平成2210日目

平成7年1月26日(木)

1995/01/26

【阪神電鉄】青木まで復旧

阪神大震災の被害で橋げたが崩れるなどした阪神電鉄本線は、26日の始発から甲子園(兵庫県西宮市)ー青木(神戸市東灘区)間が9日ぶりに運転を再開した。梅田(大阪市)ー甲子園間は既に運転されており、震災後初めて大阪と神戸市の一部が鉄道で結ばれた。

特急や急行も運転された。同市の中心、三宮地区まで全線開通のめどは立っていないが、前日に芦屋(同県芦屋市)以東で動き出したJR東海道線と合わせ、阪神間の動脈は徐々に回復してきた。

また、27日午前7時からは中国自動車道も全線で開通する予定で、道路網の復旧も進む。

阪神は同日、西宮市内を走る武庫川線(武庫川ー武庫川団地)も全線で運転を始めた。《共同通信》



【村山富市首相】復興へ私権制限も

村山首相は26日午後、衆院予算委員会の阪神大震災に関する集中審議で、復興計画の推進のための特別立法について「災害に耐え得る防災対策を行うため、ある程度私権を規制することが必要ではないか」と述べ、被災地の再開発のため土地区画整理事業などの際に個人の土地所有権に一定の制限を加えるなど強制力をもたせる考えを明らかにした。

首相は、首相官邸の情報収集体制について「単なる情報の一元化ではなく、情報を集約するネットワークについて考え直すところが多いのではないか。専門家の意見を聞きながら対策を講じる」と述べ、危機管理体制の強化に取り組む考えを示した。新党さきがけの鳩山由紀夫氏の質問に答えた。

一方首相は、新進党の二階俊博氏が求めた災害対策基本法107条に基づく緊急災害対策本部の設置については「物資統制など私情制限を含む非常立法であり、そこまでするのは行き過ぎと考える」として、現在の態勢で対応可能との考えを強調した。《共同通信》

【政界談話室】

○…五十嵐官房長官は26日の記者会見で、大災害時の首相官邸の危機管理体制について、自ら24時間態勢の米連邦緊急災害管理局(FEMA)に触れて「貴重な勉強素材だ。勉強させてもらいたい」と強い関心を示した。記者団に「FEMAは核戦争も想定している組織ではないか」と聞かれたが、長官は「これ(阪神大震災)も戦争だ。平和時の戦争なんだ」と、いささか矛盾した表現で強調。社会党出身の同長官から「戦争」の言葉が繰り返されるあたり、地震対応での政府批判がずっしりこたえている様子。

○…自民党の小渕副総裁はこの日の講演で、NHK大河ドラマに取り上げられている八代将軍徳川吉宗の「享保の改革」を例に挙げ、「各企業が努力している時に国のリストラが欠けている。村山政権も行政改革をしなければならない」と強調、続けて「実は八代目というのが大切だ」と付け加えた。いぶかる聴衆に小渕氏は「八代目の自民党副総裁は小渕恵三だ」と、ちゃっかり売り込み。もっとも「まだ“副”であって、将軍でないので限界があるかもしれない」と正直に力不足も告白していた。《共同通信》

【リニアモーターカー】時速411キロを記録

鉄道総合技術研究所(JR総研)のリニアモーターカー宮崎実験センター(宮崎県日向市)は26日、新型実験車両「MLU002N」の有人走行で時速411キロを達成、有人の浮上式鉄道では国内最高速度を記録した。JR総研によると、これまでの有人の国内最高速度は同タイプの「MLU001」が1987年2月に記録した400.8キロだった。世界記録は93年6月、ドイツのリニアモーターカーのトランスラビッドが出した450キロ。

従来型の鉄道の国内最高速度はJR東日本の「STAR21」が93年12月に出した時速425キロ。世界ではフランスの「TGV」が90年5月に記録した515.3キロが最も速い。

時速411キロを達成したのは同日の7回目の走行。職員4人が乗り込み、スタートから約30秒後に約2.7キロの地点で記録した。《共同通信》

【ペルー、エクアドル】国境で銃撃戦

リマからの情報によると、ペルーとエクアドルの国境付近の密林地帯で26日、両国軍同士による銃撃戦が発生、両国政府は互いに相手側の国境侵犯を主張しており、新たな外交問題に発展しそうな雲行きだ。

銃撃戦による双方の負傷者は報告されていない。

両国は1941年のリオデジャネイロ条約で国境の画定を終了したことになっているが、その後も再三、軍による銃撃戦が起きており、81年には約1カ月間にわたる武力衝突が発生した。両国の国境付近には、有力な金鉱脈があるといわれている。《読売新聞》

【アウシュビッツ解放50周年】追悼式典

「われわれ双子は生き残ることができた。なぜなら、ナチスが人体実験のためにわれわれを必要としていたからだ」ー。ナチスドイツによって約150万人が虐殺された「アウシュビッツ強制収容所」(現・ポーランド南部オシフィエンチム)の解放50周年を翌日に控えた26日、アウシュビッツの西約3キロにあるビルケナウ(現プジェジンカ)の収容所(アウシュビッツ収容所2号)で、ユダヤ人団体の主催による追悼式典が行われ、1000人余りの参加者が犠牲者にユダヤ教の祈りきさげた。

ビルケナウの収容所は、1941年に建設された「ユダヤ人絶滅政策」のための収容所。式典会場のすぐ近くに破壊されたままの形で残るガス室と死体焼却炉には、ユダヤ人を中心に連日約8000人が送り込まれたといわれる。

18歳の時にハンガリーからビルケナウに連れてこられたユダヤ人エフライム・ライヘンベルクさん(68)は双子の兄弟とともに、のどや目の医学実験に使われ、声を失った。今は会話にはのどの振動を拡大するマイクが欠かせず、多くは語れない。

ライヘンベルクさんの双子の兄弟は、収容所解放から2年後に人体実験の後遺症で死亡した。この日の式典にイスラエルから妻と16歳の息子とともに来たライヘンベルクさんは「人間がどんな残虐なことをできるのかを息子に見せたかった」とアウシュビッツ訪問の理由を語った。

式典では、アウシュビッツ強制収容所での体験をもとにユダヤ人大虐殺の悲劇を伝え、人権擁護活動に献身した86年のノーベル平和賞受賞者エリ・ウィーゼル氏(米国)らが演説。ウィーゼル氏は「神よ、どうかこの場所を作った者たちに慈悲を持たないでください。ユダヤ人の子供たちを殺した者たちを許さないでください」となどと訴えた。《共同通信》

【マルコポーロ事件】

米国のユダヤ人団体、サイモン・ウィーゼーンタール・センターはこのほど、文芸春秋発行の月刊誌「マルコポーロ」2月号に掲載されたナチスドイツの「ガス室」はなかったとする記事に反発し、日本政府に公式の非難を求める書簡を在米日本大使館に送った。同センターはまた、各企業に対し、マルコポーロ誌への広告差し止めを要請。26日までにドイツの自動車メーカー、フォルクスワーゲン社や三菱自動車工業がこれに応じているほか、ファッションのカルチェなども検討を始めていることを明らかにした。

日本政府はこれまでに、書簡を受け取ったことを確認し、「いかなる差別にも強く反対する」との基本的立場を表明した。

同センターのクーパー師は栗山駐米大使にあてた書簡の中で、記事は「残虐な冗談以上のものだ」と非難、特に記事公表の時期をアウシュビッツ収容所解放50周年記念行事に合わせた点を問題視している。

同師はまた「日本を攻撃するつもりはない。この夏の広島原爆記念日には代表を派遣する」としながらも、「(記事は広島、長崎で)原爆によって多くの犠牲者が出たこととを否定するのに等しい」と述べ、対応を強める意向を示唆しており、問題は拡大しそうだ。

同センターは、問題の記事の著者が昨年6月にも日本で発行されている英文雑誌に「映画『シンドラーのリスト』はうそだ」と寄稿していると指摘、態度を一層硬化させている。《共同通信》

【皇太子さま】ヨルダンで感謝のスピーチ

ヨルダンを訪れている皇太子ご夫妻は26日夜(日本時間27日未明)、首都アンマンの王宮内にあるバスマン宮殿で、ハッサン皇太子夫妻主催の晩さん会に出席された。スピーチでは双方が阪神大震災に触れ被災者へのお見舞いを述べた。

晩さん会の冒頭、ハッサン皇太子が約120人の出席者を前に、歓迎のあいさつとともに「地震が神戸の人々を襲ったことをお悔やみします」などとスピーチ。続いて皇太子さまが、今回の中東訪問で初めてスピーチに立ち「阪神大震災でたくさんの被災者が出たことに、深い悲しみを覚えます」と英語で述べ、さらにヨルダンから数多くの寝袋とテントが緊急援助として送られたことに感謝された。《共同通信》

【蔵間竜也さん】死去

元力士のタレント蔵間竜也さんが26日午後8時16分、多臓器不全のため東京都新宿区の病院で死去した。42歳。滋賀県出身。

蔵間のシコ名で昭和43年に初土俵を踏み、51年名古屋場所で新入幕。最高位は53年夏場所の関脇。平成元年秋場所で脾腫治療のため引退した。

引退後はタレントとなり、相撲解説からクイズやバラエティー番組のパーソナリティーまでこなし、TBSテレビ系の「ブロードキャスター」にレギュラー出演していたが、今月5日から、慢性骨髄性白血病の急性転化のため入院していた。《共同通信》



1月26日のできごと