平成2071日目
1994/09/09
この日のできごと(何の日)
【政府】景気回復宣言
政府は9日午前、月例経済報告閣僚会議を開き、高村経済企画庁長官が提出した「日本経済は企業設備等の調整過程にあるものの、緩やかながら回復の方向に向かっている」との9月の報告を了承。政府として事実上の「景気回復宣言」をした。
今回の不況について、経企庁は事後の分析で平成3年5月に始まったと判断しているが、月例報告で景気後退を認めたのは4年2月だった。日銀は7月に「回復宣言」しており、バブル崩壊に伴う長期不況は、個人消費をリード役に転換点を迎えたようだ。
経企庁は昨年6月に、独自の「底入れ宣言」をしたが、その後景気は円高で再び低迷、宣言を修正したいきさつがある。月例報告は①減税に猛暑が加わり個人消費に持ち直しの動きが広がっている②鉱工業生産の底堅さが増している③設備投資の一部に増加の動きがある④企業心理が改善しているーの4点から回復の方向と判断した。
しかし、1ドル=100円を突破する最近の円高を前月に続き懸念要因として挙げるとともに「企業設備が調整過程にある」ことを明記。「設備投資はまだ全体では減少しており、自律的回復過程とは言えない」(経企庁内国調査第一課)とくぎを刺しており個人消費と輸出頼りの回復力は力強さに欠ける。《共同通信》
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【宝塚歌劇】80周年記念式典
「清く正しく美しく」をモットーに、大正3年の初演以80年を迎えた宝塚歌劇の「80周年記念式典」が、9日午後、兵庫県宝塚市の宝塚大劇場で、往年の大スターや現役のトップスターが顔をそろえ、華やかに行われた。
式典は、大階段に銀橋という宝塚独特の舞台装置を背景に、同歌劇団・宝塚音楽学校の生徒約440人が、記念賛歌「夢を描いて華やかに」を合唱してスタート。かつての大スターで同歌劇団理事の春日野八千代さんらの祝舞と続いた。会場には扇千景さん、那智わたるさんら懐かしい顔が多く見られた。《共同通信》
【オリックス・イチロー外野手】今季通算185安打
オリックスのイチロー外野手(20)は9日、藤井寺球場での近鉄22回戦で2安打を放って今季通算185安打とし、新井宏昌(近鉄=現オリックス・コーチ)が1987年に達成した年間130試合制でのシーズン最多安打184を塗り替えた。
プロ野球最多安打は藤村富美男(阪神)が50年に作った191(140試合制)、パ・リーグ最多は広瀬叔功(南海)が63年に作った187(150試合制)。現行の130試合制は両リーグとも66年から実施している。《共同通信》
【村山富市首相】明石康氏と会談
明石・旧ユーゴ国連事務総長特別代表は9日午後、首相官邸で村山首相と会談し、日本の国連安保理常任理事国入りについて「安保理改組の機は熟している。今回、見送って5年後というような話ではなく時期がある。(機会を)逸すべきではない。日本の理事国入りは国連への貢献ではなく、義務だ」と述べ、積極的な取り組みを強く求めた。
首相は先の東南アジア歴訪を路まえ「アジアの日本への期待を痛感した。期待にこたえるよう努力したい」と表明。①リーダー的に引っ張っていくのではなく謙虚に期待にこたえたい②常任理事国になって何ができ、しなければならないかなど国民の議論を深め、正しい理解を得て取り組みたいと述べた。
明石氏は村山内閣が常任理入りの「条件」としている「非軍事的貢献」に関連して「国連平和維持活動(PKO)は当事者の停戦合意に基づき軍人が外交官的な役を果たす平和、調停活動で日本国憲法には抵触しない。これを軍事的というのはおかしい」と強調した。《共同通信》
【政界談話室】
○…村山首相は9日、水戸黄門役で親しまれた東野英治郎さんが亡くなったことについて「(水戸黄門は)好きじゃった。昔はよく見たものじゃった」としんみり。くしくも、政治資金の収支報告で、資金を流用する政治家が後を絶たないことが明らかになったばかり。記者団が「平成の黄門は現れるか。黄門自認するか」とけしかけると、首相は「現れなければいかん。その役を果たさにゃいかん」。東野黄門の「カッカッカ」の高笑いこそなかったが、白いあごひげならぬ白いまゆ毛をピクピクさせていた。
○…この日、国会内で開かれた野党の新党協議会第二回世話人会では、まず各党の席順が話題に。日本新党の松岡代表幹事が「党の(議員)数順ですね」と切り出し、公明党の市川書記長が円卓中央の小沢新生党代表幹事が座る位置から順に「一、二、三」と割り振り始めた。ところが、メンバー2人で最も小さい会派の山口元労相が「数の論理で決めるのは民主的ではないな」とちゃちゃ。「当選回数なら私が一番真ん中に座れるのに」と続けて笑いを誘ったが、新・新党結成への機運を盛り上げたことを自負する山口氏だけに、一番端っこに相当不満?|《共同通信》
【野党10党派】新党世話人会長に小沢氏
共産党を除く野党10党派は9日、国会内で代表幹事・書記長による「新党協議会」世話人会を聴き、新党の骨格作りの舞台となる世話人会長に小沢新生党代表幹事を選んだ。また、新党の結成時期、組織・運営、役員選出方法などの確定を急ぐ方針を決めた。同時に①今月末の臨時国会召集前の新統一会派結成に当たり、国会内の役員人事などを通して責任体制を確立する②自民、社会両党議員に対し、新・新党への参加を呼び掛ける③月内に衆院小選挙区の候補者を固めるーとの方針を確認した。
世話人会では、地方組織を抱える公明、民社両党がまず国会議員だけの参加による新・新党結成を提唱していることに対し、自民党を離党した自由党などの出席者が「党組織を残さず、新・新党に合流してほしい」と要望した。
しかし、市川公明党書記長は党職員約600人の処遇、来春の統一地方選への対応などを挙げて「統一地方選では約2000人の公明党議員が改選される。公明党は党営選挙をやっているが、新・新党で地方議員の選挙費用を負担できるのか」と指摘。結論を次回12日の会合に持ち越した。
座長に決まった小沢氏は、終了後の記者会見で、新・新党の党首問題に関連して「統一会派の代表は通常、書記長・幹事長がなっている。新党首と会派代表はイコールではない」と述べた。野党内の一部に「新会派の代表が新党首になる」(公明党幹部)との見方が出ているが、小沢氏の発言は新統一会派と新・新党の「首脳人事を必ずしも関連させる必要はないとの考えを示したものだ。《共同通信》
【仏・ミッテラン大統領】中国・江沢民国家主席と会談
フランス訪問中の江沢民中国国家主席(共産党総書記)は9日夜のミッテラン大統領との首脳会談で、21世紀に向けて経済・貿易を中心とした両国関係を全面的に発展させることで合意した。
大統領は同夜の主席との夕食会で、中国の人権状況への懸念を示したものの、首脳会談ではこの問題に一切言及せず、対中政策の重点を「人権」から「経済」へ移したことを鮮明にした。中仏関係はフランスから台湾への戦闘機輸出問題で一時悪化したが、中国外務省スポークスマンによると、ミッテラン大統領は中国を唯一の合法政府と認める立場をあらためて表明し、台湾問題でも中国のメンツを立てた。
大統領は今年10月にも実施すると伝えられる中国の核実験に懸念を表明したもようだが、スポークスマンによると、江主席は「中国は核実験の一時停止を約束していない」として実験継続の可能性を示唆した。
経済に関連し、主席は「わが国は今世紀末まで平均8−9%の経済成長率を維持し、今後7年間の輸入総額は1兆ドルに達する」として「巨大市場の魅力」を強調。農業、交通、エネルギー、通信などの分野で、フランスの投資を求めた。
国際問題について、主席は「冷戦後、国際情勢は安定に向かっているが、決して天下太平ではなく、覇権主義と強権政治は依然存在する」と暗に米国の「一国一支配」をけん制。ミッテラン大統領は夕食会で、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の核問題について、中国の影響力行使に期待を表明し、両首脳は米朝交渉による解決を支持する立場を確認した。《共同通信》