平成1886日目
1994/03/08
この日のできごと(何の日)
【東京地検】中村喜四郎前建設相の逮捕状請求
ゼネコン汚職「政界ルート」で東京地検特捜部は8日、あっせん収賄容疑で自民党衆院議員の中村喜四郎前建設相(44)=茨城3区=の逮捕状を東京地裁に請求、これを受けて同地裁は内閣を通じて国会に逮捕の許諾を求めた。閣議決定後、衆院の議院運営委員会に付託され、9日午後から秘密会で審議を開始、最終的に本会議で許諾の可否を議決する。
国会議員の許諾請求は戦後15件目で、昭和42年の大阪タクシー汚職以来、26年2カ月ぶり。中村前建設相は弁護団を通じ「あえて逮捕許諾請求を受ける道を選び、裁判でその黒白と本件の真相とを明らかにすることを決意した」との声明を発表した。
逮捕状請求に続いて特捜部は同日夕、東京都千代田区永田町の衆院第二議員会館の中村事務所など5カ所を一斉に家宅捜索、強制捜査に乗り出すとともに、贈賄容疑で鹿島前副社長のA容疑者(67)=公判中=を再逮捕した。
昨年3月の金丸脱税事件を端緒に地方自治体を舞台に展開してきた捜査は中央政界に波及、重大な局面を迎えた。《共同通信》
細川首相「遺憾」
26年ぶりに国会議員に対する逮捕許諾請求が8日、土井衆院議長に提出された。中村喜四郎前建設相が所属する自民党の河野総裁は「疑いをもたれたことは極めて遺憾だ。重く受け止めなければならない」と眉間の縦じわを深くし、細川首相は「極めて遺憾だとのひと言に尽きる」と切り捨てた。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
情報量が少ない日は随時加筆中です。
引用記事は名前、住所など一部修正の上、抜粋してあります。
外国の方のお名前、地名などは現時点で一般的に通じるものに書き換えています。(例・ロシアのプーチン氏はかつてプチン氏と表記されていました)
古い記事の多くは「書き写し」のため、誤字脱字が多数あります。見つけ次第修正しています。
【細川護熙首相】経済改革に意欲
国会は8日午前10時すぎから、参院本会議を開き、細川首相の施政方針演説に対する二日目の各党代表質問を行った。細川首相は、消費者の間にコメ不足感が高まっていることについて「政府として3月は国産米の売却量を増やした。全体的な供給量に不足はない。(外国産米との)ブレンド販売の積極的活用など(不足解消のため)最善の措置を講じているところだ」と述べ、政府として不足感解消のため必要な措置を取っていることを強調した。また首相は、改めて政権維持に強い意欲を示した。自民党の山本富雄参院幹事長がただしたのに対する答え。
山本氏は首相の政治姿勢を厳しく批判するとともに、コメ不足、外交問題など内外政全般について、首相を追及した。
これに対し、首相はコメ不足問題に関し、鎮静化の観点から政府として国産米の供給量を増やすなどの措置を取ったことを明らかにした。また首相は、政局や政界再編の行方について「穏健な多党制に収れんしていく」と述べるとともに、「自民党の一党長期支配による硬直化の打破が、連立政権を誕生させた国民の期待だ」と述べ、改めて経済改革などの課題に取り組む意欲を強調した。このほか首相は、年内の税制改革実現を強調した。
参院選挙制度に関しては「衆院の改革を踏まえ、二院制の趣旨が生かされることを基本として、参院各党派で改革論議が進められることを期待する」と述べた。《共同通信》
【政界談話室】
○…細川首相は8日、国産米とのブレンド販売が義務化されたタイ米について「食べたことはあります」と答えたものの、消費者に敬遠される理由となっている風味やにおいを聞かれると「それは支障のある話ですから」と微妙なコメント。連立与党では首相のぶち上げた「大会派構想」をきっかけに首相と武村官房長官の不仲が表面化するなど亀裂が深まったまま。記者団が「次の選挙はブレンド(大会派)か」と意地悪質問すると「その議論はしばらく凍結だね」。政党のブレンド話の方はもうこりごり?
○…自民党はこの日の衆院本会議の代表質問に、当選2回で、鈴木善幸元首相の長男の鈴木俊一氏を立てた。通常国会で2回生が代表質問に立つのは「極めて異例」(国対筋)とあって、鈴木氏は「緊張してますよ。荷が重い」と本会議場に。「パフォーマンス嫌いですから、下を向いて淡々と(原稿を)読んできます」との予言通り、地味だった父親譲りの質問だった。そもそも鈴木氏は「国対委への出席率が良くて、精励しているので抜てきされた」(小里国対委員長)とのこと。若手議員を取り込みたいとの執行部の思惑もありそうだ。《共同通信》
【テレビ朝日】最終チェックせずに放送
昨年9月に放送されたテレビ朝日の報道番組「ザ・スクープ」をめぐる虚偽報道で、問題となった番組「死刑囚の臓器が売買されている!?中国の処刑場に潜入追跡」が放送中も制作プロダクションによる編集作業が続けられ、最終的なチェックがないまま放送されていたことが8日、関係者の話で明らかになった。
同番組の放送中に続けられた編集作業は、東京・六本木のテレビ朝日の局内スタジオで行われたが、テレビ朝日側の担当プロデューサーは、番組放送中に続けられた編集作業に一切立ち会っていなかったという。
関係者の話などによると、番組の本編集がスタートしたのは放送日前日の昨年9月10日。約50分の番組を5ブロックに分けて、映像に効果音やモザイクなどを入れる作業が2日間にわたって続けられた。しかし放送前までに完成せず、後半の2ブロックは、放送と並行して編集作業の追い込みが行われた、という。《共同通信》