平成2003日目

1994/07/03

この日のできごと(何の日)

【松本サリン事件】「サリン」検出

長野県松本市の有毒ガス事故で同県警捜査本部は3日、同市の会社員(44)宅の池などから採取した水を分析した結果、化学兵器に使われる猛毒の神経ガス「サリン」と推定される物質を検出した、と発表した。

捜査本部はサリンの自然発生が考えられないことから、人為的な理由でガスが発生したとして重過失致死傷事件などの見方を強めている。

同本部は入院中の会社員の病状の回復を待って今週中にも、会社員宅から押収した薬品とサリンとの関連について本格的に事情聴取する。会社員は同日夕、弁護士を通じて録音テープで「薬品の調合などはしていない」と釈明、関与をあらためて否定した。

発表によると、捜査本部は事故翌日の6月28日末明、会社員宅の池や周辺の水などを採取し分析した結果、この池と庭の漬物用プラスチック容器、東隣の明治生命寮で亡くなった会社員Aさん(45)方のふろ場の洗面器など4カ所の水からサリンを検出した。

サリンは殺虫剤などに使われる有機リン系化合物と、フッ素化合物から合成された無臭の物質。捜査本部が殺人容疑の家宅捜索で会社員宅から押収した薬品17、8種類の中には有機リン系やフッ素系の薬品もあったとされる。

同本部は、押収した薬品からサリンを作ることが可能かどうかなど、事故との関連については「これから調べるので現段階では言えない」としている。しかし、サリンが自然界に存在しないことなどから、何らかの原因で偶然、サリンが発生した、とほぼ断定。この会社員が誤って薬品を混ぜ合わせた可能性もあるとみている。

サリンの毒性は青酸の25倍以上も強く、致死量は体重1キロ当たり0.01ミリグラムとされる。第二次大戦中にドイツが農薬から開発した神経ガスとして知られ、吸うと神経が侵され、呼吸困難などの全身症状で死亡。①瞳孔の縮小②血液中酵素(コリンエステラーゼ)の減少ーなど、今回の被害者と共通する有機リン系ガス特有の症状が出る。

遺体からはフッ素、塩素系ガスの反応は検出されず、今回の死者の遺体解剖結果と合致するという。会社員は病状の回復が順調に進めば今週中にも退院できる見通し。《共同通信》

昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。

情報量が少ない日は随時加筆中です。

引用記事は名前、住所など一部修正の上、抜粋してあります。

外国の方のお名前、地名などは現時点で一般的に通じるものに書き換えています。(例・ロシアのプーチン氏はかつてプチン氏と表記されていました)

古い記事の多くは「書き写し」のため、誤字脱字が多数あります。見つけ次第修正しています。

このサイトについて

【米紙ワシントン・ポスト】村山内閣を酷評

3日付の米紙ワシントン・ポストは、日本は経済の非常事態に対応して政策の急転回を実行できる、より強固でましな政治態勢を必要としており、村山内閣が短期間の暫定政権であることを望まざるを得ない、と目社連立政権の樹立を厳しく批判する社説を掲げた。

社説は、新内閣には権力欲以外に共通点がないという日本人もいるが、自社両党は共に日本社会が自分たちの都合の悪い方向に変わりつつあるのを知っており、そうした変化を加速する政治改革に共通の敵意を抱いていると指摘。日本経済の重大な時期に強固なリーダーシップの不在は高くつくと警告した。

特に円高について、ドルが低下しているのではなく、円の海外流出が日本の景気低迷や金融制度のもろさなどの原因で減少したことが、円不足を引き起こしていると「円高日本原因論」を展開。こうした状況下で議会の内粉しか頭にない政府を持つには時期が悪い、と村山内閣を酷評した。《共同通信》

【大相撲名古屋場所】初日

大相撲名古屋場所初日(3日・愛知県体育館)横綱昇進を目指す大関貴ノ花は栃乃和歌を右四つから万全の詰めで寄り切り、好スタートを切った。かど番大関の若ノ花のしぶとい浜ノ島を落ち着いて寄り切り白星発進。大関貴ノ浪は小城錦を、武蔵丸は小結貴闘力にそれぞれ順当勝ちした。琴錦、武双山の両関脇は快勝したが、小結の寺尾、魁皇はともに敗れた。《共同通信》

【ゴルフ・岡本綾子選手】今季初勝利

東鳩レディース最終日-(3日・千葉県オークビレッヂGC=6147ヤード、パー72)岡本綾子と高村博美が通算2アンダーの214で並び、プレーオフ1ホール目の8番で岡本がパー、高村がボギーとして決着した。岡本は今季初勝利、この大会は2年ぶり3度目の優勝で賞金900万円を獲得した。通算では国内39勝、海外を含めると57勝となった。

猛暑の中、2打差4位スタートの岡本はこの日5バーディー(3ボギー)を奪い70の好スコアで首位に浮上した。前日首位の高村博美は2バーディー、2ボギーの72。1打差の3位は具玉姫(韓国)。前週の日本女子オープン選手権優勝の服部道子は通算11オーバーで26位に終わった。《共同通信》

【テニス・ウィンブルドン選手権】最終日

テニスの第108回ウィンブルドン選手権最終日は3日、ロンドン郊外のオールイングランド・クラブで男子シングルス決勝が行われ、第1シードのピート・サンプラス(米国)が第4シードのゴラン・イワニセビッチ(クロアチア)を7−6、7−6、6−0で下して2年連続2度目の優勝を果たし、賞金34万5000ポンド(約5400万円)を獲得した。サンプラスは1985、86年のボリス・ベッカー(ドイツ)以来の連覇を達成した。《共同通信》



7月3日 その日のできごと(何の日)