平成1990日目
1994/06/20
この日のできごと(何の日)
【天皇、皇后両陛下】ロサンゼルス入り
米国訪問中の天皇、皇后両陛下は20日夕(日本時間21日朝)、コロラド州デンバーから、米西海岸最大の都市ロサンゼルスに到着された。
空港では、ウィルソン・カリフォルニア州知事、リオダン・ロス市長らが両陛下を出迎えた。「二世クイーーン」の日系女性ナオミ・オノさん(23)が皇后さまに花束を贈呈。日米の小学生約100人が日米両国旗を振って両陛下を歓迎した。同日夜には、カリフォルニアの政、財界などから約650人が出席して歓迎晩さん会が開かれた。
これに先立って同日午前、両陛下はデンバーの中心部にある日本人街「サクラ・スクエア」を訪問。皇后さまに「何年生まれですか」と声を掛けられた上西カネさん(92)が「明治35年です」と答えると、陛下が即座に「それでは92歳ですね」と応じ、周囲がびっくりする一幕もあった。
同スクエアには、第二次大戦中、強制収容を迫られた日系人を同州に快く迎え入れたラルフ・カー元知事の胸像が建っているが、両陛下は胸像の前にたたずみ、当時をしのばれた。
ローマー州知事主催の昼食会でも「過去の難しい時期に示された日系人に対する温かい好意に思いを致しながら、杯をあげたい」とカー元知事に言及された。コロラド州在住の日系人、日本人との集まりでは、陛下は「当地で心のこもった歓迎を受けたのも、日系人の皆さんが困難を乗り越え、社会に貢献してきた結果であり、大変うれしく思います」と述べられた。《共同通信》
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【社会党】「(羽田内閣)自主的総辞職」迫る
羽田内閣の不信任決議案をめぐる与野党の攻防が20日、激しさを増してきた。社会党は同日夕の首脳協議で予算成立前の22日にも羽田首相と村山委員長のトップ会談を開き、政権協議の前提としている「自主的総辞職」要求に対する首相の回答を迫る方針を固めた。
村山委員長はこれに先立ち同党の元議員の集まりで、羽田内閣が自主的総辞職に応じない場合は、社会党が不信任案を提出する可能性を指摘。不信任案が成立し、羽田内閣が解散を避けて総辞職を選んでも、現行制度での衆院解散・総選挙を前提に自民、社会両党中心に「選挙管理内閣」を目指す考えを初めて表明した。《共同通信》
【新生党・小沢代表幹事】「中選挙区解散は政治改革つぶし」
新生党の小沢代表幹事は20日午後、国会内で記者会見し、村山社会党委員長の衆院解散・総選挙による政局打開論に対して、「ここで(中選挙区制で)総選挙をするなら政治改革をつぶすことになる。そういう選択は自殺行為であり、あり得ない」と強く反発した。
小沢氏は「解散・総選挙の積極的な理由はあるのか。政治改革がようやく完結しようとする時になぜ解散するのか。どうしても(解散)したいのなら、もう少し待てばいいではないか」と述べ、次期総選挙は区割り法成立を待って新選挙制度の下で行うべきだ、との考えを示した。《共同通信》
【翫正敏参院議員】東京スポーツも弾圧?
JR東日本が駅売店での週刊文春の販売を拒否した問題に関連して、20日の参院法務委員会で翫正敏議員(護憲リベラルの会)が「東京スポーツ」(本社東京)がJR東日本をめぐる記事でおわびを掲載したことについて取り上げた。
翫議員によると、東京スボーツは5月25日付紙面から3回にわたり、評論家菊池久氏の連載記事で、6月末のJR東日本株主総会に絡む情報や労務問題などを掲載、その後6月3日付でおわびを掲載した。翫議員は、この過程でJR東日本が売店での販売停止などの圧力をかける言論弾圧を行ったのではないか、と述べた。
翫議員の質問に対し、運輸省側は「掲載の事実は把握しているが、経緯は承知していない」と答弁、週刊文春も含めた販売拒否問題について「当事者間の問題で、行政として判断、調査する立場にない」と答えた。
これについて、東京スポーツは「記事に対し、JR東日本から『事実と違う』と指摘があり、菊池氏に確認、一部に事実誤認があったことが分かったため、菊池氏の名でおわびを出した。JR側からの圧力とは受け止めていない」と話している。《共同通信》
【政界談話室】
○…羽田首相は20日、記者団から世論調査で不支持率が上がったことについて感想を求められると「ほかの調査では上がっているのもあるし、気にしない」。間近に迫った国会会期末までの決意を尋ねられても「一日一生だ」といつもの言葉を繰り返し、「失敗も今までの内閣と比べても一つもない。重要課題にも取り組んでいる」と自画自賛した。しかし、その直後には「少数与党政権だし、じたばたしてもしようがない」よ本音がポロリ。最後は「国のことを考えれば支持してくれるはずだ」と自らに言い聞かせるよう。首相の心境は複雑らしい。
○…この日、新党さきがけの武村代表は都内の講演で次期総選挙に向けた党の候補者選考状況について「先々週ぐらいから面接作業を始めた。数を頭に置かないで人を選んでいきたい」と説明。人選基準では「若ければいいということではない。各界の現場で頑張ってきて、人生の後半、最後を政治の分野で活躍してやろうという人なら60歳でもいい」と“やる気”が基準との立場を強調した。ただし「なったら死ぬまでやる、いや、死んでも二世、三世でやるというのはどうかと多選志向はご法度との考え。出遅れ気味だが人選は慎重に進めたい様子。《共同通信》