平成1699日目

平成5年9月2日(木)

1993/09/02

【台風13号】沖縄・久米島で最大瞬間風速53.9メートル

大型で非常に強い台風13号は2日夜、勢力を強めながら那覇市の西海上をゆっくりと北上している。さらに発達を続け、3日早朝には九州南部を暴風域に巻き込み、午前中にも九州西岸に上陸、その後、東に方向を変え、日本列島を縦断する最悪のコースをとり、4日夜、三陸沖から太平洋に抜ける公算が大きい。

気象庁によると、13号は「戦後日本に接近した台風の中では屈指の強力な勢力」で、最も南寄りのコースをとった場合、「九州南部、四国、近畿、東海、関東が極めて危険」という。

スピードが遅く雨、風ともに強いため、進路に当たる九州各地では厳戒態勢に入り、8月の集中豪雨で大きな被害を受けた鹿児島県内では避難勧告が出された。同庁は「西日本などに大きな被害を出した一昨年9月の19号を上回る災害の発生が予想される」と厳重な警戒を呼び掛けている。

台風が接近した沖縄県・久米島で2日午後4時43分、最大瞬間風速53.9メートル、那覇市でも同日午後8時34分、51.2メートルを記録した。

台風を取り巻く雨雲の付近では、1時間に60ミリを超える激しい雨が降る所もありそうだ。3日夕までの予想雨量は九州、四国の多い所で300−400ミリ、中国、近畿で150−200ミリに達する見込みで、東海、北陸でも3日午後から大雨となる恐れがある。また沖縄の近海では波の高さが10メートルを超す猛烈なしけになっており、西日本沿岸では2日夜から、東日本でも3日夜以降、大しけとなる見込み。《共同通信》

大型で非常に強い台風13号の北上に伴い、九州・沖縄地区では2日、強風で5人がけがをしたほか、交通機関の乱れや停電なの影響が出始め、各地で厳戒態勢に入った。

沖縄県下地町では同日午前9時ごろ、無職A子さん(75)が自宅の戸を閉めようとした際、強風に飛ばされ転倒。足の骨を折り3カ月の重傷を負った。また午後には那覇市で道路歩行中の女性(89)が強風で飛ばされ足の骨を折るなど4人がけがをした。

宮古島の久米島、那覇市などでは午後8時半現在、計約2万1500戸が停電。同日から2学期が始まる予定だった県内の小、中、高校もほぼ全校の526校が臨時休校となった。

一方、3日午前に台風の上陸が予想される九州では、海や空の便が大幅に乱れ、JR九州の高速船「ビートル」は2日の国内航路3便のほか、3日の博多—釜山など4便も早々と欠航が決定。また熊本を除く6県の小、中、高校の多くは3日に臨時休校か自宅待機とすることを決めた。

8月の集中豪雨で大きな被害を受けた鹿児島市をはじめ鹿児島県内の7市町村は2日午後、河川流域や高台など危険個所に住む住民に避難勧告を出し、同日午後10時現在、自主避難を含め約1320人が避難した。

長崎県島原市は2日夜、眉山ふもとの萩が丘などの住民266世帯770人に避難を勧告。また同県・深江町も同日夕、水無川沿いの96世帯249人に避難勧告を出し台風の接近に備えた。《共同通信》



【マリンジャンボ】羽田に初飛来

機体に鯨の絵を描いた全日空の特別デザイン機「マリンジャンボ」が2日、米国シアトルから羽田へ初飛来した。このマリンジャンボは午後5時15分すぎ、青い鯨が空から舞い降りるように新A滑走路に着陸。鯨にタコやイカがくっついているユニークな機体が駐機場に入ると、出迎えた約50人の全日空社員らから「結構派手だなあ」「入れ墨をしたみたいだ」などの歓声が沸き起こった。

全日空は国内線搭乗旅客5億人突破を記念して昨年12月、小中学生を対象にジャンボ機の機体の塗装デザインを公募。約2万点の応募から千葉県市川市の中学1年生、大垣友紀恵さん(12)の作品が選ばれた。マリンジャンボは12日、羽田発札幌行きの63便として初就航する。《共同通信》

【経団連】企業献金見直しへ

経団連は2日午前、都内のホテルで企業献金の在り方を協議する正副会長会議を開き、来年以降企業献金のあっせんを中止し、企業献金そのものも①一定期間後廃止も含め見直す②その間は各企業・団体が独自の判断にゆだねる–との見解をまとめた。

経団連が企業献金のあっせん廃止などを決めたのは政財界の癒着構造の象徴として企業献金への批判が高まっていることに配慮した。これにより自民党発足以来、40年近く続いてきた企業献金中心の政治資金の姿が大きく変わることになる。《共同通信》

【自民党】政治改革4要綱を党議決定

自民党は2日午後、党本部で政治改革本部総会と臨時総務会を開き、小選挙区比例代表並立制導入を柱とする選挙制度改革をはじめ政治資金、政党助成、腐敗防止策の4要綱から成る政治改革要綱案を党議決定した。

最後まで調整が難航した投票方法では「2票制」を支持する声もあったものの「将来の二大政党制を志向し、自民党にとっても戦いやすい制度」(野田選挙制度担当座長)として小選挙区、比例代表とも1回の記号式で投票する「1票制」が了承された。

また、政党助成制度の導入による公費支出に伴い、対象となる政党要件を規定するため新たに「政党法」制定が必要との判断から、政治改革本部で今後検討することを確認した。企業献金については、存続させるべきだとの立場だが「5年後の見直し」を盛り込んだ。

要綱によると、選挙制度は①衆院の総定数は471とし、小選挙区300、比例代表171に議席配分②比例代表の選出方法は都道府県単位の小選挙区、比例代表での重複立候補を認める—などとなっている。

このほか要綱では①政党助成は国民1人当たり250円で、総額約300億円②企業献金は政党と政治家の資金調達団体に限定し、政党への献金枠は現行の1.5倍に拡大③連座の対象を親族、秘書にも広げる④収賄罪が確定した場合は実刑期間に加え5年間公民権停止―などが柱。

先に連立与党が決めた改革案と比べ、選挙制度では総定数、議席配分、投票方法といった根幹部分で大きな違いみせている。また、政党助成でも与党は倍の1人当たり500円、総額約600億円としており、自民党はこれらの点を大きな争点としながら国会論戦に臨む方針だ。

ただ、要綱を法案化するか、修正を求めるにとどめるかについては与党側の出方をにらみながら判断することにしている。《共同通信》

【細川護熙首相】行革実行に監視機関も

細川首相は2日午後、臨時行政改革推進審議会(第三次行革客)の鈴木永二会長らと官邸で約20分懇談した。

10月に提出予定の最終答申に関連して鈴木会長らが「オンブズマン(行政監視システム)的な機構を設置したらどうか」と提案したのに対し、首相は「それはそうですね」と答申内容の実行をチェックする機関に前向きな考えを示した。《共同通信》

【新党さきがけ・武村正義代表】結束して細川政権を支えよう

新党さきがけ代表の武村官房長官は2日夜、静岡県函南町で行われた日本新党とさきがけの研修会であいさつし「小さな集団だが、(両党議員)50人余りが結束すれば、政界全体を動かすことができるという自負で、細川首相を支えていきたい」と述べ、両党が結束して首相を支えるべきだとの考えを改めて訴えた。

年内の合流、新・新党結成を目指している両党の関係については「段々と裸の付き合いを重ね、まとまりができることを心から期待している」と述べるにとどまった。《共同通信》

【日韓議員連盟、韓日議員連盟】共同声明を採択

日韓議員連盟(会長・竹下登元首相)と韓日議員連盟(金潤煥会長)は2日開いた第21回合同総会で、日韓の新政権発足後初の総会を両国関係の未来へ向けた新しい出発のきっかけとすることで一致するとともに、日韓双方の若い世代の議員を中心とした「21世紀委員会」を設置することなどをうたった11項目の共同声明を採択した。

共同声明にはこのほか、①朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の核問題の完全解決のために共に努力する②今後の経済協力は市場経済論理に基づいて推進していく③戦後処理問題解決のために最善を尽くし、日韓条約締結30周年で記念事業を行う—などが盛り込まれた。

一方、分科会の討議では、金大中氏ら致事件に関して、韓国側の野党、民主党議員から真相究明のための共同調査委員会の設置が提案されたが、日本側が「日本は被害国であり、主権が侵害された。既に外交決着がついた問題だ」(加藤六月議員)などとして共同調査委の設置には応じなかっ。た。《共同通信》

【政界談話室】

○…細川首相は2日、官邸で母校上智大学の山本襄治理事長らの表敬を受けた。上智出身の初の総理大臣とあって「上智からそうそう首相が出るもんじゃないので、頑張ってください」と、山本理事長から温かい激励を受けた首相は「(上智の)学生の励みになればうれしい」と応じた。懇談後、記者団に「愛校心は強い方ですか」と聞かれ「小さい大学ですが、深い愛着は持っています」。佳代子夫人が同じ大学の後輩だけに、愛着がひとしおなのも当然。

○…自民党の森幹事長はこの日の記者会見で、経団連が企業献金あっせん廃止を決めたことについて「(自民党も)独自の考え方をとらないといけない」と明言。経団連を頼らず、企業、業界団体に個別に献金を求める考えを示した。「企業が浄財を献金することは認められるべきだ」と胸を張ったが、「税金で政党や国会議員の費用をすべて賄うことになったら全体主義、社会主義だ」と最後は八つ当たり気味。政権を去った途端の経団連の“冷たい態度”に思わず出た恨み節か。《共同通信》

【角川書店】社長辞任を承認

角川書店(本社東京)は2日、取締役会を開き、コメイン密輸容疑で逮捕され同社社長角川春樹容疑者(51)から提出された代表取締役社長の辞任届を承認、新社長に大洞国光専務を選出した。角川容疑者を除く取締役16人、監査役2人の全員一致の決議で、角川容疑者は筆頭株主の立場から取締役として留任することになった。この結果、同書店は同容疑者の父で創業者源義氏から2代続いたオーナー経営に終止符が打たれた。

同書店は取締役会後開いた役員会で9月から半年間、社長が30%、その他役員が15−20%の報酬カットの処分を決めた。

大洞氏は源義社長時代の昭和22年角川書店に入社。宣伝部長などを経て同54年常務取締役、平成4年専務に。角川容疑者の弟・角川歴彦氏が昨年9月、副社長を退任してからは、同社のナンバー2だった。大洞新社長は「体調を崩している」として記者会見」に応じなかったが「全従業員一丸となっての協力を求め、出版社として社会的名誉回復を一義とする」との就任あいさつを発表した。《共同通信》



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