平成1635日目

平成5年6月30日(水)

1993/06/30

【日本新党・細川護熙代表】総選挙後に新・新党

日本新党の細川代表は30日午後、熊本県庁で記者会見し、自民党を離党した新党さきがけ(武村正義代表)と総選挙後に合流し、「新・新党」を結成したいとの意向を鮮明にした。 また、さきがけとの合流を念頭に「政権交代、政界再編の受け皿の一角になるものとして、ぜひその役割を担うだけの議席を確保したい」と述べ、総選挙では、候補者をさらに増やし、70−80人を擁立する強気の方針を示した。

その一方で、新生党と野党との非自民連立政権構想については「基本的理念、政策がかけ離れているのに政権にすり寄る姿勢とは明確に一線を画したい」と、同構想参加に否定的な見解を打ち出した。 さらに日本新党と自民党との連立についても「今の体質を持ったままの自民党の延命に手を貸すつもりはない」と強調し「新・新党」結成で「第三の極」として独自の立場を目指す考えを明確にした。

細川氏は熊本での記者会見に先立って大分県別府市で、さきがけの衆院立候補予定者を応援し「さきがけとはまだ婚約前の段階だが、選挙が終わったら正式に結婚式を挙げる段取りになっていく」と述べた。会見でも「さきがけが加わることによって日本新党の信頼感がはるかに増幅される」と語った。

細川、武村両代表は7月3日都内で会談し、総選挙での選挙協力について協議する予定。細川氏は選挙協力を両党の「婚約」と位置付け、福岡2区や栃木1区、神奈川1区などで積極的に協力体制を組む方針だ。

同じ“新党”の立場にある新生党に対して細川氏は遊説で「政治は力、力は数という論理で動く改革派と称するグループも見られるが、私たちは数の論理で政治を進めていく人たちとは明確に一線を画している」と訴え、名指しは避けながらも旧竹下派の中枢部分にいた新生党の政治手法に厳しい認識を表明した。

日本新党の細川護熙代表は30日、熊本市で記者会見し、7月4日公示の総選挙に熊本1区(定数5)から出馬すると発表した。細川代表は出馬の動機について「半世紀近く続いてきた自民党の一党支配体制の政治状況が、この総選挙を機に間違いなく壊れていくだろう。この流れを決定的なものにしていくために、私自身も熊本から立つ決意をした」と説明。有権者に対しては「政権交代にイエスと言うのかノーと言うのか、そのことを徹頭徹尾訴えていきたい」と強調した。《共同通信》



【宮沢喜一首相】過半数獲得へ決意

自民党は30日、党本部で総選挙態勢を固めるため全国幹事長会議を開いた。宮沢首相はあいさつで「何としても政治の安定を大切にしなければいけない。岩をつめではい上がる気持ちで厳しい状況を切り開きたい」と、過半数議席の獲得に強い決意を表明した。

しかし、質疑では各都道府県連の幹事長から、政治改革法案をめぐる党内意見の集約方法や、地方の意見が反映されなかったことに疑問や批判が噴出。今回の党分裂の事態を引き起こした執行部に対する地方組織の反発と不満の高まりが浮き彫りになった。

首相は「こういう厳しい状況下で選挙を行うことになり、誠に申し訳ない」と、陳謝しつつも、新生党と野党の連立政権構想について「政治改革だけが国政のすべてではない。そういう人たちがどうやって政治を主導することができるのか」と激しく批判し、安定政権の必要性を訴えた。梶山幹事長も「安定か不安定な連立かを問う選挙だ」と、あくまで過半数確保を目指すことを強調した。

これに対し質疑では、石川県連の石本幹事長が「自民党と新生党の政策の違いがあるのなら明らかにすべきだ」と求めたほか、党執行部の政治改革法案の処理について「申し訳ないで済む話ではない。永田町だけで法案を作って地方の声を取り入れなかった」(京都)「今(の党の態勢)は上意下達だ」(鳥取)などの批判が続出した。

単純小選挙区制の党議決定変更を認めなかった総務会の運営の在り方についても「党内民主化に問題があったのではないか」(福井)などの意見が出た。最後は宮沢首相が「過ちを反省し、皆さんと一緒に戦って党の名誉を回復するため、全身全霊を挙げて選挙を戦いたい」と締めくくった。《共同通信》

【政界談話室】

○…宮沢首相は30日の自民党幹事長会議でのあいさつを「長年政治行動を共にしてきた人が党を離れていったのは、総裁である私の不徳の致すところ」と神妙におわびの弁で切り出した。しかし、続けて「(衆院)解散のドラマで消された部分がある」と秘話として持ち出したのが、解戦直前の議長あっせんの話。「私は、私自身の責任でお受けしたが、この各党首はついに議長の所へ出掛けなかった」と、解散の責任は野党にあると言わんばかり。自分の意のままにならなかった今回の政局に対する悔しさがいまだにありあり。

○…訪韓中の武藤外相はこの日、ソウルの青瓦台に金泳三大統領を表敬訪問。大統領は「サミット前に、しかも日本の政局が混乱している中訪問してもらった」と歓迎。外相は「大統領は素晴らしい90%の支持率だが、わが内閣支持率は最低」と説明。「高い支持率をまねることができるよう勉強して帰るのが会談と同様に大切だと思う」と今回の訪問の目的を披露した。先に「宮沢首相が亡くなれば自民党は大勝利する」と発言し物議を醸した外相だが、果たして首相に支持率アップの秘策を訪韓のお土産として持ち帰ることができたかどうか。《共同通信》

【スポーツ平和党】猪木氏が党首辞任

スポーツ平和党の江本孟紀参院議員は30日午後、東京都内で会見し、アントニオ猪木参院議員が同党の党首を辞任したことを明らかにした。29日開かれた同党の幹事会での決定で、党首は空席とし当面は党首代行の江本氏が党を代表する形になるという。

江本氏によると、猪木氏は、元秘書から脱税で告発されるなど党に迷惑をかけたことの責任を取った。脱税問題などをめぐって同氏と対立関係にあった新間寿幹事長も同様に辞任したが、2人とも党には残る。また江本氏は総選挙について「候補者を立てることは無理になった」と語った。

一方、猪木議員も同日、江本氏とは別に会見し「党を守るために党首を辞める」と述べたが、告発については「すべてねつ造だ。ぶ告罪で訴えることも考えている」と改めて疑惑を否定した。《共同通信》

【文部省】教科書検定内容を公表

来年度から高校で使われる新しい教科番の検定が終わり、30日、文部省は検定内容を公表した。中学校教科書の「自衛権の明記」からさらに一歩踏み込み、日米安保条約などについて日米「対等」の記述を求める検定意見を付けて、“大国日本”の立場を明確にさせたのが特徴。

この観点から国連平和維持活動(PKO)について詳しく書かせたり、政府開発援助(ODA)について肯定的な記述を求めるなど国際貢献の必要性が強調されている。

日本史では、日本軍の関与を認めた政府方針に沿って「従軍慰安婦」記述が7社9点すべての教科書に登場。一方、理科を中心に15点が不合格となるなど新学習指導要領への準拠を求める姿勢が一段と強まり、教科書作りの画一化傾向が進んだ。

生命倫理や夫婦別姓など時代に合わせたテーマが登場したが、新科目の総合理科は申請がなく、教科書が新要領スタートに間に合わない異例の事態となった。新要領と新検定制度に基づいた教科書検定は、小、中学校に続き3回目。

公民科で文務省は、「安全保障と防衛」につい①自衛隊の存在と憲法9条の関係②日米安保条約③国連の集団安全保障—を柱にチェック。自衛隊については、自衛隊法に基づいて成立したことを書かせ、存在が国民的合意に基づくと強調。争いがあるのは、自衛隊が「戦力」にあたるかどうかという点だ、との立場から意見を付けた。

安保条約については、日米が「対等」であることを明記させ、非武装中立論の記述にも「大国になった日本にとっては無理な話」(文部省)との見地から「現実的なことを書け」と検定意見を付けた。

PKOについては、国連の安保機能に協力する活動であることを詳細に書かせ、PKO協力法の成立も加筆させた。倫理でも検定の結果「環境破壊、国際紛争の解決などに際して、日本の貢献を求める声がある」との記述が登場するなど、各科目で「国家貢献」の加筆が目立った。

初めて全部の教科書に登場した「従軍慰安婦」について文部省は「詳細は調査中」と慰安婦の人数などを削除、補償問題の記述にも厳しい意見を付けた。

理科では、範囲の逸脱や項目別の分量など編集の仕方まで踏み込んで検定した。今回の検定では、文部省の検定意見を不服とした執筆者の高校教跡が裁判を起こした。《共同通信》

【Jリーグ第14節】鹿島、止まらず

サッカーのJリーグ第14節は30日、栃木県グリーンスタジアムなどで5試合を行い、首位の鹿島アントラーズは黒崎、石井の得点でジェフ市原を2-0で破り4連勝、通算成績を11勝3敗とし、優勝まであと3勝に迫った。

2位の横浜マリノスはディアスの2試合連続ハットトリックの活躍から浦和レッズに5-1で快勝、4連勝で9勝5敗とした。横浜Mは第15節(7月3日)で鹿島と対決する。このほかヴェルディ川崎と清水エスパルスは1-1でPK戦にもつれ込み、川崎が4-2で勝ち、8勝6敗で3位につけた。5連敗中だったサンフレッチェ広島は2-0で名古屋グランパスに勝ち、ガンバ大阪も2–1で横浜フリューゲルスに競り勝った。《共同通信》

【東京高裁】芸名「加勢大周」使用を認める

映画「稲村ジェーン」の主演などで知られるタレントの加勢大周さん(23)の独立をめぐり、芸能プロダクション「インターフェイスプロジェクト」が「専属契約は解消されていない」として、加勢さんに芸名使用の禁止などを求めた訴訟の控訴審判決が30日、東京高裁であった。

山下薫裁判長は「契約は既に終了しており、芸名の使用許諾権はインター社にない」と判断、インター社の主張を認めた一審判決を取り消し、同社の請求を棄却。加勢さんが芸名を自由に使って活動できるとの加勢さん側逆転勝訴を言い渡した。《共同通信》

【米通商代表部】対日制裁を見送り

日本の建設市場の開放問題で、米通商代表部(USTR)は30日、6月末に発動できるとしていた対日制裁をいったん見送り、制裁発動の期限を10月1日まで4カ月間延期すると発表した。

カンター通商代表は声明で「日本政府が米側提案に基づいて協議することに同意した」と延期理由を説明したが、同時に「日本で新しい政権が成立したら交渉を始めたい」としており、7月18日の総選挙が終わるまで交渉を中断し、日本の政治情勢が落ち着くのを待って再交渉する考えを示した。

取りあえず制裁が回避されたことで、先進国首脳会議(東京サミット)の重要議題である新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)の市場参入交渉や日米包括経済協議準備会議への悪影響はなくなった。しかし、カンター代表は「この分野の問題はよく知られている」と述べ、仙台市の公共事業をめぐる汚職事件や金丸前自民党副総裁の脱税事件など建設業界の談合体質を暗に指摘し、日本の建設市場を「確実に開放することで合意しなくてはならない」と、強い意欲を示した。《共同通信》

【ウォン・ガークイさん】死去

フジテレビのバラエティー番組収録中に起きた転落事故で、頭を強く打って意識不明の重体だった香港の人気ロックグループ「ビヨンド」のリードボーカル黄家駒(ウォン・ガークイ)さん(31)が30日午後4時15分、入院先の東京女子医大病院で死亡した。

黄さんは24日午前1時15分ごろ、フジテレビの第四スタジオで、「ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!」の収録中、プールサイドのセットでウッチャンこと内村光良さん(28)らと演技をしているうちに濡れたセットの床で滑って背景パネルにぶつかり、内村さんとともにセットとパネルにできたすき間から3メートル下に落ちた。内村さんは胸に軽い打撲傷を負った。《共同通信》



6月30日のできごと