平成2216日目

平成7年2月1日(水)

1995/02/01

【阪神電鉄】三宮乗り入れ再開

阪神電鉄は1日、阪神本線・神戸高速鉄道の三宮(神戸市中央区)ー高速神戸(同)間2.4キロで運転を再開した。阪神大震災で壊滅的な被害にあったミナト神戸の中心、三宮地区に被災後、鉄道が乗り入れるのは初めて。

高速神戸駅と約300メートル離れたJR神戸駅からは既に山陽線が全線開通しており、乗り継ぎはあるものの三宮と兵庫県西部や岡山方面とのアクセスが格段に向上した。《共同通信》



【新進党】震災緊急対策を発表

新進党は1日夕、阪神大震災の復旧についての緊急対策を発表した。重点政策の柱として民生の安定や企業対策、インフラストラクチャー(社会基盤)の復旧など6項目を挙げたほか、特に緊急に行うべき立法措置として国家の危機管理に対する有事立法の実現を打ち出している。

有事立法は「国家の危機管理の問題として当然議論すべきだ。国民的議論を起こすため一石を投じたい」(二階俊博「明日の内閣」国土・交通政策担当)として盛り込んだ。また災害対策基本法と自衛隊法を改正し、災害対策での自衛隊の位置付けを明確にするよう求めている。

具体的な復旧対策としては①仮設住宅、個人住宅計8万戸の緊急確保②住宅用地確保のため市街化調整区域の解除③中小零細企業と大企業への助成策④兵庫県の復興計画支援などを掲げている。復興債発行については、政府の被害総額把握が不明なため、今後の検討課題とした。復興庁など復興専門機関の設立についても「地方がしっかりした計画を持ってやるべきで、国が屋上屋を架すことは簡単に考えるべきでない」(中野寛成政審会長)として盛り込まなかった。《共同通信》

【亀井静香運輸相】山陽新幹線手抜き工事「関係者の責任追及」

亀井運輸相は1日午前の衆院予算委員会で、阪神大震災で山陽新幹線の高架橋の支柱から木片が発見されるなど手抜き工事が問題になっていることについて「工事業者、管理関係者の責任が生じるのは当然だ」と述べ、調査で手抜き工事が確認されれば、関係者の責任を追及する考えを明らかにした。しかし法的責任問題については「期間がかなりたっているのでどういう手続きが取れるか分からない」と述べた。

同じく阪神高速道路の手抜き工事問題についても野坂建設相は「落橋原因を徹底究明するのが第一だ。(責任問題についても)十分対応したい」と述べた。新進党の平田米男氏の質問に答えた。

村山首相は、新進党の中井洽氏が中央省庁の統廃合を進めるよう求めたのに対し「客観情勢に応じて十分簡素で効率的な機能を果たしていかなければならない。不断に点検していくが、いついつまでにというものではない」と述べ、当面行政改革の対象とはしない考えを明らかにした。《共同通信》

【村山富市首相】FEMA局長と会談

村山富市
https://www.kantei.go.jp/

村山首相は1日夜、阪神大震災の被災地調査のため来日した米連邦緊急事態管理局(FEMA)のウィット局長と首相官邸で会談、今後日米両国が協力して大規模地震対策に取り組む考えで一致した。

同局長は引き続き五十嵐、石原正副官房長官らと災害時の危機管理体制について意見交換し「災害発生時に被害の程度を的確に見積もることが重要だ」と強調した。

ウィット局長は、首相との会談で「今回の経験を日米間で分かち合い、将来に向けてより安全な社会を築くために努力したい。知識や知見を共有したい」と表明。首相も「(被災地の)調査で気付いた点を伝えてほしい。この経験を交流を通じて分かち合い、災害に強い街づくりをしたい」と同調した。《共同通信》

【政界談話室】

○…村山首相は1日昼、衆院予算委員会に向かう途中、国会内のエレベーターで新進党の加藤六月衆院議員と鉢合わせ。「運動不足だからね」と嘆く首相に加藤氏は背広のポケットから小さな袋を出し「運動不足にはこれがいい。漢方薬ですよ」。首相は薬に目をやりながら「効くんですか。漢方薬ね…」と半信半疑の表情。その後、記者団から「漢方薬はいかがか」と尋ねられても「何だか知らんけど。やっぱり(薬よりも)運動しなくては」。阪神大震災対策を次々に打ち出すが、野党や被災者からは厳しい批判がやまず、公私ともに特効薬はなさそうだ。

○…社会党の森井忠良国会対策委員長はこの日、今国会召集後初の記者会見。「俗に言う対決法案は見当たらない。新進党の意見もうかがい円満に法案処理していきたい」と阪神大震災の副産物の与野党協調ムードに期待感を表明。特に7月20日の海の日を国民の祝日とする祝日法改正案について「(阪神大震災の直後で)お祝い事の法案処理にはためらいもあるが」とことわりながら「できれば内閣委員会の審議が始まる日に採決し参院に送りたい」と意欲を見せた。村山首相の誕生以後混乱が続く党内状況。せめて審議する法案は明るいものがいい?《共同通信》

【富士通】低価格パソコンを投入

富士通は1日、平成7年度のパソコンの国内出荷目標を6年度見込み(50万台)の2倍にあたる100万台とすると発表した。製造コストを下げるため台湾メーカーと共同開発した低価格のIBM互換機や、初心者向けにワープロなどのソフトをあらかじめ組み込んだ機種を投入して10%弱にとどまっている国内シェア(占有率)の拡大を目指す。

低価格戦略の第一弾として、本体価格が9万5000円と10万円を切る「FMV-450SD3 モデルFD」を今月10日から発売する。NECが1月中旬に発売した製品よりも3000円安く、一部のプライベートブランドなどを除き国内最低価格という。50メガヘルツの中央演算処理装置(CPU)を搭載し、基本ソフト(OS)「ウインドウズ3.1」も付いている。《共同通信》

【プロ野球】被災3球団も始動

阪神大震災によって大きなハンディキャップを背負った関西の被災3球団が1日、それぞれのキャンプ地でスタートを切った。沖縄・宮古島のオリックスは練習前に山田投手コーチ、新井打撃コーチが選手を集め、各自の仕上がり具合を確認した。その結果、ほとんどの選手が1、2週間の調整遅れを訴えたため、初日の練習は短めで終わった。仰木監督は「全員に気持ちの張りを感じた」と精神面の充実を強調したが、しばらくは軽いメニューが続きそうだ。

地元の人たちからは援助の声が上がった。商工会を中心としたオリックス協力会が19日のオープン戦初戦をチャリティー試合にすること計画中。少年野球チームによる募金活動も検討しているという。

常夏のサイパンでのキャンプを中止した近鉄は地元、藤井寺で始動した。小雪がばらつくような寒さの中で初日を終え、鈴木監督は「藤井寺ではこつこつやっていく」と抑え気味の調整を覚悟した。芦屋市の自宅が被災した球団の藤田通訳は参加できず、震災の影響が依然として感じられた。

高知・安芸の阪神は中村監督が「自主トレーニングの延長」と評したように、ランニング中心で短めの練習だった。そんな中、亀山、山崎などの若手が精力的に動き、半月前の悪夢を振り払っているようにも見えた。

被災地に家族を残して来た山沖は「不安がないわけではないが、生活がかかっているし、やらなきゃ仕方がない」と淡々とした表情ながらも被災住民としての複雑な心境を話していた。《共同通信》



2月1日のできごと