平成1991日目

平成6年6月21日(火)

1994/06/21

【細川護熙前首相】証人喚問

細川前首相(日本新党代表)は21日午後の衆院予算委員会(山口鶴男委員長)に証人として出頭、佐川急便グループからの1億円借金の利息を政治献金として処理していたことについて「辞任直前に知った。利息を払ったことに違いはなく、従来の答弁と食い違いはない」と証言した。

義父名義のNTT株購入疑惑についても「義父の取引であり、私の取引ではない」と反論した。ただNTT株売却益が直接、義父には入らず、いったん細川氏の任意団体の銀行口座を通じて義父に渡ったことを認め、不明朗さを残す結果となった。

連立与党は「細川氏の疑」は晴れた」(日本新党)としているが、自民、社会両党は「ますます深まった」として態度を硬化、不信任案提出の弾みにしようとしており、会期末の攻防に影響しそうだ。

細川氏は、深山正敏元秘書が利息処理について「昨年暮れ、細川事務所に報告した」と証言したことに関連し、「事務所が利息を払ったことは間違いないので、中間(の政治献金として処理したこと)を省略して私に報告した」と説明。「重要な点について誤解を招く結果となった。大変申し訳なく、責任を取って首相を辞任した」と述べた。

NTT株購入疑惑に関しては、知人の企画会社社長桑畑祐生氏の勧誘を受け、深山氏に検討を指示したことを認めたが「私は消極的だった。たまたま義父がやりたいというので担保を提供した」と釈明。投資コンサルタント藤木周蔵氏が「細川氏の取引」と明言したことに対しても「誤解がある」と退けた。細川氏は資金運用益5700万円の納税申告漏れに関し、修正申告で決着したと述べた。

喚問は約2時間45分にわたり、冒頭に山口委員長が総括的に尋問。続いて日本新党の鮫島宗明、自民党の深谷隆司、社会党の坂上富男、共産党の松本善明の各氏が立った。

当初、与党側は「喚問決定の手続きに問題がある」と細川氏の出頭に難色。「理事会合意に従った決定で、全く問題はない」とする山口委員長や野党側との協議が難航した。《共同通信》



【社会党】政権運営の民主化を

社会党は21日午前の臨時中央執行委員会で、羽田内閣の自主的総辞職を前提とした「新たな連立政権樹立のための政権構想」案をまとめた。細川、羽田両政権樹立の際の合意事項を基本政策とし、政権運営の民主化のために、代表者会議の下の院内総務会新設や党首会談の定例化を盛り込んだ。同日、代議士懇談会を三回に分けて開くとともに、参院議員の意見を聴いた上、同日夜再び臨時中執委を開いて正式決定する。

22日にも村山委員長が羽田首相に会い、政権協議の前提となる「自主的総辞職」を追る方針だが、党内には党首会談で首相が総辞職の確約をしなければ、政権協議に入るべきでないとする意見もあり、党内調整は難航が予想される。

構想案は、憲法の尊重、民主主義と自由、公正と連帯、平和と共生を掲げ、「与党間の信義と人間的な信頼関係の確立を基礎にする」として、統一会派「改新」結成から政権離脱に至った経緯のけじめを求めた。

与党側との協議で焦点となる税制改革については、現行消費税の「改廃」を求め、間接税の税率引き上げを容認するとともに、今年中に関連法案を成立させることを宣言している。

朝鮮半島問題では、平和的手段で解決することを基本とし、米国、韓国、中国、ロシアなど近隣諸国と協調して朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に対話と説得を行うこととしている。

衆院小選挙区の区割りに関しては「審議会勧告を尊重し、次の国会で成立させる」とし、秋の臨時国会に先送りした。《共同通信》

【自民党】羽田内閣不信任案提出へ

自民党は21日夜、国会内で五役会議を開き、羽田内閣不信任案の提出方針を22日午後の臨時役員会、臨時総務会で党議決定することを決めた。これに先立ち、河野洋平総裁が党内各派閥指導者に理解を要請。各派も当選期別の会合などを開き不信任案否決に回らないよう引き締めを図った。《共同通信》

【政界談話室】

○…「東大生は核兵器が造れる」と発言した羽田首相は21日、参院予算委員会で自民党議員から「他国に誤解を与える」と指摘されて「自らの発言には注意しなければならないとこの2日間思い知らされた」と反省の弁。しかし、この後は「ちゃんと伝えてくれよ」と矛先を記者団に向け「ぶら下がり(歩きながらの取材)はやめよう他の方法を考えよう」と逆提案。「言語多量、意味不明」と言われる一方で、このところ明らかな失言が目立つ羽田首相。「ようやく言葉の重さに開眼したか」とは記者団の声。

○…新生党の渡部代表幹事代行はこの日、都内で講演し、今後の政権の課題として行政改革を挙げ「今の官僚は52、3歳で退任している。天下りはけしからんというが、人生80年時代に人権無視のような話になる」と、公務員の“65歳定年制”を提唱。「お互いが明るい希望を持って生きていけるように、連立政権は21世紀に向けたビジョンを作る」と力説した。その一方で、国会議員は「引き取り手がないので死ぬか落選するまで辞められない。だから土下座してでもあといっペんとなってしまう」と、永田町は別世界と強調することしきり。《共同通信》

【天皇、皇后両陛下】ロス市民らと交流

ロサンゼルス滞在中の天皇、皇后両陛下は21日午後(日本時間22日未明)、市内のレストランで開かれた昼食会に出席。リオダン市長が招いた黒人やユダヤ系、メキシコ系、日系、中国系などの市民と交流された。

天皇陛下はこの席で「ロサンゼルスはさまざまな文化的背景を持つ人が活気に満ちてともに活動していると聞いています。さらに発展することを祈ります」などと述べられた。

夜は郊外のレーガン元大統領の私邸を訪問された。両陛下は元大統領夫妻と記念撮影の後、お茶を飲みながら歓談。天皇陛下が「大統領として苦心されたことが実を結んでいますね」と話し掛けると、レーガン元大統領は「光栄です」とこたえたという。

市内リトルトーキョーの一角にある日米文化会館では、日の丸と星条旗を手にした約2000人の日系人、在留邦人に手を振った後、代表者と懇談。陛下は「(日本の)戦後の復興に、物心両面で援助されたことに感謝します」とあいさつされた。

これに先立ち、両陛下はロス近郊のハンティントン・ライブラリーを訪れ、リンカーン直筆のゲティスバーグ演説の原稿などを見学。皇后さまは日系の小学生からプリンセス・ミチコと名付けられたパラの花束を贈られて笑顔を見せていた。《共同通信》



6月21日/のできごと