平成2162日目

平成6年12月9日(金)

1994/12/09

【被爆者援護法】成立

村山内閣が重要法案と位置付け、現行の原爆医療法、原爆特別措置法の2法を取り込んだ原爆被爆者援護法案が9にと午前の参院本会議で、自民、社会などの賛成多数で可決、成立した。

主な内容は前文で「国の責任において被爆者に対する保健、医療および福祉にわたる総合的な援護対策を講じる」と明記。これまで葬祭料が支払われていなかった昭和44年3月31日以前の原爆死没者の遺族で、自らも被爆した者に対して特別葬祭給付金(2年償還の国債で一人一律10万円分)を支給するとしたのが大きな特徴。

原爆放射能影響調査研究を行う公益法人に対する国の補助や、原爆死没者の追悼事業の実施なども規定した。施行は来年7月1日から。

衆院で実施した広島、長崎両市内での地方公聴会では、被爆者団体の代表らを中心に法案条文に「国家補償」明記を要求する声が続出した。野党の統一会派「改革」、参院の新緑風会と公明党はこれらの声を背景に「国家補償的配慮」を明記した対案を提出したが、結局は「国家補償」という言葉を盛り込めば国の戦争責任に基づく補償と受けとられる」とした政府、与党側に押し切られた。《共同通信》



【石原信雄内閣官房副長官】辞意

石原信雄内閣官房副長官は9日午前の閣議後、国会内で村山首相に対し「法案に区切りもついた。在職期間も長くなっている」として辞意を伝えた。これに対し首相は、行政改革が正念場を迎えていることから「行革のめどがつくまで副長官にとどまってほしい」と強く慰留した。

石原氏も首相の意向を踏まえ「大事な時なのでしばらくの間」(同氏)副長官職を引き続き務めることを了承した。しかし石原氏は在任期間が7年を超えていることなどから「(辞任の)気持ちは変わらない」とも伝えており、当面、職にとどまるものの辞意は固いとみられる。

石原氏は、引退を表明し、た鈴木俊一東京都知事の後継に名前が挙がっているが、来年春の都知事選への出馬については明確な態度を示していない。

同氏は自治省事務次官を経て昭和62年11月、竹下内閣で副長官に就任して以来、宇野、海部、宮沢、細川、羽田、村山の各内閣で同職を務めた。この間、官僚のトップとして、新元号制定や湾岸危機への対応と国際貢献策、消費税導入から税率引き上げまで一連の税制改革などの重要課題で歴代内閣を補佐してきた。《共同通信》

【民社党】解党を正式決定、35年の歴史に幕

民社党は9日午後、東京・新宿区の日本青年館で行われた臨時党大会で、解党と「新進党」への参加を正式に決定し、1960年の結党以来約35年の歴史に幕をおろした。新進党へは大内前委員長ら2氏を除く衆参24議員が合流する。《共同通信》

【村山富市首相】不退転の決意で行革推進

村山首相は9日午後、臨時国会閉幕に当たり、首相官邸で内閣記者会と会見した。首相は重要法案を仕上げた臨時国会の運営を通じ「本格的な安定した連立政権の基盤が一層強化された」と政権運営に自信を示した上で、今後取り組むべき課題として行政改革推進を挙げ「必ずやらなければならないと肝に銘じている」と述べ、不退転の決意で臨む姿勢を強調した。また平成7年度予算編成は経費の洗い直しを徹底し、生活者重視の視点で当たるとの考えを示した。

新党問題をめぐる社会党内の動きについては、早期結成に積極的な「新民主連合」との意見の相違はない。ことを強調、全党的な論議で新党に移行していく考え方を重ねて明らかにした。早期の衆院解散や内閣改造は否定した。

首相は今後の政界再編成に関連して、多様化する国民の価値観に対応するには「2つの政党に収れんするのは無理がある。3つの大きな柱の一極を民主・リベラル勢力が担っていきたい」との認識を示した。新民連については「目指す方向にそんなに違いはない。その動きによって政権基盤が揺らぐことはなく、むしろ強化される」と述べ、党が大きく分裂することはないとの自信を示した。

政権の今後の課題に取り上げた行政改革については、規制緩和、特殊法人の見直し、情報公開、地方分権を掲げ、内閣一体となって「必ず国民の期待にこたえられる結果を出すよう努力する」と決意を表明した。《共同通信》

【将棋・羽生善治五冠】史上初の六冠に

将棋の第七期竜王戦、佐藤康光竜王(25)と挑戦者・羽生善治名人(24)の七番勝負第六局は、8日から山形県天童市の「滝の湯ホテル」で行われていたが、9日午後7時7分、121手までで羽生名人の勝ち。羽生は4勝2敗で昨年奪われた竜王を奪回、同時に将棋のタイトル中、竜王、名人、棋聖、王位、王座、棋王の6つを占める史上初の六冠王となった。羽生の竜王位は第二期、第五期に続いて三期目。

このシリーズ、羽生は多彩な戦法を駆使、攻防にスキのない差し回しで、出だしから3連勝するなど圧倒的な力を見せた。この後、佐藤も踏ん張って2勝を挙げたが及ばなかった。《読売新聞》

【阪神・和田豊内野手】契約更改

プロ野球阪神の和田豊内野手(32)は9日午前、兵庫県西宮市の甲子園球場にある球団事務所で契約交渉に臨み、年俸3700円増の1億3000万円で更改した。阪神で年俸を1億円の大台に乗せたのは、日本人選手は昨年の石嶺に続き2人目で、生え抜きでは初めて。

プロ10年目の和田は今季130試合にフル出場してセ・リーグ4位の打率3割1分8厘、2本塁打、43打点。堅実な守備で3年連続ゴールデングラブ賞を獲得した。

和田は「自分が1億円以上もらう選手になるとは思わなかった。入団した時(1985年)は480万円で、5000万円が目標だった。他球団には2億円、3億円の選手がかなりいるので、今後はそこを目指したい」と喜びを話した。(金額は推定)《共同通信》

【読売新聞・渡辺恒雄会長】Jリーグ・川淵チェアマンを「独裁者」

サッカーJリーグで2季連続の年度優勝を果たしたヴェルディ川崎の祝賀会が9日、東京都内のホテルで「行われ、親会社である読売新聞社の渡辺恒雄社長がスピーチの中で、名指しこそ避けたが、Jリーグの川淵三郎チェアマンを「独裁者」と表現。さらにJリーグの規約なども興奮気味に非難した。川渕チェアマンはこのパーーティーを欠席したが、この発言を会場で直接聞いたJリーグの木之本興三常務理事は「絶対に許せない」と強く反発。電話でチェアマンに報告した後「クラブ側から謝罪がなければ、厳然たる姿勢で臨む。Jリーグから出ていってもらってもいい」と公的立場で語った。

渡辺社長は約800人が出席したパーティーの席上、「独裁者が抽象的な理念を振りかざすだけではスポーツの発展はない」と痛烈に批判。Jリーグ規約については、チェアマンの決定が最終的なもので、法廷闘争などを認めない点を「憲法違反。司法に反している」と言い切った。

木之本常務は「公衆の面前で、しかも本人がいない場で独裁者と言うなんて、…」と怒りを表明。規約関連では、国際サッカー連盟(FIFA)同様の条項であることから「われわれは、ルールに従っている。(同社長は)サッカーを知らないのでは」と不信感を表した。《共同通信》



12月9日のできごと