平成2161日目

平成6年12月8日(木)

1994/12/08

【新進党】初代党首に海部俊樹氏

野党の「新党連備会」は8日夜、国会内で総会を開き、「新進党」の初代党首に海部俊樹元首相(自由改革連合代表)を選出した。初代幹事長には小沢一郎新生党代表幹事が無投票当選しており、新進党が「海部ー小沢」体制で運営されることが確定した。新進党は10日午後、横浜市の国立横浜国際会議場で結党大会を開き、衆参両院議員200人超の自民党に次ぐ大政党が誕生する。

自社連立政権誕生を機に自民党を離党した海部氏は新進党の顔として、来年夏の参院選挙、次期衆院総選挙で党勢を伸ばし、再び非自民政権を形成することが最大の課題となる。しかし党首選挙をめぐる多数派工作で新進党内にしこりが残るのは避けられず、党内融和が今後の大きな焦点だ。

一方で自民党時代の海部政権と同じ布陣となることから、早くも「第二自民党」(共産党書記局長)との批判が出ており、厳しい党運営が迫られるのは必至。

党首選挙は海部氏、羽田孜前首相(新生党党首)、米沢隆民社党委員長の3候補に対し、衆参両院議員214人が無記名投票した結果、海部氏が過半数(108票)を大きく上回る131票を獲得し当選した。羽田氏は52票、米沢氏は31だった。新進党参加予定者は216人だが、2人が病気などで欠席した。

総会では、副党首についても海部、小沢両氏が協議、推薦する予定だったが、「選ばれる人の都合もある」との理由で10日の結党大会直前に再び準備会総会を開くこととし、選出を先送りした。海部新党首はこの後、小沢新幹事長とともに、都内のホテルで記者会見に臨み、政治的抱負などを表明した。

海部氏は総会後、記者団に対し投票結果について「大変ありがたい数字だ。責任は重い。票差については、そのまま受け止めてもらうしかない」と述べた。羽田氏は「しこりはない」と表明した。《共同通信》



【村山富市首相】いじめ対策で閣僚会議を指示

村山首相は8日、愛知県西尾市で起きたいじめを苦にした中学生の自殺事件に象徴されるいじめ事件の深刻化に対処するため、いじめ問題対策の関係閣僚会議を開くよう五十嵐官房長官に指示した。同長官が同日午後の記者会見で明らかにした。《共同通信》

【政界談話室】

○…ノーベル文学賞を受賞する作家の大江健三郎氏が講演で日本人のあいまいさを指摘したが、村山首相は8日、自らの発言について「私は思ったことをちゃんと言っている。自然にね」と説明した。「日本の政治は玉虫色の決着が多いが」と記者団に質問されると「意見を出し合って調整することはありますけどね」と釈明。参院厚生委員会でも被爆者援護法案について「一つの党の見解が正しいわけじゃないから」と政策調整の重要性を強調した。土井委員長時代は「駄目なものは駄目」で一世をふうびした社会党だが、政権を担当して玉虫色調整の重要性を認識?

○…民社党の米沢委員長は「新進党」党首選挙が行われたこの朝、自宅を出るなり待っていた記者団に向かって「(米沢氏が)勝つと書いてある新聞はないじゃないか」と、珍しく軽口。心境を尋ねるインタビューには「平常と変わらないが、さわやかな気持ちだ」と答えたものの党首選への気持ちの高揚を隠しきれない様子。ところが9日に開かれる民社党の解党大会に話題が移ると今度は「35年の歴史を刻んだ名党がなくなるんだから…。明日への再出発と自分に言い聞かせている」と感慨深げに語り、複雑な表情を見せていた。《共同通信》

【金丸信氏】「政治には口出さず」

ことし9月に80歳になった金丸信前自民党副総裁の「傘寿を祝会う会」が8日、甲府市内のホテルで開かれた。巨額脱税事件で平成5年3月に起訴された金丸氏は「(脱税事件で)皆さまを心配させたりしたのは自分の不徳によるものとおわびしたい」などと述べるとともに「これからは国政にも県政にも口は出さない」と政治からの完全な引退を宣言。10日に予定されている新進党の旗揚げについても触れなかったという。

会は報道陣を一切入れずに行われたが関係者によると、竹下登元首相や地元後援会「久親会」のメンバーら約350人が出席、金丸氏は顔色もよく、口調もしっかりしていたという。金丸氏は起訴後、持病の糖尿病が悪化して一時入院。現在は山梨県中巨摩郡白根町の自宅で療養を続けている。《共同通信》

【スピードスケートW杯帯広大会第2戦】最終日

スピードスケートのワールドカップ(W杯)帯広大会第2戦最終日は8日、北海道帯広の森スピードスケート場で男女計4種目行い、男子1000メートルで宮部行範(三協精機)清水保(日大)宮部保範(新王子製紙)が1−3位を占めた。日本がW杯で表彰台を独占したのは史上初めて。

宮部行は、実兄の宮部保との同走で快勝、1分16秒09で第1戦に続き、2勝目を挙げた。

男子500メートルでは清水が37秒53で優勝。第1戦に続く、今季2勝目で、W杯通算4勝目をマークした。男子500メートルは、開幕からの4レースで清水と堀井学(新王子製紙)がそれぞれ2勝し、日本勢の4連勝となった。

女子500メートルは五輪3連覇のボニー・ブレア(米国)が40秒90で、開幕から負けなしの4連勝。島崎京子(三協精機)協精機)が41秒29で3位。ブレアは1000メートルも1分23秒18で勝った。

スプリント種目のW杯は序盤戦を終了。来年1月2日からのスイス・ダボス大会で再開する。《共同通信》

【サッカー日本代表】ラモス瑠偉選手らが復帰

日本サッカー協会は8日、五大陸のチャンピオンが争うインタコンチネンタルカップ(来年1月6ー13日・サウジアラビア)に向けた加茂周・新監督率いる日本代表候補30人を発表。イタリアのジェノアに所属している三浦知良が選ばれたほか、最年長で37歳のMFラモス瑠偉(川崎)が約1年ぶりに復帰した。

候補選手の内訳では、昨年のワールドカップ(W杯)米国大会最終予選を戦ったメンバーからラモスのかDF堀池巧(清水)ら4人が復帰。最年少で21歳の服部年宏(磐田)ら若手を中心に8人が初めて選出された一方、ファルカン前監督のメンバー20人からは岩本輝雄(平塚)ら19人が外れた。

加茂監督は「基本的にはこの30人で2月のダイナスティカップまでやりたい」と説明。ファルカン時代に代表入りを辞退したラモスについては「本人と直接話し、全力でやりたいとの返事をもらった」と語った。三浦は国内合宿には参加せず、サウジアラビアで合流する予定。

代表候補は12日から2日間の一次合宿後、25日から5日間の二次合宿を行い、20人のメンバーに絞って、サウジアラビアに向かう。

【Jリーグ・清水】リベリーノ監督が退団

サッカーJリーグの清水エスパルスは8日、リベリーノ監督の退団を発表した。同監督は同じブラジル人のレオン前監督の後を受けてサントリーシリーズ終了後に就任。元ブラジル代表の名選手としてその指導が注目されたが、ニコスシリーズでは6位と期待はずれに終わった。

静岡市内で会見した同監督は「結果的にいい成績を残せなかったが、やるべきことはすべてやったと思う」とあいさつ。また清水の戸塚社長は「リベリーノ監督には忙しい中を無理に日本に来てもらった。これ以上引き止めるわけにはいかない」と退団理由を説明止める《共同通信》

【米郵政公社】「原爆切手」発行中止

米郵政公社は8日、原爆のキノコ雲を描いた記念切手の発行を取りやめ、当時のトルーマン大統領が第二次大戦の終結を発表する図柄に変更すると発表した。国務省も同日、在米日本大使館を通じて、この決定を日本政府に伝達した。

「原爆切手」の発行計画について、日本側は村山首相や河野外相らが強く反発し、米側に抗議。ホワイトハウスや国務省が郵政公社に再考を求めるなど、政治問題化していた。今回の郵政公社の決定で問題は一応決着するが、日米両国の原爆投下に関する考え方の違いが浮き彫りになるなど、今後の日米関係にとって課題も残された。

郵政公社が発表した声明の中で、ラニャン総裁は図柄変更について「米外交の重大な時期における日米関係の重要性のためであり、クリントン大統領が『そうする(図柄を変更する)のが適切』との見解を伝えてきたため」とし、政治決着であることをうかがわせた。

「原爆切手」は郵政公社が第二次大戦勝利50周年を記念して来年9月の発行を計画。戦争終結までの経過を描いた10枚1組の記念切手のうちの1枚で「原爆が戦争終結を早める―1945年8月」との説明が付いている。郵政公社側は「第二次大戦の全体像提供が目的で、(個別の)出来事に関する価値判断は下していない」としていた。

しかし、今月1日に発行計画が明らかになると、日本政府は「国民感情を逆なでする」(村山首相)などと反発。これに対し米側は「原爆投下が大戦終結を早めたとの見方に同意するが、別の図柄でも適切に表現できる」(マイヤーズ大統領報道官)との立場から、ホワイトハウスなどが郵政公社に図柄の見直しを求めていた。《共同通信》



12月8日のできごと