平成1784日目

平成5年11月26日(金)

1993/11/26

【水俣病京都訴訟】京都地裁「国、熊本県に責任」

大阪や京都、兵庫など西日本に移り住んだ水俣病の未認定患者が国や脈本県、チッソとその子会社を相手に弁護士費用害めて一人一律1980万円、総額約28億円の損害賠償を求めた「水俣病京都訴訟」で、原告140人のうち分離結審した46人(請求額約9億1000万円)に対する判決が26日、京都地裁であった。

小北陽三城判長は「国、県には水質保全法、工場排水規制法などの規制権限の行使を怠った過失により水俣病被害を発生、拡大させた責任がある」として、チッソとともに国と熊本県の責任を認め原告28人について一人当たり最高750万円、最低350万円、総額1億9300万円の支払いを命じた(うち5人についての責任はチッソだけ)。

判決は原告の主張をほぼ全面的に採用、今年の熊本地裁に続き行政責任を認めたことで、過去2対2に分かれていた司法判断が患者側有利に傾くことになり、国が参加を拒否している和解協議の行方などに影響を与えそうだ。請求を棄却された原告8人は控訴の方針。《共同通信》



【ホテルニュージャパン火災】社長、禁固3年確定

昭和57年2月、死者33人、負傷者29人を出した東京、永田町のホテルニュージャパン火災で業務上過失致死罪に問われた社長のY被告(80)の上告審で、最高裁第二小法廷の中島敏次郎裁判長は26日までに憲法違反、判例違反など適法な上告理由がないとした上、防火義務を怠った、などとしで、禁固3年の一、二審判決を支持、Y被告の上告を棄却する決定をした。火災から約11年9カ月ぶりに同被告の有罪が確定する。ホテル火災をめぐり経営者の実刑判決が最高裁で確定するのは、2件目。

決定理由で中島裁判長はY被告の過失について検討。「不特定多数に宿泊などのサービスを提供するホテルでは、火災の危険を常にはらんでいる。Y被告は54年の社長就任時から消防設備の不備を十分認識し、宿泊客らに死傷の危機が及ぶことを容易に予見できた」と、Y被告の責任を認定した。

中島裁判長はさらに、Y被告にはスプリンクラーを設置するとともに従業員らに消防計画を周知徹底させ、消防訓練や消防設備の意地なぢ防火体制を確立させる義務があったと指摘。「Y被告がこれらの措置を取るのに困難な事情はなく、この義務を怠らなければ宿泊客らの死傷を回避でき、過失があったことは明らかだ」と述べた。《共同通信》

【朝日生命・藪恵一投手】阪神と仮契約

阪神はドラフト1位指名した朝日生命の藪恵一投手(25)と26日、東京・西新宿の同本社で横溝チーフ、菊地両スカウトが会い、契約金1億4000万円、年俸1200万円で仮契約を結んだ。背番号は「18」。

ドラフト会議前から阪神を単独逆指名し、会議当日には中村監督から直々にあいさつを受けていただけに、佐々井部長、平山監督を交えた交渉は約40分で終了した。藪は「すっきりした。期待が大きい分、やりがいがあります。(勝ち星など)具体的な数字は言えないが、全力を尽くしていきたい」と抱負を語った。(金額は推定)《共同通信》

【細川護熙首相】「政治改革」再修正に含み

国会は26日午前10時からの参院本会議で、最大の焦点である政治改革をめぐり、衆院への小選挙区比例代表並立制導入を柱とする政府案と現行中選挙区制度下での定数抜本是正を盛り込んだ共産党案に関する趣前と質疑を行い、政府案の衆院通過から8日ぶりに参院での本格的な論戦に入った。12月15日の会期末を控え、細川政権の公約である年内成立をめぐる与野党の攻防は一層厳しさを増そう。

細川首相は「早期の法案成立を願っている」と述べ、重ねて政治改革の早期実現に期待感を表明。参院段階での法案再修正については「与野党合意の形成に努め、各党・各会派の理解と協力を得たい」として修正に含みを残した。

首相は参院の選挙制度改革について「衆院の改革を終えた後、できるだけ早期に合意点を見いだしてほしい」と述べ、今回の法案成立後の課題との認識を示した。また「参院改革は再来年の参院選挙までに取りまとめられるのが望ましい」と述べた。《共同通信》

【細川護熙首相】コメ部分開放を決断

細川首相は、コメの市場開放問題について、12月10日前後に従来の国内産による完全時給方針を転換し、部分開放するとの決断を国民に示す考えを固めた。首相と武村官房長官が26日までに協議し、最終判断したもので、首相周辺が26日に明らかにした。

12月1日のカンター米通商代表とブリタン欧州共同体(EC)副委員長との再会談、2日の欧州連合(EU)臨時外相理事会、6日のEC外相会議などと並行的に作成される新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)の最終合意案のたたき台となるコメ問題を含む分野別調停案を、日本が受け入れる形で表明する。《共同通信》

【武村正義官房長官】台湾を「国」と表現

武村官房長官は26日の記者会見で、台湾との関係について「外交関係は正規にはないが、経済的には大きな交流があり、人の面では行き交いが広がっている。政治的側面と経済的側面の矛盾を痛惑している」と述べ、現状への疑問を表明した。 官房長官は「最も近い国という認識を持っている」と述べ、台湾に対して「国」という表現を用いた。 一方、閣僚の訪台については「中国を含めた日本の外交の基本にかかわることで、軽々に判断できない。連立与党の議員の中にはそろそろ往来を考えてもいいのではないかと言う人もいるが、中国政府と日本とのかかわり方を考えると、そう簡単にはいかないと思っている」と慎重な姿勢を示した。

外務省筋は26日夕、武村官房長官が同日の記者会見で、国交を断絶している台湾について「国」という表現を用いたことについて「報告は受けているが、本人の間違いではないか。政府部内で検討した事実はないし、従来からの方針に変更はない」と述べ、発言が官房長官の個人的見解で、政府として従来の立場に変更がないことを強調した。《共同通信》

【政界談話室】

○…細川首相は参院本会議が始まった26日、記者団から今後の政治改革特別委員会の審議入りについて聞かれ「日程的には非常に厳しいですね」とさえない表情で話した。さらに会期延長について「まだそれは分かりません」と答え、日ごろ法案の年内成立を目指すと強気な首相も、この日は弱気ばかり。というのも閣議後に羽田副総理兼外相から、参院自民党の予想以上の抵抗を伝えられたためのようだ。参院本会議では「良識の府にふさわしい議論を」と呼び掛け、年内成立に足掛かりをつかみたい様子がありあり。

○…羽田外相はこの日の閣議後の会見で、コメ市場開放問題について「例外なき関税化は好きじゃない」と持論を展開した。新多角的貿易交渉、(ウルグアイ・ラウンド)で「(コメを部分的に)自由化すると、関税は下げなさいとなる」と農林族として先行きに不安げな様子。さらに「そうなったら日本の水田農業はむちゃくちゃになる」と語気を強めたが、最後は「交渉を担当している諸君は信頼でき、日本の立場をよく理解している人だ」と言わずもがなの説明で自分を納得させていた。《共同通信》



11月26日のできごと