平成2036日目

平成6年8月5日(金)

1994/08/05

【福徳銀行神戸支店5億円強奪事件】

5日午前9時20分ごろ、神戸市中央区三宮町、福徳銀行神戸支店の駐車場で、同支店業務課のAさん(35)ら3人が現金輸送車から現金を運び出す作業中、男2人が短銃のようなものを突き付け「金を出せ」などと脅した。

2人組は3人を輸送車の中に閉じ込め、現金5億4100万円入りのジュラルミンケース3個を奪い、用意していた軽ワゴン車で逃走。車は約30分後、現場から約700メートル離れた路上で発見されたが、現金はケースごとなくなっていた。行員にけがはなかった。

警察庁によると、金融機関を狙った現金強奪事件の被害額としては史上最高。

福徳銀行によると、週末の準備資金が必要で平日の3倍の現金を輸送していた。兵庫県警は計画的な強盗事件とみて、生田署に捜査本部を設置、犯人の行方を追っている。

捜査本部によると、2人組はいずれも40代で、身長170センチぐらい。1人が短銃のようなものを持ち、グレーの作業服に野球帽をかぶり、サングラス姿。もう1人は顔全体に包帯のようなものを巻いていた、という。

捜査本部の調べによると、行員3人が乗った現金輸送車は同日朝、神戸市中央区の日銀神戸支店で現金を積み、福徳銀行神戸支店が入ったビル内の一角にある駐車場に車を止めた。3人が通用口から支店内に運び込もうと、輸送車の後部ドアのかぎ外し、ジュラルミンケース1個を搬送用の台車に載せたところ、2人組の男が近づき短銃を突き付け「本物だ。おとなしくしろ」などと脅迫。3人を輸送車の後部に押し込めた後に、近くに止めていたワゴン車にケース3個を載せて逃走した。

逃走車は7月末、神戸市長田区内で盗まれたもので、これに昨年10月、大阪府堺市内で盗まれた車のナンバーが取り付けてあった。《共同通信》



【羽田孜氏、細川護熙氏、海部俊樹氏】新・新党結成で一致

野党9党派による新・新党結成を目指し、羽田新生党党首、細川日本新党代表、海部自由改革連合代表の首相経験者3氏は5日午後、石田公明、米沢民社両党委員を交えて都内のホテルで会談した。この結果、現在の自社連立政権に対抗し得る新・新党結成を急ぐべきだとの認識で一致、8日に再会談を行い、具体的な調整を進めることになった。

羽田氏らはこれまでの2回の会談で「国際協調主義」など改革路線を新・新党の基本理念とすることで一致。石田、米沢両氏にこうした考えを説明したのに対し、両氏も同意した。新・新党構想をめぐり、野党内には小沢新生党代表幹事らの主導を警戒する空気が根強いが、野党各党の首脳が大筋一致したことから、新・新党問題は新たな局面に入った。

羽田氏ら5氏がそろって新・新党について会談するのはこれが初めて。冒頭、羽田氏らが「自社両党は何ら反省をしないまま野合に等しい連立政権をつくった」と批判。これに対抗して、責任ある政権を樹立するため、新・新党結成を急ぐべきだと主張、石田、米沢両氏は同意した。《共同通信》

【村山富市首相】区割り法、年内施行を

村山首相は5日、長野県茅野市で開かれている東京商工会議所の夏期役員懇談会で講演し、村山政権の課題として①政治改革②経済改革③戦後処理―の3点を指摘した。その上で首相は政治改革の焦点となっている小選挙区比例代表並立制の小選挙区区割り法案の取り扱いに関連して「次期臨時国会で速やかに成立を図り、周知期間を決め、できるだけ年内に施行できるようにしたい」と述べ、年内の政治改革完結に強い意欲を表明した。

首相が年内完結と明言し段取りをしている」と、減税継続を重ねて明言。そのために「与党で9月ごろまでに結論を出してもらう」とし、年内に税制改革に向けた道筋をつけたいとの意向を示した。

戦後処理問題への対応については「国民全体が反省し、償うものは債うけじめをした方がいい」と指摘、具体的には「官房長官を中心にチームをつくって何とかめどをつけてほしいと思っている」と述べた。《共同通信》

【政界談話室】

○…村山首相は5日、長野県茅野市の別荘地で開かれた東京商工会議所主催の講演会にポロシャツ姿で登場。細川政権当時の国民福祉税、統一会派問題などで小沢新生党代表幹事と市川公明党書記長主導の政権運営を相当腹に据えかねていたらしく「“社会党はいらない”、という腹で、裏で多数派工作をした」と、名指しこそしないものの大批判を展開した。開放的な気分のためか「そこまでコケにされたのでは、逡巡してどうするか(という問題)ではない」「連立政権は権力だけで運営すると破たんを招く」などとボルテージは上がりっ放し。

○…この日、河野外相はマイヤーズ在日米軍司令官の表敬訪問を受けた。かつて沖縄に動務した司令官は「沖縄復帰前に娘が生まれ、復帰後にもう一人生まれた。その後、日本は大きく変わった」と切り出し、自分の人生と重ね合わせながら、まずは日本の経済発展ぶりを称賛。その後、日本の米軍駐留経費負担に触れ「重要で感謝している」と、経費の継続的な確保をさりげなく“陳情”し、外相も「経済情勢は厳しいが、安保体制を維持する姿勢に変わりはない」と応じた。玉沢防衛庁長官が駐留経費減額もあり得るとの考えを表明した直後だけに、外相から言質を取った司令官のまずは作戦勝ち?《共同通信》

【NATO軍】サラエボ空爆

ボスニア・ヘルツェゴビナの国連防護軍(UNPROFOR)当局者は5日、北大西洋条約機構(NATO)軍が同日夕(日本時間6日未明)、サラエボのセルビア人勢力地域に対し空爆を実施、76ミリ対戦車砲を搭載した装甲車を破壊したこと明らかにした。NATO軍による空爆は、4月10日と、11日にボスニア東部のゴラジュアに対して2回実施して以来3回目で、サラエボへはこれが初めて。

空爆後、セルビア人勢力軍司令官は、空爆の原因となった国連管理下の武器集積地から奪取した重火器を6日までに返還することを約束したが、UNPROFORボスニア軍司令官は、約束が果たされなければ、再び空爆すると警告した。

セルビア人勢力議会のクライシュニク議長も武装勢力に対し奪った重火器の即時返還を命令、事態の鎮静化に懸命だが、支援を受けてきた「本国」のユーゴスラビア(セルビアとモンテネグロで構成)から政治、経済関係の断絶を突き付けられたセルビア人勢力が一層先鋭化し、今回の空爆をきっかけに戦闘が本格化する可能性もある。

今回の空爆は、セルビア人勢力が5日未明、国連管理下にあるサラエボ西部の武器集積地から戦車や高射砲など重火器を奪取したため、UNPROFORボスニア軍司令官の要請で、セルビア人勢力が重火器を運び込んだザラエボ南部に対し実施された。《共同通信》



8月5日のできごと