平成1672日目

平成5年8月6日(金)

1993/08/06

【鹿児島8.6豪雨災害】

6日夕、鹿児島市を中心とする局地的な大雨により、同市で土砂崩れなどの被害が相次いで起きた。鹿児島県警などに入った連絡によると、6日午後9時までに、土砂崩れによる生き埋めなどで同市内を中心に3人が死亡、三十数人が行方不明になっている。JRなど交通や通信網も寸断され、同県警は被害状況の把握を急ぐとともに被害者の救出に全力を挙げている。鹿児島市は午後5時半、大雨による被害が予想されるとして市内全域の住民に対し公民館など安全な指定避難所に避難するよう呼び掛けた。

鹿児島県警などによると同市のJR日豊線竜ケ水駅付近でがけ崩れが発生、普通列車が同駅で立ち往生した。孤立状態となった乗客ら約500人は海岸近くに逃げ、第10管区海上保安本部(鹿児島)の巡視船艇や民間のフェリーボートが海上から救助に当たり午後10時40分までに約170人を救出したが、同県に入った連絡によるとこのうち1人が午後9時ころ死亡した。

また、土砂の生き埋めになっていた鹿児島郡吉田町、Aさん(83)が午後9時半ごろ、収容先の市内の病院でショック死。日置郡伊集院町でも1人が死亡した。

九州地方建設局によると同市内に通じる国道は土砂崩れや冠水などで寸断されている。また市内を流れる甲突川に架かる五大石橋のうち江戸時代に作られた五連アーチ橋武之橋が濁流で流されるなど、市内の交通はまひ状態になっている。《共同通信》



【広島】原爆の日

人類史上初の核戦争の悲劇に遭った広島市は6日、48回目の「原爆の日」を迎えた。爆心近くの平和記念公園(同市中区)では、被爆者や市民ら約4万5000人が参列して、原爆死没者慰霊式・平和祈念式が営まれた。被爆半世紀まで2年。被爆者の高齢化が進み、細川新政権へ「新援護法」制定を望む声は一層、強まっている。

冷戦は終結したが、核兵器は存在を続け、第三国への核拡散も深刻。旧ソ連の放射性物質廃棄や、アジア各国に疑惑を呼んだ日本のプルトニウム政策など「核」をめぐる問題が複雑化している。平岡敬市長は平和宣言で、「核兵器の開発・保有は人類に対する罪」と今世紀中の核廃絶を訴えた。

特別国会の混乱で首相指名が遅れ、25年ぶりに首相ら閣僚が参列しなかった式典は薄曇りの中、午前8時に開始。この一年で確認された4878人の死没者の名前を記した名簿が原爆慰霊碑に納められ、名簿記載者の累計は18万1836人となった。《共同通信》

【東海道新幹線】作業車事故でストップ

6日午前4時50分ごろ、静岡県浜松市飯田町の東海道新幹線浜松駅東4キロの上り線で線路保守の作業車両同士が衝突、双方が脱線し、作業員5人が軽いけがをした。新幹線は東京―新大阪間で始発から「のぞみ」「ひかり」が全面ストップ、「こだま」が一部区間で折り返し運転を続けたが、車両を線路内から撤去する作業が手間取り全面開通は午後にずれ込み、ダイヤの乱れは終日続く見通し。夏休みの行楽客らが影響を受けた。

東海道新幹線が4時間以上ストップするのは昨年5月、三河安城—名古屋間での「のぞみ」型車両の緊急停車事故以来。新幹線本線上での作業車同士の衝突事故は昭和61年4月以来。

静岡県警、JR東海によると、衝突したのはJR東海浜松保線所のレール削正車(8両)とバラスト(敷石)散布車(9両)。始発前の保守作業を終えて同保線所の車両基地に戻る途中、停車していた削正車に散布車が突っ込んだ。双方の車両にはJR東海社員と下請けの作業員計11人が乗っており、浜松保線所のAさん(33)=浜松市=ら5人が1―2週間のけがをした。県警などで原因を調べている。

東海道新幹線は始発から全線がまひ状態となり、午前8時半から東京―静岡間、豊橋―新大阪間で「こだま」の折り返し運転をしたが、沿線各駅は夏休みの家族連れ、ビジネス客などで混雑した。JR東海のまとめによると、約7万2000人の乗客が影響を受けた。《共同通信》

【韓国・大田エキスポ】開会式

「新しい跳躍への道」をテーマにした大田世界博覧会(大田エキスポ93)の開会式が6日午前、韓国大田市の会場で開かれた。先進国以外では初めての開催となる大田エキスポは、7日から11月初めまでの93日間、一般に公開される。開会式には、政治、経済、司法など各界と韓国駐在外交官の招待客ら計約2000人が出席。金泳三大統領が開会を宣言した。

金大統領は宣言で「大田エキスポは人類の幸福のために知恵と心を一つに集めた人類全体の祝典だ。われわれ皆がエキスポを通じて、世界に未来に進もう」と述べた。

大田エキスポには昨年国交を樹立した中国をはじめ世界108カ国が参加、韓国企業も情報通信などをテーマに最新の科学技術を展示し競い合う。大田エキスポ組織委員会(呉明委員長)は期間中、50万人の外国人観光客を含め1000万人の入場客を予想している。《共同通信》

【細川護熙氏】第79代首相に

国会は6日夜、衆参両院本会議で、非自民5会派が一致して擁立した細川護熙日本新党代表(55)を第79代首相に指名した。1955年以来38年間続いた自民党政権が終わり、日本の政治は新たな「連立時代」を迎えた。

衆院の首相指名選挙で、細川氏は過半数を超える262票を獲得、自民党の首相候補河野洋平総裁らを破った。細川首相は7日未明、首相官邸に入り、武村正義新党さきがけ代表に官房長官就任を要請、承諾を得た。7日午前、官邸で連立与党の7党1会派の党首・代表との会談に臨み、本格的な組閣工作に入るが、天皇陛下がベルギー国王の葬儀に参列中であるため、首相任命式と閣僚認証式は天皇陛下の帰国する9日午後に行われる。

衆院本会議の首相指名選挙は、事務当局による議員名の点呼漏れのハプニングがあり、異例の再投票となった。結果は細川氏262票、河野氏234景、不破哲三共産党委員長15票、山花貞夫社会党委員長2票。参院本会議では細川氏133票、河野氏93景、不破氏11票、白票4票だった。

これに先立ち、衆院本会議で正副議長選挙が行われ、義長には土井たか子元社会党委員長(64)が選ばれ、憲政史上初の女性議長となった。副議長には自民党の鯨岡兵輔元長境庁長官(77)を選出、会期については10日間と決めた。正副議長は党籍を離脱、無所属となった。《共同通信》

【政界談話室】

○…早くも“二重権力”の黒幕とささやかれる小沢一郎・新生党代表幹事は6日昼、国会のこう着状態打開のため開かれた連立側5会派書記長会談に出席、着席するやコップの水を飲み干し「(国会は)水入りだ」と冗談を飛ばすなど余裕たっぷり。赤松社会党書記長が「忙しいでしょ」と、対自民戦略や新内閣の人事構想での小沢氏の“活躍”をちらりとにおわせても「いやいや、やることないんだもん」。しかし続けて「暇で暇で、会合でもやらんと。しかし、あまり出ると嫌われるしな」と注釈をつけるあたりに本音。

○…野田卯一元建設相の孫で初当選した自民党の野田聖子氏がこの日、河野総裁ら党執行部との懇談会に出席。頭の写真撮りで「祖父は祖母に1300通以上も手紙を書いて、ギネス記録を持っています。内容は政治状況が中心ですが、本にもなっています」と逸話を披露した。これを耳にした森幹事長は早速「頑張ろう。これからでも毎日一枚、はがきを書けばいい」と隣の河野氏に挑戦を誘いかけたが、「読むのも大変。書くのだからなおさらだ」。“戦う野党”への体質改善には意欲満々の河野氏だが、ラブレターの世界記録には二の足。《共同通信》

【北海道・横路孝弘知事】国後島入り

横路孝弘北海道知事を団長とする北方領土へのビザなし訪問団46人は6日午後7時半(日本時間)同4時半)国後島の古釜布に到着、温かい歓迎を受けた。北方領土へ北海道知事が渡ったのは1941(昭和16)年に択捉島を訪れた戸塚九一郎道庁長官以来、52年ぶり。

一行のチャーター船が古釜布港沖に着くと、南クリール地区議会のテレシコ議長がはしけで出迎えた。岸壁では子供や女性を中心に約300人の島民が歓迎の横断幕や花束を持って待ち構えた。バルカシン同議会副議長は「国後と北海道の友好が深まることを期待します」とあいさつ。知事は民族衣装の女性が差し出した歓迎のパンと塩を笑顔で口にした。

出迎えた女性の一人は「日本は私たちに経済協力をできるはず。日本人とロシア人が島で仲良く暮らせるよう、横路知事に期待している」と語った。

一行のうち、知事を含む23人が10組に分かれ、同夜のホームステイ先へ向かった。《共同通信》

【天皇、皇后両陛下】ベルギー入り

天皇、皇后両陛下は6日夕、ボードワン・ベルギー国王の国葬参列ため、日航特別機でブリュッセルに到着された。メルスブルック軍用空港には、おいのフィリップ殿下、デハーネ首相らが出迎えた。葬儀に先立ち両陛下は同日夜、王宮の「思索の間」で、ボードワン国王の棺に3分間の黙とうをささげ、最後の別れを告げた。両陛下は7日午前、サンミシェル大聖堂で行われる国葬に、エリザベス英女王、ミッテラン・フランス大統領ら各国王族、元首らとともに参列する。《共同通信》



8月6日のできごと