平成2209日目
1995/01/25
この日のできごと(何の日)
【阪急百貨店】三宮店を閉鎖
阪急百貨店は25日、阪神大震災で損壊のひどい神戸市にある三宮店を閉鎖すると発表した。大手のそごうや大丸も主力の神戸店が大きな打撃を受けて営業再開のめどが立っていない。被害の程度によっては、ビルの改装で済まずに全面建て替えや移転を迫られ、新たに一店舗1000億円以上の投資を余儀なくされる事態も予想される。
個人消費が回復する兆しの出てきた時に起きた今回の地震は、大手百貨店の経営に暗い影を落としそうだ。阪急が三宮店(売り場面積2226平方メートル)の閉鎖に踏み切ったのは、入居している阪急電鉄の三宮駅ビル(七階建て)の崩壊で営業再開の見通しが立たないため。同店は戦前の昭和11年に開業した小型店で、平成6年3月期の売上高は33億」円だった。
そごう神戸店(4万8962平方メートル)は、阪急三宮駅との連絡橋が壊れ、二階の連結部が陥没し、建物正面には上下に亀裂が走っている。立ち入り禁止になっているため内部の検査ができず詳しい状況は不明だが、復旧は難航しそうだ。
神戸店は年商1212億円(6年2月期)で、グループでは横浜そごう、千葉そごうと並ぶ主力店。上場企業のそごうは、大阪、東京との3店で構成されるが、神戸店が売上高の半分近くを占めており、長期休業により赤字転落は必至だ。
大丸の神戸店(3万7766平方メートル)も立ち入りができず被害の調査も十分にできない状態。年商1003億円で全売上高の18%を占める。このほか、新長田店や子会社の経営する芦屋店、須磨店にも被害が出ており、復旧には時間がかかりそうだという。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
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【阪神大震災】被災企業で給与支給
阪神大震災(兵庫県南部地震)被災地の8割前後の企業が25日、震災後初の給与支給日を迎えた。地震で一時、機能がまひした企業もあったが、手作業で準備するなどして対応、多くの企業が予定通り支給した。
この日、JR東海道線の不通区間の一部で運転を再開。電話も作業対象の4分の1まで復旧するなど、交通機関やライフラインの回復も急速に進んでおり、市民生活は全体として「再生」の軌道に乗りつつある。《共同通信》
【新進党・小沢一郎幹事長】村山首相を批判
新進党の小沢幹事長は25日午前、国会内で記者会見し、阪神大震災の政府対応について「人命救助以上、自衛隊がどうだ、こうだという観念的議論が優先している。これは人にやさしい政治ではない」と述べ、震災発生初期段階での自衛隊出動の遅れを批判した。
さらに小沢氏は「社会党は自衛隊の災害出動さえ治安出動につながると反対し続けてきた。そういう体質をもった政権だからますます自衛隊の活用の後れを取った」と指摘、長年「反自衛隊」の立場をとってきた社会党の体質にも起因する、との考えを強調した。《共同通信》
【政府】「復興庁」設置を検討
政府は25日、阪神大震災の被災地支援のための専門機関を設置する方向で検討に入った。自民党には各省庁の担当者による「復興推進本部」の設置構想が浮上しているが、政府としては被害の甚大さを考慮して行政組織法に基づく公式機関として設置する考えだ。村山首相と五十嵐官房長官が同日、基本的方向を明らかにした。
首相は、記者団の「復興院や復興庁のようなものは考えるか」との質問に対し「そういうことも必要になるだろう。機構の整備もきちっとして(対応する)」と述べた。首相は「住民や専門家の意見をよく聞く」として被災自治体と密接な連携をとって復興に取り組む姿勢を強調した。《共同通信》
【政界談話室】
○…村山首相は25日午前、参院本会議で代表質問をした久保社会党書記長が体調を崩して質問を中断したことについて「演壇に寄りかかっていたから議長を呼んだんじゃ。疲労じゃよ」と状況を説明。記者団が首相自身の健康について聞くと「うん、大丈夫。(地震被災地の)現地の人も皆、不眠不休だからね」と体調十分をアピールした。しかし「永田町では皆援労がたまっているのでは」と重ねて開かれると「疲れとるのう、皆。連日連夜だから」とポツリ。新民主連合の新会派問題に続き、国会で地震対策に批判が集中し、言葉とは裏腹に疲労の色がありあり。
○…小沢新進党幹事長はこの日の記者会見で、阪神大震災の政府対応について「そもそも日本の行政は危機管理の態勢ができていない」と指摘。さらに「そう言うと皆さんが統制的だとが、強権的だとすぐに言った。そうでないことは(地震で)マスコミが認識してくれた」と皮肉った。また自民党幹事長のときの湾岸戦争を持ち出して「ほとんどの資源を輸入している日本は国際関係上の危機管理がある。戦争の危機管理というのではなく、有事を想定したシステムが法体系の制度上整備されていない」と話し、持論の「普通の国」を展開していつも以上に自信満々?《共同通信》
【皇太子同妃両殿下】帆船で運河を視察
アラブ首長国連邦(UAE)を訪れている皇太子ご夫妻は25日午前(日本時間同日夕)、同国の提供機で、首都アブダビから約180キロ離れたドバイへ出掛けられた。
ドバイはUAEを構成する7首長国の一つで、中東の貿易の中心地。ご夫妻は王族専用空港に到着後、湾岸地方特有のダウ船(木製の帆船)で、天然の良港「ドバイクリーク(運河)」を視察された。水上交通を研究している皇太子さまはカメラで風景を撮影しながら船舶や港湾についての説明を熱心に聞かれていた。
この後、ご夫妻はムハマド・ドバイ皇太子と会見し、同皇太子主催の昼食会に出席。市内のワールドトレードセンターにこのほど開設されたドバイ総領事館の開館式に出た後、同日夕、アブダビへ戻られた。《共同通信》
【野球殿堂入り】杉浦忠氏、石井藤吉郎氏
元南海投手で日本シリーズ4連投4連勝の快投を演じた杉浦忠氏と、早大監督などを務めアマチュア球界の発展に寄与した石井藤吉郎氏(70)の野球殿堂入りが25日、決まった。
野球体育博物館の第35回競技者表彰委員会は25日、東京ドーム内の同博物館で開かれ、表彰委員220人による記名投票(20人が未投票、10人以内の連記)の結果、杉浦氏は171票、石井氏は160票を獲得、当選に必要な有効投票数200票の75%(150票)を上回った。元巨人監督の藤田元司氏は1票届かない149票、元広島の衣笠祥雄氏は138票で及ばなかった。《共同通信》
【大相撲春場所】番付編成会議
日本相撲協会審判部は25日、東京・両国国技館で春場所(3月12日初日・大阪府立体育会館)の番付編成会議を開き、モンゴル出身の旭鷲山(大島部屋)中大出身の玉春日(片男波部屋、愛媛県出身)五藤改め五剣山(ごけんさん、二子山部屋、香川県出身)大飛翔(朝日山部屋、大阪府出身)大和(間垣部屋、米国出身)の5人の新十両を発表した。
旭鷲山は初のモンゴル出身の関取。旭鷲山、大和の十両昇進で戦後の外国出身関取は13人。また五剣山の昇進で二子山部屋の関取は11人となった。元十両の剛堅(高砂部屋、兵庫県出身)ら38人の廃業も発表された。《共同通信》
【テニス・沢松奈生子選手】全豪4強ならず
テニスの全豪オープン第10日は25日、メルボルンのナショナル・テニスセンターで行われ、女子シングルス準々決勝で沢松奈生子(松蔭女大)は第1シードのアランチャ・サンチェス(スペイン)に1−6、3−6でストレート負け。昨年の伊達公子(ヨネックス)に続く、日本選手3人目の全豪ベスト4入りは成らなかった。
四大大会で初の8強入りを果たした沢松は、第1セットを簡単に失った後、積極的にネットに出るなど第2セットは健闘したが、結局は実力者サンチェスに力負けした。《共同通信》