平成1840日目

平成6年1月21日(金)

1994/01/21

【参議院】政治改革法案を否決

細川内閣が最大の公約に掲げた政治改革実現のための関係4法案が、21日午後3時から開かれた参院本会議で採択の結果、賛成118、反対130で否決された。社会党から予想を超える17人の反対者が出たためで、細川連立政権は最大の危機に突入した。

連立与党は本会議後の代表者会議で、両院協議会で新たな成案を得て成立を目指す方針を確認した。細川首相は同日夕の記者会見で、29日までの今国会開会中の成立に全力を尽くすと表明。現時点での内閣総辞職または衆院解散、総選挙を否定した。

両院議員総会が開会に至っても、自民党が強気に出るのは確実で、成否は不透明。政局は総辞職、解散の可能性を残したまま一気に緊迫した。《共同通信》

連立与党は21日夜、政府与党首脳会議であくまで政治改革法案の今国会成立を確認したことを受け、代表者の市川公明党書記長らが自民党の森幹事長と会談し、両院協議会を開催し新たな改革案をつくりたいと申し入れた。森氏は即答を避け、24日午後4時から改めて協議することになった。

会談の中で市川氏は「こちらから協議を呼び掛けた以上、与党として相当腹をくくって申し上げている」と述べ、与野党の妥協案づくりに当たっては自民党案に大幅に歩み寄る意向を示した。これに対し森氏は「党内には考え方に差異がある。党全体の対応が決まるまで待ってほしい。世論の動向も見てみたい」と述べるにとどまった。

市川氏は「予算編成が迫っている。細川首相の訪米を控え、日米関係にも重大な影響を及ぼす恐れもあり、憂慮を深めている」と早期に与野党の合意を得たいとの考えを強調した。《共同通信》

細川護熙首相「誠に遺憾」

細川首相は21日夕、政治改革法案否決を受けて官邸で記者会見し、「誠に遺憾だ。国民の多くの期待に沿えず、残念だ」と述べた。

首相は「しかし、残された(臨時国会の)会期は10日間ほどあり、成立へ全力を尽くす」と述べ、あくまで29日の会期末までに法案成立を図る考えを強調。「自民党も河野総裁をはじめ今国会実現を明言しており、早急に話し合いを進めたい。(自民党案に)歩み寄る余地は以前より大きくなった」と述べ、自民党案に譲歩した要協案成立を目指す考えを示した。

不成立の場合の責任については、衆院解散、内閣総辞職のいずれも「考えていない」と否定、「残された会期に全力を尽くすのが最大の使命」と強調した。



【自民党・河野洋平総裁】政権奪回に決意

自民党は21日午前、都内のホテルで第58回定期党大会を開いた。河野総裁は、あいさつの中で細川連立内閣の政治姿勢について「変革の美名の下で政治の空洞化が顕著になっている」と厳しく批判。その上で「国民が望んでいる真の改革とは何であるかを国民政党としてしっかりつかみ取り、断行していかなければならない」と述べ、政権奪還へ向け「責任ある変革」を断行する決意を明らかにした。

参院本会議での採決を迎えた政治改革法案への対応については「情勢はいまだ流動的だ。党の主張ができるだけ生かされるよう努力を続けたい」と述べ、最後まで修正を求める考えを強調した。河野氏はさらに「(連立政権の)見せかけの変革に取って代わる準備を進めなければならない」と党再生の必要性を強調。党の体質改善策として、立党31年の1985年に定めた「新政策綱領」を全面的に見直し、党の政策ビジョンを新たに示すための「党基本問題調査会」(仮称)を新設する考えを明らかにした。

同時に、党の自浄能力を強化するための「政治倫理「審査会」(仮称)を設置、「政治腐敗からの決別」向けた党の姿勢を鮮明にした。派閥解消問題については「派閥は純粋な政策集団へと転換する努力が行われつつあり、この流れを一層推進していく」と述べ、派閥一の政策集団化を促進していく意向を示した。

総裁あいさつに先立つ情勢報告で森幹事長は「本年、必ず政権を取り戻す決意だ。野党になった今こそ、われわれの真価を発揮しよう」と年内の政権奪取に向けた党の奮起を促した。大会は、94年運動方針などを承認して同日昼、閉幕した。《共同通信》

【政界談話室】

○…自民党の河野総裁は21日午前の党大会であいさつ。政権奪還に向けた展望について「満々たる自信を持って前へ進めば、おのずから道は開ける」と強調した上で「決して焦らず、おごらず、立ち止まらず、自由と民主主義の理念の下、美しい日本をつくるために再び今日から力強い一歩を踏み出そう」と得意の麗句を並べた。しかし、午後の政治改革法案の参院本会議採決については「情勢はいまだ流動的だ」と言葉を濁し、周辺からは政局見通しが苦手な河野氏らしいあいさつだったとの見方も。

○…新生党の渡部代表幹事代行はこの日開かれた超党派の「日本トルコ友好議員連盟」で会長に選出された。その後記者会見した渡部氏は、厚相時代にトルコの青年から「トルコぶろ」(現在のソープランド)という名称を使わないように陳情を受けて実現させたことを自画自賛し「(日本の)選挙が厳しかったらトルコから出馬してください」と声を掛けられている事実を紹介。さらに「その青年を連れてきた小池百合子参院議員と一緒に、友好行事が予定されている5月にトルコに行こうと思っている」と語るあたり、政治改革法案については一時忘れたいとの思いがありあり。《共同通信》

【大相撲初場所】13日目

大相撲初場所13日目(21日・両国国技館)優勝争いのトップを走る大関貴ノ花は旭道山を右四つで危なげなく寄り切って初日から13連勝。14日目に貴ノ花が勝って武蔵丸が敗れると、貴ノ花の4場所ぶり4度目の勝が決まる。

1敗で追う関脇武蔵丸は横綱曙を右下手出し投げで崩して寄り切り、12勝目を挙げて場所後の大関昇進を確実にした。曙は3敗となり4連覇の望みが断たれた。関脇貴ノ浪は琴の若を寄り切って11勝目、大関昇進に大きく前進した。大関若ノ花は関脇琴錦の速攻に屈して4敗。琴錦は勝ち越した。小結若翔洋は負け越し。初の上位進出で注目された武双山は勝ち越しを決め、来場所の三役入りの可能性が出てきた。十両は琴ヶ梅と浪ノ花が9勝4敗で首位に並んだ。

【全豪テニス】伊達公子選手、ベスト16

テニスの全豪オープン第5日は21日、メルボルンで男女シングルス3回戦などを行い、女子シングルスで第1シードの伊達公子(ヨネックス)は6−3、7−5でレイチェル・マッキラン(慶州)を破り、4年ぶりにベスト16に進出した。伊達は4回戦で、第7シードのアンケ・フーバー(ドイツ)に逆転勝ちした世界ランク2位のジンジャー・ヘルゲソン(米国)と対戦、日本選手では1977年の佐藤直子以来、17年ぶりの準々決勝進出をかける。

第1セットを先取した伊達は、第2セットで一時は、3−4とリードを許したが、好調なストロークプレーでマッキランを揺さぶり、第2ゲームをブレークして3試合連続のストレート勝ちを飾った。

このほかの日本勢は、沢松奈生子(松蔭女大)が日没順延となっていた2回戦で第1シードのマグダレナ・マレーバ(ブルガリア)に2−6、4−6のストレート負け。女子ダブルスの神尾米(ブリヂストンスポーツ)長塚京子(ルネサンスTA)組も2回戦で姿を一消した。

男子第1シードのピート・サンプラス(米国)は4回戦に勝ち上がり、女子のシュテフィ・グラフ(ドイツ)、コンチタ・マルティネス(スペイン)らも順当にベスト4へ進んだ。《共同通信》

【米・バージニア州地裁】性器切断の妻に「無罪」

米国で妻が夫の性器を切断し傷害罪に問われた事件で、バージニア州地裁の陪審は21日、ロレーナ・ボビット被告(24)が犯行時、心神耗弱だったとして無罪の評決を下した。評決を受け判事は、ロレーナさんに精神治療施設での最高45日間の保護観察に服するよう命じた。

公判で弁護側は、犯行があった昨年6月23日、ナイトクラブ従業員の夫ジョンさん(26)に被告が暴行されて精神の均衡を失い、台所にあったナイフで就寝中の夫の性器を切断したとして無罪を主張。ロレーナさんも結婚生活における虐待を訴え「犯行時のことは記憶にない」と述べていた。これに対し検察側は「計算された復しゅう行為」と論告した。

裁判はCNNテレビが連日生中継し、ワシントン郊外の裁判所には200人に上る報道陣が取材に詰めかけた。ロレーナさんは「この事件が夫に虐待された女性の救済になることを望む」との声明を出し、全米女性機構(NOW)も陪審の評決は賢明だったとする歓迎声明を発表した。

切断され捨てられた夫の性器は発見され、10時間の手術で縫合に成功した。またロレーナさんは夫を夫婦間のレイプ行為で訴えたが、別の陪審が昨年11月、無罪の評決を出した。《共同通信》



1月21日のできごと