平成2047日目

平成6年8月16日(火)

1994/08/16

【美浜原発2号機】3年半ぶりに原子炉起動

関西電力は16日午前10時、平成3年2月の蒸気発生器(SG)細管破断事故以来、3年半にわたって停止し、SGを交換した美浜原発2号機(加圧水型軽水炉、出力50万キロワット、福井県美浜町)の原子炉を再起動した。国内の原発で過半数を占める加圧水型炉では細管損傷がネックとなっていたが、最新技術のSGと交換することで長寿命化を図るのが狙い。起動後の運転状況が注目される。同日午後10時ごろ、核分裂の連鎖反応が持続する臨海に達する見込み。

同電力は長期間停止していたため機器のチェックに万全を期し、9月上旬にいったん原子炉を停止、プラントの各部を再点検する。9月下旬には再び原子炉を起動させ、10月中旬に営業運転を再開する予定。

美浜2号機は3年2月9日、SG細管1本が真っ二つに割れる「ギロチン破断」を起こし、放射能を含んだ一次冷却水が二次側に流出。原子炉が自動停止し、日本の原発事故では初めて緊急炉心冷却装置(ECCS)が作動した。

通産省は、細管の振動を抑える振れ止め金具の一部が設計通りの位置まで挿入されていなかったため、管支持板との間につまった水あかやさびで固定状態になった細管が、二次冷却水の流れによる「流力弾性振動」という異常な振動で金属疲労を起こしたのが原因と断定した。

関西電力は、事故の調査結果を踏まえた再発防止対策などを実施。さらに、昨年7月からは国内初のSG交換工事に着手。2台のSGを、細管の材料に腐食に強い合金を使ったり、振れ止め金具や支持板を改良した最新型と取り換えた。《共同通信》



【第76回全国高校野球選手権大会】第9日

第76回全国高校野球選手権大会第9日は16日、甲子園球場で2回戦の残り3試合を行い、水戸商(茨城)愛知(愛知)中越(新潟)が3回戦に勝ち上がった。水戸商は第40回大会以来36年ぶり、愛知、中越は初の3回戦進出となった。

盛岡四(岩手)と対戦した水戸商は、両チーム無得点で迎えた八回、二死二塁から雨沢が三遊間安打を放って決勝点を奪,い、1−0で競り勝った。愛知-大垣商(岐阜)は二回、愛知が3盗塁を絡めた積極的な攻めを見せ、スクイズと2本の適時打で3点を先制。二回にもスクイズで加点し、4−0で快勝した。投手戦となった浦和学院(埼玉)-中越は、中越、が九回二死一、二塁にエースで四番の穐谷が二塁後方に落ちる幸運な適時打を放って1-0でサヨナラ勝ちした。《共同通信》

【村山富市首相】ルワンダ周辺への自衛隊派遣に前向き

村山首相は16日夕、静養先の神奈川県箱根町で記者団の質問に答え、ルワンダ難民に対する人的支援として国連平和維持活動(PKO)協力法の「人道的国際救援活動」に基づき周辺国に自衛隊を派遣することについて「人道的支援に限って可能か見極めないといけない」と派遣に前向きの考えを表明した。《共同通信》

【村山富市首相】「宿題多い」

村山首相は16日夕、静養先の神奈川県箱根町の芦ノ湖で遊覧船めぐりを楽しみ、2人の孫の手を引いてようやく夏休みらしいくつろいだひと時を過ごした。

首相は紺のジャケットに、ポロシャツ姿。多くの行楽客から「総理、頑張ってください」などと声を掛けられると、手を振ったり記念写真に納まり緊張のほぐれた柔和な表情でサービスに努めた。

船内では記者団に対し「頭の中も体の中もきれいな空気に入れ替えて、いいんじゃないか。気持ちも紛れるから」と話したが「これから臨時国会が大変じゃなあ。選挙制度改革(の区割り法案の成立)とか宿題は多い」と、頭ははや9月に召集予定の臨時国会でいっぱいの様子。

東南アジア4カ国訪問も1週間後に迫り、旅館では到着早々から資料に目を通した。「僕は普通の人間なので人一倍努力しないと(首相の仕事は)できない。なった以上はしょうがない。覚悟の上だ」と、静養中も勉強に励む決意を披露しながらも「自由がきかない。別扱いされると落ち着かない」と思わず愚痴も飛び出した。《共同通信》

【自民党・加藤紘一政調会長】中国・銭其琛外相と会談

中国の銭其琛外相は16日午後、自民党の加藤紘一政調会長と北京市内の釣魚台の迎賓館で約30分間会談、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の核開発疑惑について「米朝会談合意から判断して、指導部が動いていることは確かだ」として、金正日書記が基本的に対話路線を継承しているとの見方を示唆した。

その上で「中国、日本、韓国が緊密な関係を保たねばならない」と述べ、日中韓3国の協力態勢で話し合い解決を目指す考えを強調した。

銭外相は桜井前環境庁長官の更迭について「連立3与党、村山首相、河野外相が正しい対応をしたことを評価したい」と歓迎。その一方で桜井氏の「侵略戦争」発言に対し「日本が周囲の諸国と友好的な関係を築くのにマイナスに働く」と歴史認識の徹底を求めた。

加藤氏が核疑惑解決に向けた中国の影響力行使を要請したのに対し、銭外相は「話し合い解決が基本だ。簡単に国連で決議しても問題の解決にはならない」と述べた。また「日中韓は近い国、欧米は遠い」と述べ、北朝鮮との関係を持つ3国の協力が不可欠だとの認識を示した。《共同通信》

【政界談話室】

○…村山首相は16日昼、静養のため再び神奈川県箱根町入りした。夏休み前半は桜井前環境庁長官の辞任騒動で振り回されただけに首相公邸を出る際、記者団には「ぽかんとするわ」。曇りがちだった前半と打って変わり、この日の箱根は快晴で富士山がくっきり。旅館に到着後、「富士山は見ましたか」と記者団から聞かれ「いや。これを読んどったから」と右手に持った資料のコピーを示した。「勉強ですか」と問われると「いろいろとね」。今後の東南アジア歴訪や秋の政局を控えて車の中でも資料読みに追われ、ポカンとしているわけにはいかないようだ。

○…中国訪問中の加藤自民党政調会長はこの日午前、北京の中国外務省で王英凡外務次官補と会談、村山連立政権について「政策調整がうまくいけば長期政権は可能だ」と強調した。王氏は「最初は(村山政権は)おかしいとの評価もあったが、安定に向かっており、当初の評価は変わってきている」と、本格政権とようやく認知したような口ぶり。日本はこの1年間、めまぐるしく政権が変わってきただけに中国側の外交当局者としても、もうこの辺で安定してくれなくてはたまらないというのが本音か。《共同通信》



8月16日のできごと