平成2072日目

平成6年9月10日(土)

1994/09/10

【関西国際空港】開港から1週間

「うわー、広いなあ」。滑走路を一望できる展望デッキに子供たちの歓声が響く。開港後、初の週末を迎えた10日の関西国際空港は朝から見学の家族連れでにぎわった。

滑走路の端に位置し、離陸するジェット機の迫力と爆音を思いっきり体感できる展望デッキには、午前10時のオープンと同時に、強い日差しを避ける日傘などを手にした家族連れ約150人がずらり。離着陸の度に「おー」と歓声が上がり、大阪市から南海電鉄の特急ラピートで両親と来た男児(6つ)は「飛行機が大きい」とにっこり。備え付けの双眼鏡でスポットに並んだジャンボ機の列に見入っていた。

旅客ターミナルビル(PTB)から展望デッキへのバス乗り場は長蛇の列。幼稚園児を連れた大阪市の会社員(30)は「いつまで待っても、整理券を配ってくれない。何とかして」とバテ気味だった。

関西国際空港が開港して10日で1週間。この間の国際線旅客は一日平均約1万9000人で、大阪空港時代に比べ約30%増えた。「アジアのハブ(拠点)」を目指す空港の滑り出しは、まずまずのようだ。一方で、大阪空港からの機材の引っ越しに伴う大量のごみなど、新空港らしい副産物も。日本初の本格的な24時間空港の一週間を、「人・物・カネ」のさまざまなデータで探った。

国内線旅客は、一日平均約2万7000人。国際線と合わせ連日、約4万6000人が関西空港を利用して大空の旅を楽しんだ勘定。さらに、目立つのが見学客数。空港内で滑走路が見渡せる展望デッキは、入場料が大人800円と他の空港に比べて割高にもかかわらず、一日平均5000人で大にぎわい。5日午後には「7時間待ち」の掲示が出るほどの混雑だった。

真新しい海上空港を一目見ようという見学ツアーまであり、ある旅行社が企画したツアーには、開港から5日間で約1万6000人が参加、計350台の観光バスが空港に繰り出した。

旅客ターミナルビル内テナントは「開港景気」にホクホク顔だ。お笑いの吉本興業(本社大阪市)が出店した飲食店「カウンターバーヨシモト」は、一日約1500人の客で売れ筋は5個350円のたこ焼き。一日約300食が出るといい、同店では予想を上回る約100万円の売り上げとなった。

こうなると、欠かせないのが銀行。空港島内で唯一、預金ができる東京銀行出張所には、空港内の約100社が開港直後、一斉に口座を開設した。特に、閉店が午後10時と遅いテナント約70社が夜間金庫を利用。「出張所としては突出した利用数」(東京銀行)というのが24時間空港らしい。

にぎわいに伴い、ごみも大量に出た。一日当りの収集量は約25トンで、一週間でジャンボ機(約150トン)と一機分の重さを上回る勢い。この量には、大阪空港からの引っ越しごみが含まれており、空港会社は「今後は、もう少し落ち着くでしょう」。《共同通信》



【世界リゾート博】入場者数200万人突破

和歌山市沖の人工島で開催されている世界リゾート博は開幕から57日目の10日午後、入場者数が200万人を突破した。閉幕は今月25日で、今後も関西国際空港の見学とセットの団体客らで「最終的には250万人を超えるのでは」と話している。《共同通信》

【世界水泳シンクロ・デュオ】奥野・立花組が銀メダル獲得

水泳の第7回世界選手権第10日は10日、ローマで行われ、シンクロナイズドスイミングのデュエットで奥野史子、立花美哉組(井村シンクロク)が銀メダルを獲得した。日本選手の同種目での銀メダルは前回大会に続き2大会連続で、メダルの獲得は第1回大会から7大会連続。《共同通信》

【全米テニス女子単】アランチャ・サンチェス選手が初優勝

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テニスの四大大会今季最終戦、全米オープン第13日は10日、ニューヨークのナショナル・テニスセンターで女子シングルス決勝などを行い、第2シードのアランチャ・サンチェス(スペイン)が2連覇を狙った第1シードのシュテフィ・グラフ(ドイツ)を1−6、7-6、6-4で下し、初優勝。賞金五十五万ドル(約5500万円)を獲得した。四大大会の優勝は、1989年とことしの全仏オープンを合わせ3度目。女子でスペイン勢が優勝したのは大会史上初。

サンチェスは第1セットをいいところなく失ったが、第2セットに入ると、強気な攻めを取り戻した。相手のミスにも助けられタイブレークの末に奪うと、第3セットは3−4から3ゲームを連取して、ライバルを倒した。

男子はシングルス準決勝で、第4シードのミヒャエル・シュティヒ(ドイツ)がカレル・ノバチェク(チェコ)を下した。第9シードのトッド・マーティン(米国)を破ったノーシードの人気選手アンドレ・アガシ(米国)と11日の決勝で対戦する。《共同通信》

【皇太子ご夫妻】羅臼岳に登頂

北海道・知床半島を訪れている皇太子ご夫妻は10日、知床連山の最高峰、羅臼岳(1660メートル)に登山された。

ご夫妻はこれまで、東京・奥多摩や岩手・八幡平などでハイキングを楽しまれているが、本格的な登山は初めて。約10時間半をかけて山頂まで往復、知床の自然を満喫された。《共同通信》

【村山富市首相】秋田県の農家を訪問

村山首相は10日午前、「国政に関する公聴会」(一日内閣)出席のため政府専用機で秋田入り、公聴会に先立って秋田県協和町の農家を訪問し、農民らと懇談した。

首相は長靴に履き替え、ネクタイを外したワイシャツ姿で同町の加藤幸作さんの水田に足を運び、「気持ちいいですね」を連発・刈り入れ間近の稲を手に取りながら「今年はずいぶん実りがいいですね。実りが多いほど頭を垂れる稲穂かな、だ」と豊作ぶりを実感して安心した様子だった。

この後、メロン作りに取り組んでいる加藤幸栄さんの温室へ移った首相は、「ツル一本に一個(しかならない)ですからと説明」を受けると、「メロンは高いはずじゃ。生産コストがかかる」と納得した表情をみせた。

首相はお土産にもらったメロンを片手に「重いのう。実が入っとるけん」と顔をほころばせ、また「握手をすると長生きするそうですから」と言いながら、地元農民らとの握手や記念撮影に応じ、「庶民派首相」ぶりを盛んにアピールした。

首相は午後には秋田市内で開く農業・農村、景気対策をテーマにした「一日内閣」などに出席、同日夜、東京に戻る。《共同通信》

【古今亭志ん馬さん】死去

テレビドラマの「意地悪ばあさん」役で話題をさらい、ワイドショーの司会なども務めた落語家の古今亭志ん馬さんが10日午後1時27分、肝臓がんのため東京都港区の病院で死去した。59歳。北九州市出身。

昭和27年、五代目古今亭志ん生に入門、志ん吉を名乗った。41年六代目志ん馬を襲名。43年から青島幸男氏の後を継いで二代目「意地悪ばあさん」を演じた。昭和54年から落語協会理事をつとめた。8月20日、腹痛のため寄席を休み翌日そのまま入院。前日の19日、浅草演芸ホールで夜の部のトリを務めたのが最後の舞台となった。《共同通信》



9月10日のできごと