平成2224日目

平成7年2月9日(木)

1995/02/09

【村山富市首相】辞任を否定

村山富市
https://www.kantei.go.jp/

村山首相は9日夕、緊急記者会見し、阪神大震災に対する政府の復旧・復興対策について基本方針を説明、「新たな未来を切り開くことが被災者に報いる道だ」と述べて被災地復興に全力を挙げる決意を表明した。

首相は初動の立ち遅れに伴う政治責任について「当面必要な救援対策に万全を尽くす。地震に強い街づくりを引き続きやることが私に与えられた課題であり、取るべき責任だ」とし、引責辞任の考えがないことを明らかにした。

復興の裏付けとなる財源問題では、消費税率引き上げの前倒し実施について明確に否定する一方で「国民の理解を得ることが大事であり、幅広い見地で検討中だ」と述べ、具体的な明示を避けた。

会見の冒頭、首相は「当初の対応に批判があることは十分に承知している。初期動作に誤りなきよう期することは危機管理の要諦だった」と陳謝。危機管理体制の確立が急務だとして、震災後に設置した「プロジェクトチーム」で来週中にも結論を出す方針を明言した。《共同通信》



【福井女子中学生殺人事件】高裁、被告に逆転有罪判決

昭和61年3月、福井市営住宅団地で中学校を卒業したばかりのA子さん=当時(15)=が殺害された事件で殺人罪に問われ、福井地裁で無罪判決を受けたM被告(29)=福井市=の控訴審判決が9日、名古屋高裁金沢支部であった。

小島裕史裁判長は「着衣などに血を付けた被告を見たという複数の関係者供述は、変遷や食い違いはあるものの核心に関する内容が一致、裏付けもあり使用できる」と一審判決を破棄、懲役7年(求刑同13年)を言い渡した。弁護側は直ちに上告する。《福井新聞》

【政界談話室】

○…村山首相は9日の参院予算委員会で、平成会の泉信也氏から阪神大震災の被災地視察時の様子について「天皇の視察には温かみがあったが、首相は手を後ろに組んでいた」と批判された。首相は「天皇陛下と比較されるのは誠に恐れ多い」としながらも、「後ろに手を組むのは私の癖。前で組んでも後ろで組んでも皆さん方には関係ない」。さらにいすに腰掛けたとの指摘にも「被災者も腰掛けていたからこちらも腰掛け、同じ目線の高さで話した」と反論。連日のように国会で震災への対応を批判され「反省」を繰り返し表明しているが、この時ばかりは久々の反論。

○…新進党の江田五月広報企画委員長は、この日の党役員会後の記者会見で「毎週木曜日に議員総会を開くことを決めた」と発表。「党内で自由にものが言えないという声が若手中心にある。これは考えないといけない。議員がものを言える場を作るべきだ」と、その理由を説明した。さらに「決定事項の伝え方は広報委員会でも試行錯誤しているが“明日の内閣”でも、担当者以外には議論が伝わっていない」と、発足して2カ月を過ぎたものの党内の意思疎通も思うに任せない「寄り合い所帯」にぼやき節。《共同通信》

【キヤノン、コダック】デジタルカメラ分野に参入

キヤノンと米イーストマン・コダックの両社は9日、キヤノンの一眼レフカメラ「EOS-1N」をべースにデジタルカメラ「EOS・DCS3」「EOS・DCS5」を共同開発し、五月中旬に発売すると発表した。キヤノンはデジタルカメラ分野に新たに参入したことになる。

DCS3は解像度が130万画素。1秒間に2.7コマで最高12コマ連続撮影できるため、報道やスポーツ写真向き。価格は198万円。DCS5は、解像度が150万画素。高画質で広告制作や医療など産業用。連続撮影の速度が遅くなるため価格は149万円。

カード型の記憶媒体を使用し、主メモリーが170メガバイトのハードディスクの場合、DCS3は120コマ、DCS5は100コマ記録できる。米アップルコンピュータ製のマッキントッシュやIBM互換パソコンに接続して、印刷や編集ができる。《共同通信》

【米・クリントン大統領】独・コール首相と会談

クリントン米大統領とコール・ドイツ首相は9日、ホワイトハウスで会談し、泥沼化するロシア・チェチェン共和国情勢への懸念を表明しながらも、エリツィン・ロシア大統領を協調して支持していくことで合意した。 北大西洋条約機構(NATO)の拡大問題では、段階的に徐々に拡大を実現する方針を確認、旧東欧諸国への拡大がロシアにとって脅威にならないよう配慮することで一致した。

会談後の共同記者会見で両首脳が述べたもので、ロシアの経済・政治改革を支援することが欧州全体の安全保障に不可欠であり、チェチェン問題でエリツィン大統領を追い詰めることは逆効果と判断したためだ。 コール首相はNATO拡大問題にはロシアとウクライナの協力がとりわけ重要だとした上で「この問題には忍耐が必要だ」と強調した。

クリントン大統領も「拡大は不可欠だが徐々に、かつ公開の方法で進めるべきであり、驚くようなことがあってはならない」と述べた。 チェチェン問題について、コール首相は「人権などの国際基準に従う必要がある」と批判、「冬が終われば全面紛争が再来する恐れがあり時間がない」として早期解決を求めた。しかし、エリツィン大統領を「コーナーに追い詰め孤立させるべきではない。そうすれば古く悪い過去に引き戻されてしまう」と指摘した。

クリントン米大統領は9日、紛争が長期化するロシアのチェチェン共和国の難民への援助として、最大で2000万ドルを提供する方針を明らかにした。米政府高官によると、政府の緊急対策予算から約1400万ドル、国防総省の人道支援予算から約600万ドルを拠出する。《共同通信》



2月9日のできごと