平成1586日目

平成5年5月12日(水)

1993/05/12

【カンボジアPKO】政府、安全対策を協議

政府は12日午前、村田自治相(国家公安委員長)の帰国を受け、首相官邸で「カンボジア安全対策関係閣僚会議」と「国際平和協力業務安全対策本部会議」を相次いで開き、死傷者が出た文民警察官をはじめ国連平和維持活動(PKO)派遣要員の一層の安全対策を協議した。その結果①危険地域での文民警察官の再配置を、総選挙の投票所削減措置との絡みで国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)および関係国と協議する②日本人文民警察官の状況把握と安全対策指示のため、山崎隊長らがヘリコプターなどを使い、各地を巡回する③手薄になっているUNTACの輸送手段支援策を検討する—を決定、直ちに現地の派遣隊に指示するとともに、UNTACなどとの協議を始めた。

決定内容のうち、投票所はUNTACが約1800カ所から約1400カ所に削減する方針を決めているが、削減場所に応じる形で日本を含む文民警察官の再配置を政府はUNTACなどと具体的に協議することにしたものだ。UNTACの輸送手段支援は、ヘリコプターやトラックなどを日本がタイなど周辺国から借り上げて支給する方法などが検討されている。河野官房長官は会議後の記者会見で、これらの一措置はいずれも日本のPKO実施計画を変更するものではないと述べた。

山崎隊長らの巡回はヘリコプターか場所によっては車で、緊急度の高い地域から行うことにしている。その際、安全対策に必要な資材などを運ぶ予定だ。

河野長官は会見で、個々の警察官が任務を続行する意思があるかどうかの確認を山崎隊長らが行うかどうかとの質問に対し「職務遂行の条件を整えることが巡回の目的」と述べ、文民警察の任務はあくまで続行させるとの方針を示した。《共同通信》



【TUBE】シングル「夏を待ちきれなくて」発売

【宮沢喜一首相】カンボジア総選挙貫徹まで協力続行

宮沢喜一
https://www.kantei.go.jp/

宮沢首相は12日午後、首相官邸で内閣記者会会見し、情勢が緊迫化するカンボジアの国連平和維持活動(PKO)について見解を表明した。この中で首相は、日本から派遣中の自衛隊施設部隊、文民警察隊などの任務継続について「選挙が無事に行われるという目的を貫徹すべきだ」として、新たな犠牲者が出る事態になったとしても、23日から28日までの選挙完了まで業務の中断、撤退はないことを言明した。

ただ首相は選挙後の状況については「国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)がカンボジアから何を求められるか予想が難しい」と確答を避け9月までの自衛隊、7月までの文民警察隊の派遣期間を短縮する可能性に含みを残した。

首相はUNTACに対し、食料輸送などの強化を図るため、車両など輸送手段の調達費用として100万ドル(約1億1000万円)を供与する考えを表明した。

首相は殺害された国連ボランティア中田厚仁さん、文民警察官高田晴行警視=二階級特進=に改めて哀悼の意を表するとともに国際平和協力本部長として派遣を指示した立場から「断腸の思い、深く責任を感じる」と述べた。

首相はポル・ポト派が選挙妨害をしたり、それによって死傷者が出たことについて「現実には、和平プロセスの過程で武装解除が思ったようにいかなかったのが一つの原因」と指摘。また、日本のカンボジアPKO参加に当たって政府として、停戦合意が成立し任務は安全などと説明してきたことについて、首相は「私自身はいつも注意深く、説明してきた」と指摘、安易に派遣決定したものではないとの考えを強調した。《共同通信》

【村田敬次郎自治相】「国連の指揮下で撤退」

日本人文民警察官射殺事件を受けカンボジアを訪問、帰国した村田自治相は12日午後、自治省で記者会見し、国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)に参加している日本の文民警察隊などは任務遂行に当たり「完全に国連の指揮下で動く。日本独自の判断で撤退することはあり得ない」と強調した。

会見後「国連平和維持活動(PKO)協力法上は独自の判断で撤退できるが、判断に当たってはUNTACと十分協議していくこととなり、現実問題としてわが国と国連の間で判断が食い違うことは想定し難い」と補足説明したが、従来の政府見解からさらに一歩踏み込み「国連の指揮下」を明確に認めた。《共同通信》

【政界談話室】

○…宮沢首相は12日朝、カンボジアの国連平和維持活動(PKO)視察から帰国した村田自治相から報告を受けたのを皮切りに、参院本会議での答弁、記者会見、とPKO問題で一日忙殺された。あまりの忙しさからか機嫌も悪く、参院本会議が村田自治相の現地報告をめぐり一時中断したことを記者団に質問されても「なぜだか分からないなー」とぶ然とした表情。PKO協力法成立でスクラムを組んだ公明、民社両党からも政府の対応に批判がましい声も飛び交い、一方で政治改革の決断のタイムリミットも迫ってくるという日々にイライラは募るばかり?

○…前日、体の不調を訴えて入院した自民党河本派の河本敏夫会長がこの日退院し、都内の病院で記者会見。「一晩ゆっくり寝ました。同志諸君やプレスの皆さんにご心配をおかけしたが、主治医の先生や若い医局の先生のおかげで退院できることになった」と退院の弁。81歳と高齢なうえ、5年前にも不整脈で倒れた経験のある河本氏。周囲の「少しはゆっくりした方がいい」との声をしり目に「明日から公務に復帰します。地方遊説も各種会合もどんどんやりたい」難題山積の国会を前に、寝てはおられぬといった様子。《共同通信》

【大相撲夏場所4日目】横綱、大関がそろって白星

大相撲夏場所4日目(12日・両国国技館)今場所初めて横綱、大関がそろって白星。大関を目指す関脇若ノ花は4連勝を飾った。曙は霧島を一方的に突き出し4戦全勝。貴ノ花は寺尾の突き、押しをかわして逆に押し出して3勝1敗。小錦は関脇若翔洋を寄り切り4連敗を免れ初日を出した。若ノ花は琴別府を上手投げに退け、関脇武蔵丸は物言い取り直しの末に全勝を守った。《共同通信》

【余部鉄橋列車転落事故】指令長らに有罪判決

昭和61年12月、兵庫県香住町の旧国鉄山陰線余部鉄橋から回送中のお座敷列車(8両編成)が転落、6人が死亡、6人が重傷を負った事故で、業務上過失致死傷、同往来妨害の罪に問われた当時の福知山鉄道管理局列車指令長A(50)、同副指令長B(44)、同指令員C(44)の3被告の判決公判が12日午後、神戸地裁で開かれた。

加藤光康裁判長は、A被告に禁固2年4月、B被告に同2年、C被告に同2年6月、それぞれ執行猶予3年(求刑各禁固2年6月)を言い渡した。

判決理由の中で、①列車を鉄橋に進入させれば強風で脱線、転覆の危険性があると知り得たのに、列車を止めず、注意義務を怠った責任は重い②社会に与えた衝撃は大きく、公共交通機関の安全性に対する信頼を揺るがせた―などとした。

また、同裁判長は判決の中で強風についての事故防止設備に不備、欠陥があり、現場の指令員に強風の危険性に対する特別な教育もなかったなどと旧国鉄当局の管理責任にも触れ、3被告に刑の執行を猶予した。

起訴状では3被告は、京都府福知山市のCTCセンター(列車集中制御所)で業務に就いていた61年12月28日午後1時10分ごろから2度にわたり、余部鉄橋で風速25メートル以上の強風が吹いていることを示す警報装置が作動、列車が転落する危険があったのに、列車を進行させた。《共同通信》

【ペンタゴン】誕生50年

チェイニー前国防長官も迷子になったことがあるという「世界最大のオフィスビル」米国防総省(通称ペンタゴン)がことし建設50周年を迎え、12日にアスピン国防長官が出席して記念式典が行われた。

第二次世界大戦から朝鮮戦争、最近では湾岸戦争の総司令部として活躍したペンタゴンも老朽化には勝てず、建物内で働く軍人や職員約2万5000人は、日に20−30回起きる部分的停電や、効かない冷房に悩まされている。

このため昨年2月には5600万ドル(約62億円)の予算で冷暖房装置の修理が始まったが、冷戦終結に伴う国防予算削減の波を受け、10年で10億ドル(約1110億円)を掛けるビルの全面改修計画は延期された。

5階建てのビルは1943年、ワシントンからボトマック川を挟んだ湿地帯に完成、五角形の形からペンタゴンの名で呼ばれる。このほど米歴史記念建築物に指定された。総床面積は61万平方メートルと、エンパイア・ステートビルの約3倍。駐車場は1万台分、トイレ一は280カ所。一日の郵便物は約13万通、コーヒー消費は3万杯もある。《共同通信》



5月12日のできごと