平成1902日目

平成6年3月24日(木)

1994/03/24

【韓国・金泳三大統領】来日

細川首相は24日夕、東京・元赤坂の迎賓館で国賓として初来日した韓国の金泳三大統領と1時間半にわたって1回目の首脳会談を行った。

大統領は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の核開発問題をめぐる朝鮮半島情勢について「韓国の忍耐にも限度がある」と厳しい対応を強調。両首脳は、国際社会が北朝鮮に対し、強い姿勢を示すことが避けられないとの認識を示す一方で、「対話の窓を開けておく必要がある」として、今後とも日米韓3国の協力が重要だとの考えで一致した。また今後の日韓関係については、過去の歴史を踏まえつつ「未来に向かう日韓関係」が重要であることを再確認した。

大統領は核開発問題に対する北朝鮮の姿勢を厳しく批判するとともに、国際社会が一致結束して対応する必要性を強調。首相は「国連安保理で措置が取られれば、憲法の範囲内で責任ある対応を取る」との決意を改めて示した。大統領は今後の情勢について「偶発的な状況が起こる可能性も念頭に置いて万全の安全保障体制を備えている」と述べ、態度を硬化させている北朝鮮の姿勢をけん制した。

その一方で大統領は「北朝鮮が現実を直視して態度を変更してほしい。対話の窓を開いて置きながら誠実に対応するつもりだ」とも述べ、北朝鮮の柔軟な対応を促した。首相も「対話の窓を残しつつ、段階的な対応が重要だ」と指摘、両首脳は今後とも日米韓が協調して対処する方針を確認した。

首相は「過去の歴史の真実を直視した上で、日韓の多様化、国際化が重要だ」と指摘したのに対し、大統領は「過去に拘泥することなく未来志向の両国関係に一持っていかないといけない。未来に向けた日韓関係はアジア、世界にとって意味がある」と述べ、変革を掲げる両首脳は、人的、文化的交流の促進で、未来志向の成熟した日韓関係を構築する決意を新たにした。

こうした認識に立って、首相は①在サハリン韓国人の永住帰国問題②従軍慰安婦に対する措置―などの解決に全力を挙げる考えを示した。《共同通信》

国賓として来日した金泳三韓国大統領を歓迎する天皇、皇后両陛下主催の宮中晩さん会が24日夜、皇居・宮殿の大食堂「豊明殿」で開かれた。

天皇陛下は席上「わが国が朝鮮半島の人々に多大の苦難を与えた時期がありました。先年、私の深い悲しみを表明しましたが、今も変わらぬ気持ちを抱いています」と、盧泰愚前大統領来日時(平成2年)のお言葉を踏まえる形で戦争被害に言及するとともに「歴史への深い反省」に基づいた友好の増進を強調された。

金大統領も「これ以上、過去が未来を束縛してはならない。過去は在りのままに直視し、歴史が与える教訓を受け入れるとき、新しい日韓関係が開ける」など、と述べ、両国関係の「新時代」を印象づける互いのスピーチとなった。

晩さん会には日本側から両陛下をはじめ皇太子さまら皇族方や細川首相ら閣僚など、韓国側からは大統領夫妻や金商工・資源相ら双方合わせて約150人が出席した。

午後7時半、大統領夫妻は宮殿の正面玄関「南車寄」で両陛下の迎えを受け、韓国民謡「故郷の春」のメロディに乗って豊明殿に入場、メーンテーブルに着席した。宮内庁楽部が、大統領の好きな「アリラン」「トラジ」などの韓国民謡や朝鮮系の雅楽「八仙急」を演奏する中、出席者はタイの酒蒸しや若トリのくん製などのフランス料理を楽しみ、約1時間半にわたり歓談した。

宴の終わり近く、天皇陛下が立ち上がりスピーチ。韓国国歌が演奏され乾杯した後大統領が答辞を述べた。《共同通信》



【政界談話室】

○…細川首相は24日、日切れ法案を審議する衆院本会議に出席するため今月初旬以来久々に国会入りした。首相自身の佐川急便1億円借金問題が審議入り遅れの原因だっただけに官邸を出る際、記者団に国会入りの感想を聞かれるとムッとしながら「特にないねえ」と一言。さらに空転した国会とは対照的に、訪中、韓国の金大統領来日と順調な外交日程に「華やかな舞台が続いてるが、ゴタゴタの内政より外交の方が得意か」と皮肉な質問を受けると、後は苦笑いするだけだった。

○…連立与党の政務、政策両幹事会のメンバーはこの日、都内のホテルでモンデール駐日米国大使と意見交換会を開いた。メンバーは早めに席に着いていたため野坂社会党国対委員長は「(大使に)どうぞお座りくださいとでも言うんだろうか」とソワソワ。これを見ていた中野民社党政審会長が「今、国会がモンデール(もめている)と言ってください」「与党内もモンデールだ」と空転の続く国会や統一会派問題で揺れる連立与党に引っかけただじゃれを連発、場を沸かせた。しかし、実際、大使が来ると至極まじめに対応。さすがに「日米関係がモンデールになるのはまずい」と思った?《共同通信》

【赤松良子文相】投球練習

春の選抜高校野球の始球式に備えて、赤松文相は24日、東京・霞が関の文部省中庭で投球練習した。「運動は全く駄目」と自認する文相だが、腕や足を高く振り上げる堂々のピッチングフォームに、見守っていた文部省職員も拍手を送った。投球距離は本来の約半分の10メートルだったが、16球を投げ込み、ストライクが半分以上。「本番も四分六でストライク」(文相)と自信をのぞかせた。

昨年の森山文相に続いて、今年もコーチを買って出た元阪神タイガースの投手、江本孟紀参院議員(スポーツ平和党)も「あの投げ方とパワーなら大丈夫」と太鼓判を押した。《共同通信》

【大相撲春場所】12日目

大相撲春場所12日目(24日・大阪府立体育会館)横綱曙が敗れるなどして貴ノ花、貴ノ浪の両大関と平幕の貴闘力の二子山部屋の3人が2敗でトップに並んだ。曙は小城錦に送り出された。小城錦は横綱初挑戦での金星奪取。2敗同士の大関貴ノ浪—関脇琴錦は、貴ノ浪が小手投げで辛勝した。貴ノ花は春日富士を落ち着いて突き出した。大関武蔵丸は旭道山を寄り切り9勝目。2敗力士を1差で追うのは曙、武蔵丸、琴錦、安芸ノ島の4人。《共同通信》

【米・クリントン大統領】疑惑を否定

クリントン米大統領は24日夜、ホワイトハウスで記者会見し、焦点なっている大統領夫妻の土地開発・不正融資疑惑(ホワイトウォーター疑惑)の解明のために「初めて公職に就いた1977年から3年間の所得申告書を25日に公表する」と言明するとともに、これまで約6万9000ドル(約740万円)としてきた土地投資に絡む損害が約4万7000ドルだったことを明らかにした。

疑惑のために支持率が落ちてきている大統領は、夜のゴールデンタイムに全米にテレビ生中継された会見で「ヒラリー(夫人)とともに、何も悪いことはしていないし、隠してもいない」と再三強調し、疑惑を必死で全面否定した。

大統領は、疑惑の隠ぺいや調査への介入について「全く関与していない」と述べ、またアーカンソー州知事時代から、職務を忠実に果たしてきたと強調。ヒラリー夫人に対する批判に対しても、弁護士以外の活動は無償で行ってきたことなどを例に挙げ「この21年間、倫理観を問われることはなかった」と強く弁護した。

大統領は、疑惑解明のためのフィスク特別検察官の調査には「全面協力している」とし、大統領本人に対する召喚など含め「いかなる決定にも協力する」と述べた。また大統領は「自分の職務は(提起される)疑問に答え、犯罪抑止や健康保険制度改革など、国のために仕事をすることだ」と決意を示した。

大統領は25日からの議会休会と、自らの約一週間の休暇を前に、内外の問題全般について所得を表明することを生会見の狙いとしていたが、浴びせられた20余りの質問の大半は疑惑と側近らの倫理観に関するものに集中、事実上「疑惑の弁明会見」となった。《共同通信》



3月24日のできごと