、信者のB子容疑者(23)と19歳の女性信者の2人を、また同容疑で東京都保谷市内の16歳の女性信者をそれぞれ逮捕した。端本、中村両容疑者は調べに対し黙秘、M容疑者は容疑を否認しているという。

都内では今月初め、地下鉄とJRの駅トイレに青酸ガス発生装置が仕掛けられているのが見つかり、特別手配容疑者8人との関連が注目されていた。 警視庁は同日、端本、中村、Mの3容疑者らの身柄を築地署に移送、青酸ガス装置事件との関連を調べるとともに「科学技術省」幹部林泰男(37)ら特別手配中の6容疑者と連絡を取っていた可能性があるとみて行方の追及に全力を挙げている。

警視庁と埼玉県警は同日、殺人容疑などで端本容疑者らが潜んでいた埼玉県大宮市日進町のウイークリーマンションとM容疑者の潜伏先とみられる与野市大戸のアパートをアジトとみて家宅捜索し、室内からメモ類を押収した。 端本、中村両容疑者は教団代表で教祖の麻原彰晃被告(40)が逮捕された翌日の5月17日に、M容疑者は4月下旬に、それぞれ入居契約していた。

調べでは、端本、中村、M各容疑者は教団代表で教祖の麻原被告らと共謀、3月20日、都内の地下鉄3路線でサリンをまいて、5000人以上を殺傷した疑い。3人は山梨県上九一色村の教団施設「第7サティアン」のサリン製造プラントの建設に携わったとされる。 さらに端本容疑者は松本サリン事件と横浜の弁護士一家失跡事件に、中村容疑者は松本事件と目黒公証役場事務長拉致事件にそれぞれ関与したとされ、警視庁で順次調べる方針。

端本、中村両容疑者は、ウイークリーマンションに隠れていたのを同日午後0時半ごろ、踏み込んだ捜査員が発見。一緒にいた女性信者2人とともに取り押さえた。またM容疑者は同日午前11時40分ごろ、同県飯能市のJR八高線東飯能駅前で職務質問を受け逮捕された。

都内では今月4日から5日にかけ地下鉄茅場町駅とJR新宿駅のトイレで青酸ガス発生装置が見つかり、教団幹部らによる犯行と分かった5月5日の新宿駅の青酸ソーダ事件と手口が似ていることから逃走中の林容疑者らの存在がクローズアップされていた。《共同通信》

地下鉄サリン事件の殺人容疑などで特別手配されたオウム真理教信者8人のうち「自治省」所属の端本悟、中村昇の2容疑者が9日、埼玉県内で潜伏中に逮捕された。しかし地下鉄事件の実行犯とされる教団「科学技術省」所属の林泰男容疑者ら6人は、現在も行方が分かっていない。 警視庁は6人がアジトを確保、新たなテロに走る恐れもあるとみて追跡班を再編成、6人の足取りの確認などを急いでいる。《共同通信》

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【三豊百貨店崩壊事故】230時間ぶりに男性店員救出

ソウル市瑞草区の三豊百貨店崩壊事故から11日目の9日午前8時20分ごろ、崩壊現場から同百貨店の男性アルバイト店員、崔明錫さん(20)が事故発生から約230時間ぶりに奇跡的に救出された。雨水を飲みながら生き延びた崔さんは脱水症状があるものの、外傷もほとんどなく意識はしっかりしている。近くの病院に運ばれ、報道陣の取材に対し、死を覚悟したことを打ち明けるとともに「コーラが飲みたい」などと語った。

現場ではコンクリートの残がい除去作業が行われていたが、同日午前8時半ごろ、地下から「ここに生きている。助けてくれ」という声がして、救助隊員が崔さんの生存を確認した。崔さんは自分で名前や年齢を告げるほど元気だった。雨の降る中で懸命の救助活動が展開され、生存確認の約2時間後に救出された。

崔さんはコンクリートの残がいの中にできたすき間の中で、雨水を飲んで救出を待っていたと語った。前日はコンクリートの残がいから落ちる雨水を飲んだといい、梅雨で雨が多かったことが生存につながったとみられる。

事故ではこれまで177人の死亡が確認され、248人が依然、行方不明となっている。《共同通信》

【巨人・河原純一投手】完封でプロ初勝利

阪神0−1巨人◇9日◇東京ドーム

河原が5度目の登板でやっと真価を発揮した。再三得点圏に走者を背負ったが、マウンドさばきは落ち着いていた。苦しい場面はフォークボールを多用してしのぎ、初勝利を5安打完封で飾った。《共同通信》

【大相撲名古屋場所】8日目

大相撲名古屋場所8日目(9日・愛知県体育館)全勝の横綱貴乃花に土がつき、1敗で4力士が並んだ。貴乃花は琴錦の激しい攻めに後手に回り、もろ差しを許して寄り切られた。3個目の金星獲得の琴錦も1敗。若乃花、貴ノ浪の両大関は危なげなく1敗をキープした。もう1人の大関武蔵丸は関脇魁皇に逆転勝ちで2敗を守った。横綱曙は小結琴の若を会心の取り口で破り、3連敗を免れて5勝3敗とした。《共同通信》

【テニス・ウィンブルドン選手権】最終日

テニスのウィンブルドン選手権最終日は9日、ウィンブルドン(英国)のオールイングランド・クラブで男子シングルス決勝を行い、第2シードのピート・サンプラス(米国)が第3シードのボリス・ベッカー(ドイツ)を6−7、6−2、6−4、6−2で破り、大会3連覇を果たした。

3年連続優勝は1976年から80年まで5連覇を果たしたビヨルン・ボルグ(スウェーデン)以来で、米国選手としては初めて。サンプラスの四大大会優勝は通算6度目となった。大会優勝賞金は36万5000ポンド(約5110万円)。

サンプラスは6年ぶりの優勝を目指したベッカーに対して、好リターンでポイントを獲得。サーブが決まり出した第2セット以降は一方的に攻め立て、快勝した。

日没のため前日サスペンデッドとなっていた女子ダブルス決勝は、ヤナ・ノボトナ(チェコ)アランチャ・サンチェス(スペイン)組が優勝した。《共同通信》

【仏海軍】グリーンピース監視船を強襲

フランス海軍は9日朝(日本時間10日未明)、フランスの核実験再開決定に抗議して、フランス領ポリネシアのムルロア環礁に接近していた国際環境保護団体グリーンピースの監視船「虹の戦士2」が12カイリ(約21キロ)の領海内に入ったところを強襲した。

仏領ポリネシアの政庁所在地パペーテのフランス高等弁務官事務所によると、同海軍は催涙弾を使い、乗組員、反核運動指導者計32人のうち23人の身柄を拘束、ムルロアに連行し司法当局が尋問中。グリーンピースによると、「虹の戦士2」に乗り込んできた兵士は約150人で、同船のドアや窓を破壊、通信回線も切断したという。

ニュージーランド政府は催涙弾が使われたことに対し「不快感」を表明、直ちにフランス大使を呼んで説明を求めた。オーストラリア政府も「必要以上の実力行使があった」と、フランス大使を呼んで説明を求めた。

同海軍はグリーンピースに、領海に入らないよう警告、軍艦4隻で追尾していた。高等弁務官は「何度も警告しており、催涙弾は暴力を避けるために使った」と正当性を主張した。けが人もいないという。

「虹の戦士2」強襲の際、グリーンピースのスポークスマン、ステファニー・ミルズさんは英BBCラジオと船舶電話で交信中で、オーストラリアのラジオはミルズさんが「ヘリコプターとボートが近づいている」と話した直後の生々しい悲鳴を伝えた。

「虹の戦士2」は8日、同団体のヨット「ベガ」とデンマークの反核団体の船「ビフロスト」と合流し、9日ムルロア環礁の領海内で4隻のゴムボートを下ろした。

10日は初代の「虹の戦士」がニュージーランドのオークランド港で、フランスにより爆破され、乗組員2人が死亡した事件の10周年に当たる。ニュージーランドのテレビは、グリーンピースが核実験を阻止するため、ムルロア環礁への上陸を強行しようとしていると伝えていた。《共同通信》



7月9日 その日のできごと(何の日)