平成1970日目

平成6年5月31日(火)

1994/05/31

【羽田内閣】資産公開

羽田首相と20閣僚、および辞任した永野前法相の資産が31日、公表された。本人、同一家計の家族の所有資産を公開対象としている。

閣僚本人の資産は、共同通信社調べによる時価換算の「実勢価格」で、鳩山労相(無所属)が84億6000万円と抜きんでたトップ。2位は藤井蔵相(新生党)で8億7000万円、3位は5億4000万円の柿沢外相(自由党)と続いた。

鳩山労相は実勢価格で57億7000万円の株式と17億4000万円の預貯金が資産の大きな部分を占めている。藤井蔵相、柿沢外相は東京都港区、新宿区などに持つ宅地、建物が資産の大半を占める土地長者。

閣僚の本人資産合計は実努価格で133億3000万円、土地の固定資産税標準額などに基づく「公開価格」で32億2000万円。細川前内閣に比べ実勢価格で約2.4倍、公開価格で約2.6倍だった。

大資産を持つ鳩山労相の入閣という事情はあるものの、下位は公明、民社両党が占めるなど、社会党の政権離脱で新生党をはじめ「資金力」のある旧自民党系の閣僚が増えた事情を知実に反映している。

家族分を含めた実勢価格の資産合計は152億6000万円。加藤農相や佐藤北海道、沖縄開発庁長官、熊谷官房長官の場合は、夫人などの家族が閣僚本人に匹敵する資産を持っている。

資産内容をみると売買可能なゴルフ会員権を持っている閣僚数は11人、実勢売買価格の合計は3億9000万円で、いずれも細川前内閣の倍以上となっている。

貸付金があるのは新生党の加藤農相の8400万円を筆頭に石井自治相、羽田首相、佐藤北海道、沖縄開発庁長官の新生党の4人。加藤農相の場合、夫人が3倍近い額を貸している。借入金では、羽田首相が前内閣での外相就任時の資産公開で、夫妻合わせて7000万円を公表漏れしていたことが分かった。

資産の少ない順にみると、目立つのは公明、民社両党の閣僚で、本人資産の実勢価格では日笠郵政相(公明党)が1500万円と最も少なかった。これに3900万円の二見運輸相(同)、4100万円の中井法相(民社党)、4300百万円の森本建設相(公明党)と続いている。

閣僚の資産公開は中曽根内閣が昭和59年1月に実施して以来、今回で14回目である。《共同通信》



【細川護熙前首相】襲撃事件から一夜

襲撃事件から一夜明けた31日午前8時半すぎ、細川前首相は東京都渋谷区の自宅玄関前に姿を見せた。

記者が「昨夜はよく眠れましたか」と質問すると、すぐに「はい」とはっきりとした口調で答えた。前首相は紺のスーツ姿。周りを警護のSPや秘書らに取り囲まれ、やや緊張した様子。

「襲撃の理由が侵略戦争発言とのことだが」と問われると、少し間を置いて考えた後「いろいろな考えの人がいますからね」と、いつもの落ち着いた表情に戻って話し、車に乗り込んだ。前首相の自宅周辺は制服、私服の警官約10人が警戒して見回るなど物々しい雰囲気だった。

前首相は午後、衆院本会議に出席。開会よりやや遅れて議場に入って議席に向かう間に、無所属の楢崎弥之助氏と握手を交わし、最後列の席に着いた。その直後から細川氏の席の周辺に握手を求める議員たちが次々と集まり、本会議終了前には武村前官房長官も細川氏の肩を軽くたたいた後に握手、久しぶりに「注目の人」となった。《共同通信》

【自民党】小沢氏喚問を要求

自民党は31日午前の衆院予算委員会理事会で、大手総合建設会社(ゼネコン)疑惑などに絡み小沢一郎新生党代表幹事を証人喚問するよう要求した。小沢氏の喚問を連立与党は拒否しているが、既に共産党が要求。社会党も持ち帰って検討するとした。

自民党は喚問の理由として①一連のゼネコン疑惑との関連②政治資金問題③権力の二重構造の解明の必要性を挙げた。

また与野党はゼネコン汚職に関する集中審議の形で羽田首相、藤井蔵相らの出席を求め、一般質疑を6日に行うことを決めた。《共同通信》

【社会党・村山富市委員長】小沢氏喚問に積極姿勢

社会党の村山委員長は31日夕、那覇市で記者会見などを行い、ゼネコン疑惑に絡む小沢新生党代表幹事の証人喚問問題について「ゼネコン疑惑はまだ解決されたわけではない。疑惑解明は国会の責任だ」と述べ、小沢氏の国会喚問も含めて疑惑究明に積極的に取り組む考えを示した。

村山氏は、羽田内閣に対する不信任決議案提出問題について、証人喚問問題に関する連立与党の態度に加え、①細川前首相の佐川急便疑惑への対応②安全保障問題に対する羽田内閣の姿勢③税制改革の結論―などの具体的な判断基準を挙げ、内閣の出方次第では社会党自らが不信任案を出すこともあり得ることを強調。不信任案が成立した場合は「憲政の常道としては主権者の判断を求め、出直すのが当然だ」と述べ、衆院解散・総選挙を強く求めた。《共同通信》

【羽田孜首相】区割り法案に意欲

羽田首相は31日夜、東京・内幸町の日本記者クラブで記者会見し、次期総選挙について「一日も早く、区割り作って、新しい制度の下で解敗するのがましい」述べ、衆院小選挙区の区割り法案をできるたけ早く成立させた上で実施したいとの考えを表明した。

また首相は、税制改革について「直接税から、もう少し幅広く負担してもらうことが重要だ。6月末までに方向を出し、今年中に法案を通過させなければならない」と述べ、消費税率引き上げを焦点とする抜本的税制改革の年内実現にあらためて意欲を強調した。

さらに首相は、税制改革への国民の理解を得るための環境整備の一環として、公共料金値上げの年内凍結コストの点検や、行政改革に取り組む姿勢を示した。

公共料金値上げの年内凍結について、首相は「(来年)1月から、いっぺんに上がるものじゃない」と述べ、部分的延長もあり得るとの考えを示唆した。

首相は、少数与党政権としての今後の羽田内閣の見通しについて「日本が当面する課題は、自民党でも社会党でも新党さきがけでも避けて通れない問題であり、自民、社会両党に協力していただけると確信している。政局は多少動いたとしても、大きな変化は起こらない。安定してくる」と述べ、政策面で自社両党の協力を求める中で政局は安定してくるとの自信を示した。《共同通信》

【政界談話室】

○…羽田首相は31日、世界禁煙デーにちなんで記者団から「たばこは好きか」と水を向けられると、「いや、ぼくはあんまり吸わない」と歯切れの悪い返答。記者団がこの日から禁煙週間が始まったことを指摘すると、急に思い出したように「あっ、そう。そういえば今日の閣議の時も、灰皿がなくなっていたなあ」と相づちを打った。すかさず記者団が「野党をけむに巻くことは?」と突っ込むと、首相は「ぼくは、野党をけむに巻くようなことはしないよ」ときっぱり否定し「嫌煙姿勢」を強調。モットーとする「誠心、誠意」ぶりを懸命にアピールしていた。

○…自民党の河野総裁はこの日、党本部で党五役とともに新会長に就任した豊田章一郎氏ら経団連幹部と会談した。河野氏は「日米貿易摩擦にも十分対応したい」と日米関係の改善への協力を約束。規制緩和問題についても「業界にとっては痛みを伴い、企業の死活問題ともなる。注意深く、着実な改革をやらなければならない」と財界の立場に理解を示し、エールを送った。下野以来、企業献金自粛問題などで財界とは疎遠な状態が続いていただけに、経団連の急接近に河野氏も満足げだった。《共同通信》



5月31日のできごと