平成1671日目

平成5年8月5日(木)

1993/08/05

【特別国会】「細川政権」持ち越す

衆院解散・総選挙を受けて5日召集された第127特別国会は、首相指名、正副議長選出、会期議決がすべて見送られる異例の幕開けとなった。社会、新生など非自民5会派は細川護熙日本新党代表)を第79代首相とする連立内閣発足を目指した。しかし、衆院議長に土井元社会党委員長を推す5会派と、比較第一党からの選出を主張する自民党が激しく対立。首相指名のための衆院本会議は開かれず、同夜の本会議で議事日程延期の手続きを取っただけに終わった。このため首相指名、組閣作業は6日以降にずれ込んだ。

与野党折衝の打開の見通しが立たないことに加え、天皇陛下のベルギー国王葬儀参列などの絡みから、組閣は9日以降に遅れる可能性が強まった。国会召集日に会期幅さえ決まらなかったのは1947年5月の第1回特別国会以来。

自民党一党支配から連立政権への移行という新しい情勢の中、政局運営の主導権を狙って自民、非自民が激突した形だ。細川氏は、議長問題について「筋の通った進め方」をすべきだとして、自民党に対する強硬方針を支持。河野自民党総裁も森幹事長に「非妥協の方針」を指示した。

5日、断続的に開かれた衆院各派協議会で、自民党は議長選挙について、慣例通り自民党から選ぶべきだと主張、自民・非自民双方の幹事長・書紀長クラスの代表者による一対一の会談を要求した。これに対し5会派側はあくまで各派協での話し合いを主張して代表者会談を拒否。夕方開いた書記長クラスの会談で①議長は政権与一党(非自民)側から出すベきだ②合意できなければ選挙で決するべきだ—などの原則を確認し、自民党が受け入れなければ本会講を延会するとの強硬な姿勢を示した。

自民党首脳は同夜、打開への条件として①将来の交渉窓口の一本化②特別国会会期内での首相所信表明演説の実施—を要求する意向を表明したが、折衝は時間切れとなった。

閣僚人事では新生党の羽田党首が副総理格の蔵相の線だったが、その後の調整で外相の可能性が強まった。新党さきがけの武村代表が官房長官に確定したほか、山花社会、石田公明、大内民社の各委員長の入閣が決まっている。《共同通信》



【宮沢内閣】総辞職

宮沢内閣は5日午前9時半からの臨時閣議で総辞職した。一昨年11月5日に海部前内閣を引き継いで以来、在職日数は640日に及んだ。《共同通信》

5日召集された特別国会は首相指名を6日以降に持ち越した。宮沢内閣は同日午前に総辞職したが、憲法71条の「内閣は、新たに首相が任命されるまで引き続きその職務を行う」との規定に基づき、いわゆる職務執行内閣として存続、内閣の空白期間はできない。

衆院議長の選出もできなかったが、国会法に基づき本会議の運営は各派協議会を経て衆院事務総長が行う。《共同通信》

宮沢首相は5日昼、官邸職員の見送りを受けて首相官邸を去った。記者団から感想を問われて「特にないな」とだけ語った。内閣総辞職した同日午前の臨時閣議に臨む際も「ふだんと何ら変わらんな」とし、記者団が「昨晩は十分お休みになれたか」と聞いたのに対して「いつもと一緒だよ」と平静を装っていた。《共同通信》

【政界談話室】

○…自民党の河野総裁は5日昼の両院議員総会であいさつ、「われわれは国民の負託を受けて長年ににわたり日本を支え、今日の日本を立派に築いてきた自負を持っている」と自民党の実績を強調。「先輩の経験、若い人の意見を一つにまとめ、国民の圧倒的な支持を受ける日が来るために努力しなければならない。微力だが、皆さんの力を一つにして渾身の力お振り絞って、立派にこの国会を戦いたい」と政権奪回に向けた党内結束を呼び掛け、満場の拍手を浴びた。自民党初の下野が確定する日だけに、最後まで表情は厳しかった。

○…新生党の奥田敬和氏は、この日午前、憲政記念館で行われた「新しい連立政権を支持する議員の集い」で議員運営委委員長候補として紹介され、「私も昨日までいた党だから口汚く言いたくないが、なんと頑迷な分からず屋であるかな」と国会開幕をめぐる自民党の対応を批判。同時に「自民は首相指名(投票)で、どこの党とは言わないが、ああいった戦術は取らないだろう」と、昨年国会の国連平和維持活動(PKO)協力法をめぐる社会党の牛歩戦術もチクリ。同席した議長候補の土井たか子元社会党委員長も苦笑い。《共同通信》

【阪和銀行副頭取射殺事件】

5日午前7時50分ごろ、和歌山市堀止西、阪和銀行副頭取Aさん(62)が自宅前の路上で、迎えの乗用車に乗ったところ、近付いてきた男がドアを開けて短銃を発砲、逃走した。Aさんは病院に運ばれたが出血多量でまもなく死亡した。

和歌山県警は社用車での出勤時を狙った計画的な殺人事件とみて和歌山西署に捜査本部を設置。融資をめぐるトラブルの有無や暴力団との関係などを中心に関係者から事情を聴くとともに男の絵姿を公表、捜査を進めている。

解剖の結果、Aさんは右胸に2発、右腹に1発の銃弾を受けていた。他に銃弾は見つからなかった。短銃は体内の銃弾から38口径のリボルバーと分かった。《共同通信》

【中国・深圳】大爆発、270人死傷

中国南部の深圳経済特別区で5日午後、二回にわたって大規模な爆発が起き、香港の中国通信は死亡者は70名、負傷者は200人に上る可能があると伝えた。日本の外務省によると、日本人は含まれていない。

最初の爆発があったのは午後1時25分(日本時所同2時25分ごろ、硝酸アンモニウムとみられる可燃物を所蔵していた倉庫で発生。続いて午後2時半(同3時半)ころ、その火や熱で同市最大のガスクタンクが爆発、最初の爆発の教出作業に当たっていた公安当局者などが死傷した。

広東省の南部にある深圳は、市の一部が1980年に経済特別区に指定されて以来急速に発展、外資を積極的に導入し、中国経済を飛躍的に発展させるけん引車の役割を果たしてきたが、「過去最大の産業災害」(市当局者)となった。《共同通信》



8月5日のできごと