平成1536日目

平成5年3月23日(火)

1993/03/23

【日の丸焼き捨て事件】知花被告に有罪判決

昭和62年10月、沖縄国体のソフトボール会場で日の丸をポールから引きずり降ろし焼き捨てたとして器物損壊、威力業務妨害などの罪に問われた沖縄県読谷村波平、スーパー経営知花昌一被告(44)の判決公判が23日午前、那覇地裁で事件から約5年5カ月ぶりに開かれた。

宮城京一裁判長は最大の争点だった日の丸が国旗かどうかについて「多数の国民が日の丸旗を国旗として認識して用いており、起訴状記載の国旗は日の丸を指すと理解できる」とした上で「自己の信条にそぐわないからといって実力で日の丸旗を焼き捨てた犯行は容認できない」などとして同被告に懲役1年、執行猶予3年(求刑懲役1年6月)を言い渡した。事実上日の丸が国旗であるとの初の司法判断を示したものといえ、教育現場での日の丸論議な-どにも影響を与えそうだ。

判決で宮城裁判長は「現行法上、日の丸旗をわが国の国旗とする一般的な規定はなく、国旗について国民一般に何らの行為も義務付けていない」としながら、「現在、国民から日の丸旗以外に国旗として扱われているものはなく、多数の国民が日の丸旗を国旗として認識して用いている」と認定した。

その一方で情状について「(国体での)日の丸旗掲揚の決定過程での協議が不十分だったことが犯行を誘発させた面も否定できない。被告が(沖縄戦での)集団自決の調査などを通じて日の丸旗に否定的感情を持つようになったこと自体は理解し得ないわけではない」と述べた。

判決によると、知花被告は62年10月26日朝、同村の読谷平和の森球場で行われた第42回国民体育大会ソフトボール開始式中に、スコアボード上のセンターポールに国旗として掲揚されていた日の丸旗のロープをカッターナイフで切断して引きずり降ろした。さらにライターで火を付け日の丸を焼却、競技会の運営を混乱させた。

公判で知花被告側は焼却を認めた上で「日の丸が押し付けられようとすることに抵抗するための行動」と無罪を主張。「日の丸が国旗であるのは慣習法上明白」とする検察側と対立していた。《共同通信》



【河野洋平官房長官】韓国で元慰安婦から聴取へ

河野官房長官は23日午前の参院予算委員会で、第二次大戦中の韓国での従軍慰安婦問題で「文書の調査だけでは十分ではない部分がある。関係した方々の話を聴くことも考えている」と述べ、韓国内で元慰安婦から聞き取り調査を実施する考えを明らかにした。社会党の清水澄子氏の質問に答えた。政府が韓国内で聞き取り調査実施の意向を表明したのは初めて。

これまで実施してきた日本国内での資料調査では、韓国側が主張する「強制連行の事実」が証明されなかったため、官房長官は今後韓国政府や元慰安婦関係者らと協議の上、聞き取り調査を行う意向を示した。《共同通信》

【政界談話室】

○…宮沢首相は23日、国会内の大臣室に、北方領土に関する高校生弁論大会で受賞した北海道の女子高校生2人を招いた。首相は彼女たちの主張に興味津々らしく「ロシアにはどんな経済協力ができると思いますか」などと盛んに質問。「立場が対等であることが大切。お金の援助よりも、ロシアの考えを取り入れたらいいと思います」とのはっきりした意見に「向こう(ロシア)のしてほしいことですね」とうなずきながら聞き入っていた。焦点となっている対ロシア支援だけに、16歳の女子高校生にも、“お知恵を拝借”?

○…社会党の土井元委員長はこの日、自民党の鯨岡兵輔衆院議員らとともに、このほど岩波書店から出版したブックレット「三木〈政治改革〉試案とは何か」について議員会館内で記者会見。故三木元首相の追悼演説をした経験もある土井氏は「三木さんが実現させた政治倫理綱領などは議員手帳に書いてあり、議員は毎日持って歩いているのに、それを守っていないのがそもそも問題。いつまで三木さん(の名前を出さなければいけない状況)なの」と語気を強め、“護憲の土井”さんらしく久々のお説教。《共同通信》

【ロシア憲法裁判所】特別統治は違反

ロシア憲法裁判所は23日、エリツィン大統領が20日に導入を宣言した特別統治体制について議会との権限分割を定めた憲法3条などに違反するとして違憲との判断を出した。これを受け23日記者会見したハブラトフ最高会議議長は「大統領弾劾の条件は整った」と述べ、近く臨時人民代議員大会を招集して、大統領を弾劾・解任に追い込み、大統領代行にルツコイ副大統領を昇格させるとの意向を初めて表明した。

保守・中間派が優勢の最高会議は同日、緊急会議を開いたが、この日大統領の母親の葬儀がモスクワで開かれたことに配慮して、臨時人民代議員大会の招集問題や大統領弾劾問題の実質討議を24日に延期していったん閉会した。同会議は24日にも大統領解任を審議する臨時大会を早ければ今過中にも開催するこ一とを決定する見通しである。

大会で解任に必要な3分の2以上の賛成が得られるかは流動的だが、1991年7月に就任した大統領は就任以来初めて、議会による合法的解任の危機にさらされることになった。ロシアの改革路線も大きな岐路に立たされる。《共同通信》

【中村喜四郎建設相】入札制度の改善急ぐ

中村建設相は23日午後の参院予算委員会で、金丸前自民党副総裁の巨額脱税事件に関連して、大手建設会社(ゼネコン)が東京地検特捜部の捜査を受け、またゼネコンが金丸前副総裁に多額のヤミ献金をしていたと報道されたことについて「大手ゼネコンに調査が入ったことは誠に遺憾なことだ。不況が深刻な中で公共工事の果たす役割は大きく、国民の税金を使っていることを考えると、(公共工事の)執行には厳正に当たらなければならない」と建設業界の不祥事に遺憾の意を表明した。

その上で中村建設相は「指名競争入札制度の改善や、多様な入札制度の導入などを早期に実施できるよう指示している」と述べ、不正の温床となっている入札制度の改善を急ぐ考えを強調した。社会党の喜岡淳氏の質問に答えた。

また公明党の猪熊重二氏は、今国会で政治改革関連法案が成立しなかった場合の宮沢首相の責任についてただした。首相は「政治改革は焦眉の急の問題で、(今国会で)改革法案を成きせていただけると信じている」と述べたが、自らの政治責任には言及しなかった。また猪熊氏が、竹下元首相に対する党の事情聴取を再度実施する意思があるかどうかをただしたのに対し、首相は「法に触れる疑いがあるとすれば、党として聞かなければならない、が、前回(の事情聴取)以降、そういうことは承知していない」と述べ、自民党として検討していないことを明らかにした。《共同通信》

【大相撲春場所10日目】曙が3敗目

大相撲春場所10日目(23日・大阪府立体育会館)新横綱の曙が敗れる波乱があった。曙は三杉星のかく乱戦法に運び足を乱して送り出され、3敗となって優勝争いから後退。しかし好調の小結若花田は琴錦を会心の相撲で寄り切って、依然1敗のまま。新大関貴ノ花も寺尾を下手投げに下して見事勝ち越し、新小結若翔洋、新入幕の剣晃とともに2敗を守った。十両は星安出寿が2敗で単独トップ。この日も満員となり、平成元年九州場所の11日目から連続300日満員御礼の垂れ幕が下がった。《共同通信》

【米・クリントン大統領】エリツィン大統領支持を強調

クリントン米大統領は23日午後(日本時間24日未明)、ホワイトハウスで大統領就任後初の本格的記者会見を行い、政治的危機に立つエリツィン・ロシア大統領に対する強い支持を表明するとともに、4月3、4両日に設定されている米ロ首脳会談を予定通りカナダのバンクーバーで開催する方針を示した。

クリントン大統領は、エリツィン大統領が民主的な選挙で選ばれた初のロシア大統領であることを強調。「エリツィン大統領がロシアの政治的危機打開を国民の判断にゆだねることを提案したのは、適切な民主的措置だ」と述べ、4月25日に正副大統領の信任投票を実施するとのエリツィン大統領の方針を支持した。フョードロフ副首相らロシア側から、米ロ首脳会談の開催地をモスクワに変更したいとの考えが出ていることについてクリントン大統領は「今のところ、ロシア側から開催地変更の要請は届いていない」と述べた。同時に、24日にコズイレフ・ロシア外相と会談し、た後に「エリツィン大統領と電話で話す必要が出てくるかもしれない」とも述べ、ロシア側の意向によってはモスクワでの開催を検討することに含みを残した。

クリントン大統領は、対ロシア政策を①核戦争、核拡散の危険の除去を一層進め、世界をより安全にする②ロシアの民主化促進③市場経済化の促進—3原則に基づいて進める方針を示した。

大統領は米ロ首脳会談に向け、対ロ支援策の具体化を急ぐ構えであることを強調、今週中に議会指導部との意見交換を進めることを明らかにした。

また、エリツィン大統領個人に肩入れし過ぎるのは危険、との批判が米国内の一部に出ている点についてクリントン大統領は、「そうは思わない」と反論。同時に「米国はすべての改革派勢力支持する」と述べた。《共同通信》



3月23日のできごと