平成1799日目

平成5年12月11日(土)

1993/12/11

【政府】「コメ問題」で閣僚懇談会

政府は11日午前、コメ市場開放問題をめぐり臨時の閣僚懇談会を首相官邸で開いた。この中で、日本のコメ市場部分開放を盛り込んだドニ調整案の早期受諾を強く促すサザランド関税貿易一般協定(ガット)事務局長から細川首相にあてた親書の内容などについて意見交換した。

同親書は15日に迫った新多角的貿易交渉(ウルグ「アイ・ラウンド)の最終交渉期限に向けて「政治決断を求めたい」と首相に要請しており、閣僚懇では羽田外相のジュネーブ派遣を踏まえ、コメを含めた新ラウンドへの最終対応について協議した。

席上、畑農相は調整案受諾について「12日中に決めたい」との意向を表明、理解を求めた。ジュネーブの羽田外相の再交渉結果の連絡を待って今後の日程を検討することになった。

閣僚懇には外務省の小倉経済局長ら新ラウンド担当事務当局者も出席し、交渉の経過や見通しを説明。土曜日に異例の閣僚懇が招集されたのは、先に閣僚に示されたドニ調整案骨子から、7年以降についての追加譲歩やミニマムアクセス(最低輸入量)受け入れと関税率低減の同時進行条項が欠落ししていた不手際をめぐり、10日午前の閣議で社会党閣僚を中心に批判が続出した事態を収拾し、閣内の不協和音を打ち消す狙いとみられる。《共同通信》



【大内啓伍厚相】早期解散に否定的

大内啓伍厚相(民社党委員長)は政策懇談会などのため11日に来福、福井市内のホテルで記者会見し、与野党間でささやかれる早期の衆院解散には否定的な見解を示し、来年度予算編成は「年内には終えなければならない」と強調した。

厚相はコメ市場開放問題について、ジュネーブに派遣した羽田外相の報告を待ち、13日に政府与党の正式な対応を決めるとのめどを示した。ウルグアイ・ラウンドについて「羽田外相に最後の努力をしてもらっている」と述べた。《福井新聞》

「日本の周りはみんなエイズ国家。日本を除く諸外国のPKO部隊は、みんなエイズに感染して帰ってくる」。11日午後、民社党福井県連の呼び掛けで福井市で開かれた政策懇談会に出席した大内厚相からこんな発言が飛び出した。

懇談会の出席者から出された質問に答えたもの。この中で大内厚相は国の名を挙げると問題になるが、と前置きした上で「最近は外国に出掛ける人も多く、特に若い女性の間にエイズ感染者が増えている」とも。「日本は医療面でも先進国を目指し、エイズを克服していかなければならない」と結んだが、県連関係者の間からは「厚相の発言としてはちょっと言い過ぎたのではないか」と心配する声も出ていた。《共同通信》

【社会党】外相帰国後に意思決定

社会党は11日午前、臨時の中央執行委員会を開き、コメ市場開放問題をめぐり意見交換し、ジュネーブに派遣されている羽田外相が14日に帰国するまで、コメの部分開放を求める調整案に対する社会党の最終的な意思決定を行わない方針を確認した。ただ13日にも政府の正式方針決定があり得るとの認識から、中執委としてはこれに即応できる態勢を取ることも決めた。

また村山委員長は、10日夜の政府与党首脳会議中止の連絡がないまま官邸に出向かされたことに対し「連立政権を守ろうと誠意を尽くしているわが党に官邸の扱いは不愉快で、二度とあってはならない」と強い不快感を表明。官邸側の謝罪があるまでは代理を出席させることにした。

中執委の議論の中では、野坂国対委員長が連立政権重視の立場をとる久保書記長に「党の方針を変えるのか」とただしたのに対し、久保氏は「方針は変えない」としながらも、「その場合、閣僚としてどうするのか、党の方針を閣僚に伝えないといけない」と述べ、党が部分開放反対の方針を貫いたまま政権にとどまるのは困難との認識を示した。

また村山委員長は、農水部会が党方針変更に対し「重大な決意」で臨む方針を決めたことや、村沢農水政務次官が辞任の意向を示していることに関し「党の方針を変えたわけではない。個々の突出した行動は控えてほしい」と自制を求めた。《共同通信》

【ガット事務局長】コメ開放の決断促す

日本、米国、欧州共同体(EC)、カナダによる四極閣僚会議出席のためジュネーブ入りした羽田外相は11日昼、関税貿易一般協定(ガット)本部でサザランド事務局長と会談「日本政府はコメ開放で厳しい局面にある。ドニ市場参入担当議長の調整案が明らかになるにつれ、国内には将来への不安が高まっている」と述べ、調整案の修正を訴えた。

これに対し、事務局長は「調整案は日本の主張を可能な限り受け入れており、日本にとって良い内容だ」と語り、修正に応じる考えのないことを示し、日本が調整案を受け入れ、コメ部分開放を決断するよう改めて要請した。

羽田外相のジュネーブ入りは、コメ開放に反対する自民、社会両党や農家などの主張を受けたものだが、事務局長との会談で調整案を見直す余地が全くないことが改めて浮き彫りになった。

会談ではまず、外相が「日本ではコメは重大な問題で、ド二調整案で関税化猶予後の追加譲歩の必要性が明らかになってからさらに厳しい情勢になっている。将来への不安が国内にあり、どう対応するか問題だ」と語り、コメ開放をめぐり、政府が極めて厳しい局面に立たされていることを訴え、配慮を求めた。

これに対し、事務局長は「日本は新ラウンドで努力してきたと認識している」と評価しつつも「調整案は良い案で、日本でも非常に良い案とみられてしかるべき内容だ。日本に与えた(関税化猶予の)特例措置を他の国にのませるのが難しい情勢である点も分かってほしい」と、調整案を変更できない状況を強調した。

会談ではほかに、外相が四極閣僚会議に関連し「新ラウンド成功へ向け四極で貢献したい。米国とECが合意したのは歓迎するが、内容には満足できない。特に、米国による反ダンピング条項の修正要求は大問題だ」と指摘、米国の要求が不当であることを強調した。事務局長は「反ダンピング修正問題は話し合いで解決することが必要だ」と外相の考えに同意した。

羽田外相は同日中にブリタンEC副委員長、イスパイ米農務民官と個別に会談、コメ問題で日本の主張に理解を求める考えだ。《共同通信》

【福岡国際女子柔道】第1日

第11回福岡国際女子柔道大会第1日は11日、福岡国際センターで4階級を行い、日本勢は72キロ超級の阿武教子(福岡・柳川高)と72キロ級の福場由里子(住友海上)がともに初優勝した。

世界選手権2位の阿武は危なげなく勝ち上がり、鈴木香(コマツ)との決勝も積極的に攻めて小差の判定をものにした。福場は決勝で、連覇を狙った吉田早希(筑波大)を脆ひしぎ十字固めで破った。61キロ級の杉村英子(筑波大)は決勝に進出したが、鄭成淑(韓国)に敗れた。66キロ級は世界チャンピオンの曺敏仙(韓国)が優勝した。《共同通信》

【フィギュア・NHK杯】第3日

フィギュアスケートのNHK杯国際競技会第3日は11日、千葉市の幕張メッセイベントホールで行われ、女子シングルは、スルヤ・ボナリー(フランス)が二連覇を果たし、前日のテクニカルプログラム(TP)トップの佐藤有香(法大)は2位に終わった。

ボナリーは、この日の自由で1位となり、TP3位から逆転優勝。佐藤は、ジャンプで転倒するなどミスが目立ち、自由3位で初優勝を逃した。3位には陳露(中国)が入り、小岩井久美子(東海ク)は5位だった。

ペアは世界チャンピオンのイザベル・ブラスール、ロイド・アイスラー(カナダ)組が初優勝し、川崎由紀子(DLLク)アレクセイ・チホノフ(ロシア)の国際ペアも3位に入賞した。アイスダンスはオクサナ・グリシュク、エフゲニー・プラトフ(ロシア)組が勝った。《共同通信》



12月11日のできごと