平成2201日目

1995/01/17

この日のできごと(何の日)

【阪神・淡路大震災】

17日午前5時46分ごろ、西日本を中心に直下型の強い地震が発生、神戸市、洲本市(淡路島)で震度6(烈震)を観測した。大阪管区気象台によると、震源地は淡路島北部で、震源の深さは約20キロ、地震の規模を示すマグニチュードは7.2。

警察庁などによると、阪神高速の高架橋が崩れたり、淡路島で倒壊した家屋の下敷きになるなどで午後1時20分現在、兵庫県で436人、大阪府で3人の439人の死亡が確認され、大阪府で310人、兵庫県で885人の負傷者が出ている。同県内では1957戸の家屋崩壊などで583人が下敷きになるなど行方不明。火災も神戸市内を中心に相次ぐなど被害は拡大しそうだ。新幹線の高架橋も崩落、JR、私鉄など交通機関はまひ状態になっている。《読売新聞》

倒壊した高速道路から次々と車が滑り落ち、黒煙が立ち込める街中では多くの人が倒れた家屋の下敷きになったー。17日早朝、震度6の烈震に襲われ、機能が完全にまひした国際都市神戸。大規模な「都市災害」としては関東大震災以来のことだ。

ラッシュ時になってもJR、各私鉄は復旧せず、陥没した高速道路には車が放置され、電話も通じないなど、交通・情報網は寸断されたまま。倒壊した家屋や、燃え尽きた家屋の前では、逃げ遅れた家族や知人の姿を探し求める人々……。150万都市を直撃した直下型地震の恐怖をまざまざと見せつけた。《読売新聞》

神戸と淡路島で震度6(烈震)を記録した兵庫県南部地震の被害は17日午後、近畿を中心に拡大し、警察庁によると、18日午前0時45分現在、死者は兵庫県で1675人、大阪府で5人、徳島県で1人の計1681人に上った。大都市を直撃した地震としては戦後最大級で、1923年(大正12年)の関東大震災に次ぐ大惨事となった。

神戸市長田区、兵庫区を中心に発生した火災は夜に入っても燃え広がり、市街地を焼いた。犠牲者は古い木造家屋の下敷きになった人が多く、依然1017人が行方不明のままで、徹夜の救助が進められた。高速道路の崩壊による死者も目立ったほか、橋げたの落下が相次いだ新幹線の復旧は数カ月先になる見込みで、大都市の地震に対するもっさらけ出した。

被害は近畿、中・四国、三重、岐阜県と広範囲におよび、家屋7876棟が損壊、負傷者は計6334人。震源の淡路島から断続的につながる断層沿いにある宝塚市、西宮市、芦屋市、神戸市東灘区、灘区、長田区など阪神間が特に激しく、気象庁は「淡路島北部の断層が横ずれした可能性が高い」とみている。

政府は同日、非常災害対策本部を設置し、神戸市など6市5町に災害救助法を適用。村山首相は緊急会見で「人命救助にあらゆる手段を尽くし万全を期したい」と述べた。今回の地震の死者・行方不明者数は、48年(昭和23年)の福井地震に次ぎ戦後2番目。

警察、消防、自衛隊の救助活動は交通渋滞などではかどらず、神戸市など各地で発生した百数十件の火災の一部は手が付けられない状態で延焼を続けた。交通機関はじめ水道や電気、電話などライフラインもまひ状態のままで、約50万世帯が停電した兵庫県内では住民10万人以上が近くの学校などに避難し不安な夜を過ごした。約1万5000人が避難した西宮市では食料が3300食分しかなく、同市は日赤などに援助を求めた。

大阪管区気象台によると、18日午前0時までに、計643回の余震が続きうち60回が有感地震。同11時4分には神戸で震度3を記録した。

神戸市長田区内の火災は6カ所でそれぞれ1万ー2万平方メートルの延焼を続け、さらに西の須磨区方面へ広がっている。火の手が迫った須磨署では、同署に避難していた住民をさらに別の場所に避難させた。《共同通信》

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【政府】非常対策本部を設置

政府は17日午前の閣議で「淡路島直下型地震」に対応するため、小沢国土庁長官を本部長とする「平成7年兵庫県南部地震非常災害対策本部」の設置を決め、本格的な対策に乗り出した。また対策に万全を期すため、全閣僚による会議も併せて設置した。村山首相は閣議で「緊急、迅速に対策を取ってもらいたい」と指示した。《共同通信》

【村山富市首相】人命救助に全力

村山首相は兵庫県南部地震を受け17日午後4時から首相官邸で緊急記者会見し、同地震を「関東大震災以来、最大の都市型地震」と位置付け、「人命救助にあらゆる手段を尽くし万全を期したい」と述べ、政府として救援活動に全力を挙げる決意を表明した。

首相は18日午後、地震対策関係閣僚会議を開いて現地入りしている小沢国土庁長官の報告を受けた上、19日のも現地入りし、被災者のお見舞い、被災地の視察などをする予定。

首相は会見の冒頭、地震による死亡者へのめい福を祈るとともに、被災者へのお見舞いを表明。政府の非常災害対策本部でまとめた余震への厳重警戒、行方不明者の捜索など6項目の対策を発表。特に「警察、消防署員を総動員して行方不明者の救出に当たる。災害援助法を適用して被災者の救援に万全を期す」と強調した。近隣の府県の協力で火災の早期消火に努める方針を示した。《共同通信》

【社会党・山花貞夫新民主連合会長】社会党に会派離脱届

社会党の「新民主連合」の山花貞夫会長は17日午前、国会内で森井同党国対委員長と会い、新会派「民主連合・民主新党クラブ」に参加する社会党衆参両院議員24人の会派離脱届を提出した。これを受け、社会党は党本部で緊急三役会議を開いたが、森井国対委員長からの報告を聴いただけで休憩。午後から三役懇を再開、続いて臨時中央執行委員会を開き、取り扱いを協議することになった。久保書記長は新会派参加予定議員から個別の意思確認を行う。

離脱届を提出した議員の内訳は衆院17人、参院7人。山花氏によると、24人のほぼ全員の離党届を預かっており、山花氏は同日、記者団の質問の答え、離党届の提出時期について「中執委の状況を見て考えたい。17日中の提出も含めて考えたい」と述べた。《共同通信》

「民主リベラル新党準備会」の呼び掛け人を務める社会党の山花貞夫新民主連合会長と、新進党を離党した川端達夫、民主新党クラブの海江田万里の3氏は17日夜、都内で会談し、20日の通常国会前の新会派「民主連合・民主新党クラブ」の届け出は見送らざるを得ないとの認識で一致した。

兵庫県南部地震の被害状況把握と今後の復旧に全力を挙げるためで、山花氏は19日に予定される社会党中央執行委員会の論議を見極めた上で、あらためて対応を協議する考えを示した。《共同通信》

【政界談話室】

○…村山首相は17日、社会党の山花貞夫新民主連合会長ら24議員が会派離脱届を提出したことに関して記者団が質問したのをさえぎり、「社会党の問題より兵庫の地震じゃ」と、兵庫県南部地震の被害状況把握や対策に専念することを強調。「適切な対策を取らねばならない。三役懇談会でもそういう話をしたようだし」と、一方的に「政治休戦」を宣言。実際、会派離脱問題を協議するはずだった午後の臨時中央執行委員会でも議題にならず、地震ショックの大きさを物語っていた。

○…新進党「明日の内閣」で国土・運輸担当の二階俊博衆院議員はこの日、兵庫県南部地震の現地視察へ。出発に先立ち、記者団に「実は地震を体験してきた。大阪のホテルを出ようとしたら、突然グラッと来た。新幹線が動いていないというので、伊丹から飛行機で戻って来た」と打ち明けた。12階の部屋に宿泊していたという二階氏は「フロントで精算しようとしたが、停電で(コンピューターが作動しないため)できず、名刺を渡してきた」とトンボ返りの疲れも忘れて興奮気味に証言。《共同通信》

【大相撲初場所】10日目

大相撲初場所10日目(17日・両国国技館)1敗同士の大関対戦は武蔵丸が若乃花を押し出しで破った。そのほか横綱、大関陣はそろって白星。横綱曙は突き、押しで久島海に圧勝し、大関貴ノ浪は力強い相撲で寺尾を退けともに1敗を堅持。貴乃花は危なげなく霧島を寄り切り、2敗を守って勝ち越した。平幕の元気者大翔鳳は小錦の寄りに屈し2敗となった。この結果、幕内は曙と貴ノ浪、武蔵丸の3人が1敗で並び、2敗で貴乃花、若乃花、大翔鳳が追う展開。十両は元小結の巴富士ら5人が7勝3敗で並んでいる。《共同通信》

【イタリア】国会議員抜きで組閣

イタリアのディー二新首相は17日、スカルファロ大統領に組閣名簿を提出した後、大統領官邸で宣誓式を行い、戦後54代目の内閣を発足させた。大統領の指示に基づき、歴代内閣で初めて、閣僚に国会議員を含まない実務家内閣となった。

しかし、ベルルスコーニ前首相の連立与党は同日夜、新内閣が「巧妙に仕組まれた大統領による前政権転覆(の試み)」であるとして、反対の立場を発表したほか、最左派の共産党再健派も反対を表明。また北部同盟の反主流派の一部が離党して、ディーニ内閣に反対する姿勢を示しているため、国会、特に下院での承認が得られるか、微妙な情勢となっている。

一方、ディーニ首相が指名した閣僚のうち、与党に近い2人が受け入れを拒否したため、首相は宣誓式の直前に差し替える措置をとった。与党側が反発しているのは、与党の推薦した閣僚候補がほとんど大統領の拒否で入閣できず、結果的に早い時期の総選挙をディー二内閣で実現する戦略が不可能となったため。与党は大統領への対決姿勢を強め、下院での内閣不信任を成立させるため全力を挙げる方針だ。

これに反し、北部同盟の主流派と野党の人民党、左翼民主党などは、新内閣が人格、職見に優れた人々で構成されているとして、支持を明らかにした。《共同通信》

【阪神淡路大震災】

夜空を真っ赤に突めて、街が燃え上がった。「子どもが、、まだ土砂の下に」。わが子のクを。「どこへ逃げたらいいの」電気が止まったの神戸市内などでは、炎に追われて住民がやみの中を逃げまどった。兵庫県南部地震発生から20時間以上が過ぎた17日夜。交通網やガス、水道は各地で寸断されたまま。戸外の気温3度。倒壊したわが家のかけらを拾い集め、燃やして暖をとる一家も。断続的に襲う余震に、暗やみで悲鳴が上がる。食料品店には長い行列。「今はもう、何も考えられない」。不安に衰えながら、住民は長い夜を過ごした。

神戸市東灘区の阪神高速道では約1キロにわたり地上約20メートルの橋脚が横倒しに。まるでびょうぶを立てたようで異様な光景だ。走行していたトラックなど十数台は転がり落ち、腹を見せて横転したりぺしゃんこにつぶれた状態になった。

別の場所では橋げたの下敷きになったトラックに黒焦げの遺体が放置されたままに。大破したトラックからクラクションとウインカーの音が響いている。現場の警察官は「まず生きている人の救出が先だ」と疲れた足取りで次の現場へ向かった。

一般の道路も深い亀裂が走り、波打っているため、のろのろ運転で大渋滞に。各所で水道管が破裂し冠水している。

急きょ遺体安置所になった兵庫県西宮市の市立今津体育館には相次いで遺体が運び込まれた。しかし、ひつぎやスペースが足りず、床などにそのまま放置するしかない。ただ一人で応対に追われる市職員(47)は、会議室の床に並んだ遺体を前に「遺体は増えるが、電気はつかず食料の準備もない」とやりきれない表情。

20遺体を収容した神戸市灘区の灘区民ホールには、行方不明の家族を求めて来た人の姿も。会議室には机を並べて安置しているが、これ以上は入り切れなくなり、後から運ばれた遺体は近くの寺などに紹介していた。《共同通信》



1月17日 その日のできごと(何の日)