平成1574日目

平成5年4月30日(金)

1993/04/30

【宮沢喜一首相】豪・キーティング首相と会談

宮沢喜一
https://www.kantei.go.jp/

宮沢首相は30日午前、キャンベラ市内のオーストラリア議事堂でキーティング首相と2時間にわたり首脳会談を行った。両首脳は国際貿易問題について、最近の地域主義や保護主義の動きに懸念を表明。

宮沢首相は先の日米首脳会談で米側が要求した貿易の分野別目標数値設定について「第三国の利益にならない」と述べ、キーティング首相も同意した。両首脳は「新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)の早期妥結の文脈で解決することが必要」との考えで合意した。《共同通信》

宮沢首相が30日のオーストラリアとの首脳会談で、米国による貿易分野別の目標数値設定要求に言及したのは、日本と同様に自由貿易体制の維持を生命線とするオーストラリアの同調を得ることで、米クリントン政権が強めつつある管理貿易の動きをけん制する狙いだ。

首相は会談の席上「第三国の利益にならない」と指摘。米国の対日管理貿易圧力が強まった場合には欧州やオーストラリアなどの対日貿易にも影響が出るとの考えをほのめかした。

オーストラリアは石炭、鉄鉱石や農産物を中心とする第一次産品の輸出大国。主要な輸出相手国のトップが日本であることから、オーストラリア国内では「米国の対日輸出増大のあおりで日本市場から締め出される」と懸念する声も出ている。《共同通信》



【宮沢喜一首相】G7声明で円高に歯止め

宮沢首相は30日午後(日本時間同)、キャンベラ市内のホテルで内外記者団と会見し、円高問題に関連して「先進7カ国蔵相・中央銀行総裁会議(G7)の声明で為替市場のかく乱的動きは終止符を打つだろう」と述べ、クリントン米大統領の円高発言を契機とする急激な円高には歯止めが掛かるとの見方を示した。

オーストラリアとの首脳会談で両首脳が管理貿易的な動きに懸念を示したことについては「各国皆が自由貿易を進めていくことが大事だ」と述べ、自由貿易維持への国際的な協調に期待を表明した。

新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)の焦点であるコメ市場開放問題については、両国首脳会談でも取り上げられたことを明らかにし「日本は包括合意案では、農産物補助金と輸入国の国境措置のバランスが十分でないとの日本の立場は提起したい」と、コメの関税化受け入れに反対する考えを重ねて強調した。《共同通信》

【森喜朗通産相】アジア諸国が共同歩調を

インドネシアを訪問中の森喜朗通産相は30日、ジャカルタ市内の工業省でハルタルト商業工業調整相と、引き続き大蔵省でサレ・アフィフ経済財政調整相ら政府要人と相次いで会談した。

ハルタルト調整相との会談の中で森通産相は、米国が日本に求めている分野別輸入数量目標の設定について「日本に適用されると、将来はアジアにも適用されだろう。これは管理貿易につながるものであり、全アジア諸国の問題として対応していかねばならない」と述べ、アジア各国に反対の共同歩調をとるよう呼び掛けた。

午前中の会談ではハルタルト調整相が米国の通商政策について「米国は本当に保護主義に走ることはないのか。市場拡大を目指すインドネシアとしては心配している」と米国が管理貿易主義をとることに懸念を示した。これに対して森通産一は「米国は日米関係を重視し、自由貿易を守ることに変わりはなく、無謀なことはしないだろう」と基本的認識を示しながらも「輸入数量目標の設定は市場原理に反し、管理貿易につながるので反対である。これは日米間だけの問題でなく、アジアにも適用される恐れがあり、アジアの問題として対応する必要がある」と語った。

対インドネシア投資に関して森通産相は、同国がスイスの民間会社に通関業務を委託しているSGS検査について「手続きに時間がかかり過ぎるので簡素化に努力してほしい」などと要望し、ハルタルト調整相は「最善を尽くしたい」と改善を約束した。

また、森通産相は、発展途上国の経済成長と環境保全の両立を目指して同省が提唱しているグリーン・エイド・プランについて「インドネシアは重点国である」とし、5月下旬に通産省の実務者を派遣し、実施計画の協議に入る方針を明らかにした。《北國新聞》

【林義郎蔵相】IMF暫定委で演説

林蔵相は30日午前(日本時間1日未明)、国際通貨基金(IMF)暫定委員会で演説し、「旧ソ連などの社会主義諸国の市場経済への移行や発展途上国の経済発展のために、各国が協調して取り組む必要性が従来にもまして高まっている」と述べた。

さらに「日本は途上国への資金フロー(供給)を確保するため、政府開発援助(ODA)や貿易保険など新しい資金協力計画を策定中である」とし、途上国への支援強化のため協力計画を策定していることを明らかにした。

旧ソ連について、蔵相は「ロシアに対しては、東京での先進七7カ国(G7)外相・蔵相会議で支援がまとまった。ロシアが経済安定へ向けて自助努力を続けることが不可欠である」と語った。《共同通信》

【社会党、公明党】自民に党首会談求める

社会党の山花委員長と公明党の石田委員長は30日午後、国会内で会談し①今国会で政治改革を実現するため、両党は協力して努力を重ねる②連休明けに自民党に党首会談を求める―などで合意。自民党の単純小選挙区制案と社公の小選挙区比例代表併用制案が対立している状況を踏まえ、妥協案づくりでも「共同の努力を尽くす」ことで一致した。

しかし妥協案の内容に関しては、石田民が「連用制を含め、第三の案についても検討し、打開を図る」と民間政治臨調の小選挙区比例代表連用制への期待を表明したのに対し、山花氏は「併用制がベスト」と強調。「連用制が落とし所のヒントを与えるものになるかどうかは、衆院政治改革調査特別委員会の討議の推移による」と当面、国会論議の行方を見守る考えを示し、対応の違いを見せた。

山花、石田両氏は政治改革について、原点は政治腐敗の根絶であり、目標は政権交代可能な政治システムをつくること、との認識で一致。単純小選挙区制案に対して山花氏は「自民党の単独永久政権を図り、議会制民主主義を破壊する」と批判。「自民党はまず単純小選挙区制を撤回、棚上げすべきだ。宮沢首相のリーダーシップを求めたい」と述べた。石田氏も「これまでの議論で単純小選挙区制は駄目ということが、かなりはっきりしてきた」と指摘した。

臨調案について山花氏は「連用制だけでなく、政治腐敗防止の提言内容についても十分検討されるべきだ」と一括して検討していく考えを強調。石田氏は「(自民案と社公案の)相打ちは許されず、どうしても折衷案を考えざるを得ない」と連用制を評価した。《共同通信》

【自民党羽田派・羽田孜代表】並立制「望ましい」

自民党羽田派の羽田代表は30日、民放のテレビ番組に出演し、選挙制度改革の方向について「基本的には単純小選挙区制がいいが(世論には)多様な意見があるのも間違いないので、小選挙区比例代表並立制が一番望ましい」と述べ、与野党が海部内閣当時に廃案となった並立制を軸に妥協点を模索するべきだとの考えを示した。

羽田派では、民間政治臨調が提案した小選挙区比例代表連用制を「検討に値する案」と評価する見解をまとめているが、連用制反対論が根強い党内の状況に配慮し党内の妥協案作りを進める狙いとみられる。

また、羽田氏は、新党結成に踏み切った場合、羽田派内からかなりの脱落者が出るとの見方に対して、結束が固いことを強調しながらも「仮に自民党を出ることがあったら、全部まとまる必要はない」と述べた。《共同通信》

【政界談話室】

○…宮沢首相は30日午後(日本時間同)、オーストラリアのキーティング首相との首脳会談を終え、内外記者団との会見に臨んだ。先の訪米時、クリントン米大統領との共同記者会見では通訳なしですべて得意の英語で応答した首相だが、大統領の円高容認発言が飛び出すなど苦い思い出もあるためか、今回は同時通訳付きの日本語の応答。それでも冒頭には「グッド・アフタヌーン」とあいさつ。オーストラリア側記者の質問で聞き取れない部分があると英語で聞き返したり、応答の中でも英語で経済用語を多発。やはり英語で話してみせたいという様子だった。

○…自民党の羽田前蔵相はこの日、民放テレビに生出演し、政治改革の必要性を熱心に訴えた。しかしキャスターの質問は専ら羽田派の自民党からの脱党問題に集中。これには羽田氏も「とにかく選挙制度を変えないと新しいものが起こらない」とかわすのがやっと。さらに羽田派内で小沢自民党元幹事長が主導権を持っているのではと突っ込まれると不快感を示したが「(派閥を)動かしているのは表面的には私だ」と、ついつい二重構造を認める本音も。《共同通信》

【テニス モニカ・セレシュ選手】刺される

女子世界ランキング1位でセルビア出身のテニス界のスーパースター、モニカ・セレシュ選手(18)が30日午後、ハンブルクで行われていたトーナメントの試合中に、観戦中の男からナイフで背中を刺され、病院に運ばれた。傷は深さ1−2センチで、命に別条はないもよう。

犯人は現場で取り押さえられ、警察に引き渡された。警察発表によると、犯人は38歳のドイツ人で、セレシュ選手がけがを負えば試合に出場できなくなり、ドイツのシュテフィ・グラフ選手が再びナンバーワンになれる、と犯行の動機を話している。政治的背景はないとみられる。

セレシュ選手はセルビア北部のノビサド出身で、現在、米フロリダ州に居住。旧ユーゴスラビア内戦について政治的な態度表明を避けていたが、昨年7月のウィンブルドン大会では同選手をターゲットにしたとみられる爆弾騒ぎがあった。

セレシュ選手はこの日、準々決勝でブルガリアのマレーバ選手と当たり、第1セットを6-4で取った後、第2セットのコート交代の際の休憩時間中に男に襲われた。同選手は刺された瞬間、叫び声を上げ、コートで関係者に抱えられた。《共同通信》



4月30日のできごと