平成1908日目
1994/03/30
この日のできごと(何の日)
【藤木周蔵氏】NTT株取得「首相自身の取引だった」
細川首相の義父名義によるNTT株取得を指南した、と名乗り出た投資コンサルタントが30日、国会内で記者会見し「首相自身の取引だった。(株取得当時)細川氏の秘書は、現職の知事なので名義は別の人にしたいと言っていた」と証言した。
この日の衆院予算委で、松本善明氏(共産)がこの証言を基に追及したが、細川首相は義父の上田正平氏(故人)の取引だったとするこれまでの答弁を繰り返した。
証言したのは藤木周蔵氏(60)=東京都内在住。会見は自民党がセットし、同党疑惑調查特別委員会の松永光委員長らが立ち会った。
藤木氏によると、株取得は同氏の知人で、首相側近の人物が昭和61年秋、熊本県知事だった首相に持ち掛けた。融資を受けるため首相の当時の秘書深山正敏氏とともに東京都内の証券金融会社を訪ねた際、深山氏は「細川は現職の熊本県知事であり、(融資の受け皿となる)口座名は他の方でもいいでしょうか」などと融資先の責任者に話していたという。
藤木氏は「資金の借り入れや応札の実務はすべて細川氏の取引という前提で動いていた。そうでなければ、金融機関も融資しなかったはず」とし、上田氏の取引だったとの首相の国会答弁を強く否定した。
一方、この日午後の衆院予算委での松本氏の質問に対し、首相は「藤木氏とは面識もないし(NTT株取引の)ご相談を受けたこともない」と、藤木氏の指摘を強く否定した。《共同通信》
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【島崎遥香さん】誕生日
【細川護熙首相】1億円返済を強調
衆院予算委員会は30日、1994年度暫定予算案の審議を行い、賛成多数で可決、暫定予算案は衆院を通過し参院に送られた。暫定予算案は31日に参院で審議し可決、成立する。
細川首相は佐川急便からの1億円借金問題に関し「根抵当権の設定、解除が返済の証拠だ。佐川側の貸付台帳などからも完済は明らか」と強調、熊本県知事選に絡む裏金ではないかとの疑惑を強く否定した。NTT株の取引をめぐり証券コンサルタントが同日の記者会見で、首相自身の取引だと指摘したことに対しても、「コンサルタントとは面識もなく、事実ではない。私は関知していない」と述べ、義父の取引だとの従来の主張を繰り返した。《共同通信》
【自民党】「刷新の会」発足
自民党の強力な指導体制を求める政策集団「刷新の会」(会長・中山太郎元外相、衆参両院議員182人)の設立総会が30日午前、党本部で開かれた。総会では「自民党の古い政治体質と決別し、戦う政治集団として行動する」(中山会長)と発足の目的を掲げ、細川連立内閣の総辞職と政権奪還を目指す方針を確認した。
中山氏は総会後の記者会見で、河野執行部へのスタンスについて「是々非々で臨む」と述べ、執行部が細川政権打倒のための明確な方針を打ち出さない場合は厳しい態度で臨む可能性があることを示した。
当面の活動は首相の佐川急便グループからの1億円借入金問題の真相究明と責任追及に全力を挙げる。また5月の東京を皮切りに、全国各地で対話集会を開催するほか、政策提言も行うことも決めた。
この会は選挙制度改革に慎重な議員でつくった「政治改革推進議員連絡協議会」が母体となり発足、総会には115人(うち代理40人)が出席した。《共同通信》
【政界談話室】
○…細川首相は30日の衆院予算委員会で、秘書を務めていた日本新党の長浜博行氏から佐川急便からの借入金疑惑について質問を受けた。長浜氏は「有権者にも素朴な疑問がある」と同党支持者の間にも疑問が広がっている実情を訴え、釈明を求めた。首相は「(借金については)知り合いなどに相談することが多い。私の場合は佐川だった」などと説明。続いて質問に立った自民党の越智通雄氏から「首相の元秘書も本当に返したのか疑問を持っている」と皮肉られ、この後は記者団の質問にも「ノーコメント」を繰り返し、終始ぶ然。
○…自民党の深谷隆司衆院予算委筆頭理事はこの午後、記者クラブに現れ、細川首相本人がNTT株購入に関与したと証言する投資コンサルタントが記者会見することについて「首相の国会答弁を聞いて義憤を抑えきれなくなって会見することになった」と前宣伝。国会招致の可能性については「今日の記者会見や参院予算委の集中審議を踏まえ、どうするか検討する。遠くない時期に決まるだろう」と強力な証言者として要求する構えをみせ、首相追及への有力な証言、獲得に満足げだった。《共同通信》
【第66回選抜高校野球大会】第5日
第66回選抜高校野球大会第5日は30日、甲子園球場で1、2回戦3試合を行い、PL学園(大阪)が金沢(石川)を倒して2年ぶりにベスト8入り、春夏通じて甲子園初出場の桑名西(三重)が星稜(石川)を退け、2回戦に進んだ。このほか、神戸弘陵(兵庫)が高田商(奈良)を3−1で破り、春夏通じて初の8強進出を果たした。《共同通信》
【JRグループ】2年連続の減収減益
JRグループ旅客6社と貨物1社は30日、平成6年度の事業計画を発表した。7社合計の売上高は5年度計画に比べ539億円(1.2%)減の4兆5397億円、経常利益は57億円(2.6%)減の2099億円を見込み、2年連続の減収減益となる。
不況で旅行や出張に出掛ける人が減る見通しであることが悪化の原因だが、低金利の影響などで、減益幅は17.2%減だった5年度計画より小幅となった。
売上高は、関連事業収入の増加を見込んだ西日本が0.2%増としたほかは、いずれも減収を予想。定期券収入は安定しているが、長距離を中心とする定期以外の旅客運輸収入が減る。
各社とも大都市駅の改札の自動化や、車両の点検作業の機械化などの合理化を進める。人件費は貨物以外の6社で増え、営業損益段階では九州と北海道を除き減益。経常利益は、低金利による支払利息の減少で営業外収益が増える東日本、東海、西日本の大手3社が5年度とほぼ同水準、残る4社が減益となる。
各社別では、JR東日本は在来線の収入は増えるが、新幹線部門が減り、売上高は1.6%減。JR東海はリゾート地への旅行者の減少から在来線の収入減が大きく、売上高は1.0%減に。JR西日本は定期券以外の旅客収入がわずかに減ったが、関連事業収入が増え、売上高は0.2%の増加。だが9月に開港する関西国際空港の線路の使用料が加わるため、営業損益は3.16%の減少予想。
設備投資は7社合計で5年度計画に比べ0.2%減の6380億円。東日本は1.4%増で、東京郊外の駅に自動改札機を導入するなど、首都圏への投資が中心。東海は「のぞみ」用車両の導入が一段落したため14.3%減、西日本は関西国際新空港と大阪の中心部などを結ぶ新しい特急車両の導入などで、27.3%の増加となった。《共同通信》