平成1871日目
1994/02/21
この日のできごと(何の日)
【細川護熙首相】早期改造を正式表明
月末にも内閣改造に踏み切る意向を固めている細川首相は21日昼、村山社会党委員長、大内民社党委員長(厚相)と会談し、第3次補正予算と政治改革協議に区切りをつけ「月内を含めて早く内閣改造を行いたい」との考えを正式に表明した。
早期改造に慎重な両委員長に、首相が直接協力を要請したのは初めて。20日の武村官房長官との会談で、武村氏が官房長官職に固執しないとの判断を伝えたことや、新党さきがけ、社会党が改造容認姿勢に傾いたことから、連立与党内の調整を進めたものだ。
首相は28日か来月初めには改造を終えたい意向とされるが、最終的には与野党の政治改革修正協議の進展を見極めた上、改造日時を決断する方針。半数程度を代える中規模の改造となる見通しだ。《共同通信》
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【藤谷美和子さん、大内義昭さん】シングル「愛が生まれた日」発売
【政界談話室】
○…細川首相は21日の衆院予算委員会で、地元の旧肥後藩(熊本県)の教育理念を問われ「18世紀に、(藩主)細川重賢侯が藩校として時習館を設立した」と、細川家の先駆性を強調。「橋は川上だけでなく川下にも架けなければならない」と述べ、武士階級だけでなく農、工、商の各階級にも教育機会を広げた功績を自賛した。自民党の石橋一弥元文相の質問に答えたものだが、何やら首相の政権操縦術にもつながりそう。小沢・新生党代表幹事と武村官房長官の双方に橋を架け、一方が流れても、もう一本あるから大丈夫との判断か。
○…民社党の米沢書記長はこの日の記者会見で、社会党、新党さきがけとの統一候補構想について「偉い人の話。武村さんが主人公かな。気の合う人が、そうだな、と言っているんだろう」と、反小沢色を強める大内委員長を念頭に強烈な皮肉を飛ばした。「今の政界はモール(混んとしている)状態だが、小選挙区の区画画定が具体化してくれば新・新党で統一候補を出すか二つに分かれるか見えてくる。まだ時期尚早だよ」と、余裕の表情もみせた。親小沢路線をとる米沢氏の大内氏との主導権争いも、これからが本番?《共同通信》
【新生党・小沢一郎代表幹事】人事は首相判断で
新生党の小沢一郎代表幹事は21日の記者会見で内閣改造問題について「人事は首相の専権事項。われわれは相談があったり、意見を求められたりするときに言えばいい。人事権がなければ首相じゃない。首相の判断でやればいい」と述べ、早期改造に判定する社会党や武村官房長官らの姿勢を批判した。
小沢氏は、自らの入閣の可能性について「そんなことはないだろう。あり得ない」と否定した。今後の政界再編の進め方については「小選挙区になり自民党と1対1でやるんだから、それなりの態勢で臨まなければいけない」と述べ、連立与党全党による新・新党結成の必要性を重ねて強調した。《共同通信》
【サラエボ】銃声消える
雪景色の中にサラエボの町並みが静まりかえっている「死の町」に、銃は途絶えたままだ。北大西洋条約機(NATO)が設定した重火器撤去期限の21日午前1時(日本時間同9時)ボスニア・ヘルツェゴビナ内戦突入以来、サラエボ市民が22カ月ぶりに迎えた安どの夜、電気が戻った市内では膨らむ停戦継続への期待、まだ各地で続いている戦闘への懸念が交錯した。
「とても幸せで、夢のようだ。でもまた何か悪いことが起きるのでは…」若い男女が口々に答える。サラエボ入りした約300人の各国の報道陣の拠点となっている中心街のホテル・ホリデーイン前の路上。向かい側はセルビア人勢力の陣地だ。ホテルの壁には無残な砲弾の跡が残されたままになっている。
ホテル前の「チトー通り」は停戦前、市民が狙い撃ちで銃撃を受けた別名スナイパー通りだ。この大通りを今は市民や車が自由行き来する。
中心街の民家に明かりが戻った。昼間だけだが水道も出始めた。ガスの供給が始まった地域もある。国営ボスニア・テレビも毎日昼から深夜までの放送を続けている。サラエボの市民生活は少しずつ正常に戻り始めた。「楽観はしていないよ。サラエボでは悲惨な出来事がすべて起きた」という地元サラエボの記者が重苦しそうに語る。イスラム教徒主体の住民とは異なり、彼はキリスト教徒でクロアチア人。苦労続きの生活のためか37歳とは思えないほど老けている。
市内を移動のため一緒に国連防護軍の装甲兵員輸送一車に乗ったデンマーク・ラジオのバルカン専門記者スターン・ラムズゴールド記者(41)がつぶやいた。「NATOが空爆の圧力をかけ続ければ、今回はサラエボの停戦は維持される」しんしんと冷え込む中で、夜空には半月が青白く、光っていた。《共同通信》