平成1510日目

平成5年2月25日(木)

1993/02/25

【金泳三氏】第14代韓国大統領に就任

韓国の金泳三大統領の就任式が25日午前10時からソウルの国会議事堂前の広場で行われ、32年ぶりに本格的な文民政権が正式スタートした。

金大統領は宣誓後の「皆とともに新韓国へ」と題する就任演説で、経済再生など3つの課題を訴える一方、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の金日成主席に対し「南北同胞の真の和解と統一を望むなら、これを論議するため、いつ、どこででも会うことができる」と南北首脳会談を呼び掛けるとともに、今世紀中に南北統一が実現するだろうとの見通しを明らかにした。

韓国大統領の就任演説で、これほど明確な南北首脳会談提案は異例。

午前10時、伝統音楽の調べに乗って入場した新大統領は開会宣言の後、右手を挙げて就任を宣言した。21発の祝砲がとどろく中、24日に退任したばかりの盧泰愚前大統領と団く握手し、政権を継承した。

金大統領はこれまで、南北首脳会談について「自然に実現するだろう」などと急がぬ姿勢を見せていたが、今回、金主席へのメッセージの形で具体的に呼び掛け、任期中に南北朝鮮の統一問題で成果を上げようとの並々ならぬ決意を表明した。また、金泳三政権が目標に掲げる「新韓国」は、南北に分断された民族が再び一つになり平和に暮らす「統一祖国」であるとして、新政権が統一をより現実的な射程に入れている立場を明確化している。

大統領は演説で「どの同盟国も(同じ)民族に勝ることはできず、いかなる理念や思想も民族はど大きな幸せをもたらすことはできない」と民族主義を強調した上で、首脳会談を提唱した。この会談で南北両首脳は、双方が同一民族であるとの原点に立ち、すべての問題を解決できるだろうと主張している。

大統領はさらに「新韓国の創造」について「他人がしてくれるものではない。大統領一人、政府の力だけでも達成できない。忍耐と時間、汗と涙が必要だ。みんなで苦痛を分かち合おう」と国民に参加と負担の分担を要求した。

また韓国の現状を「勤勉さや創意をなくし自信を失っている」とし、こうした「韓国病」から立ち直り①不正腐敗の根絶②経済の再生③国家記綱(法秩序)の確率—の3つの課題を実践することから、変化と改革を始めようと訴えた。

就任式には外国元首らは招かず、韓国の各界代表や外国大使ら約3万人が招待された。《共同通信》



【世界ノルディック複合】日本、団体も金

日本が五輪の王座を守る—。ノルディックスキー世界選手権第8日は25日、スウェーデンのファルンで2種目を行い、複合団体は前半のジャンプで首位に立った日本が後半の30キロリレーで2位ノルウェーに3分46秒3の差をつけ、昨年のアルベールビル五輪に続いて金メダルを獲得した。

世界選手権での日本の優勝は史上3度目で複合団体では初めて。荻原は1989年のトロンエイナル・エルデン(ノルウェー)以来、史上3人目の複合個人、団体2種目制覇を達成した。

前回の世界選手権銅メダルの日本は、ドイツに6分7秒、ノルウェーに7分44秒の大差で第1走者の河野孝典(野沢温泉ク)がスタート。第2走者の阿部雅司(東京美装)への中継で追い上げるノルウェーに5分16秒6、第3走者の荻原健司(北野建設)への中継で4分9秒0の差まで迫られたが、エース荻原が楽に逃げ切った。

女子のリレーはロシア(ビャルベ、ラズティナ、カプリリュク、エゴロワ)が54分15秒7で勝ち、女子距離4種目中3種目目の優勝を果たした。2位はイタリア、3位はノルウェー。日本は出場していない。《共同通信》

【宮沢喜一首相】政治改革「法案修正、柔軟に対応」

宮沢首相は25日、自民党政治改革推進本部と選挙制度調査会による合同総会に出席、法案成立へ先頭に立つ決意を表明した。「(法案提出後は)審議の経過を見ながら必要があれば対応を考えたい」と、自民党案の修正にも柔軟に対応する考え初めて明らかにし、宮沢主導での政治改革実現に意欲をみせた。

選挙制度では比例代表制を軸に法案化を目指す野党との間に接点はなく、党内では「改革が何もできないでは政権の命取りになる」との声が出ている。とりわけ羽田派は改革実現が先送りするような事態になれば新党結成をも視野に入れた何らかの動きを本格化させる。野党との接点を求めた現実的な道の選択は政治改革法案のつまずきで政局不安になるのを封じる狙いとみられる。

この日の総会でも、石原伸晃氏が「野党と十分議論して、妥協すべきところは妥協して成案を目指すべきだ」と強調した。推進本部が法案策定前に社会党、公明党の政治改革担当幹部と相次いで会談、選挙制度を「中心とした双方の主張の擦り合わせを行っているのも叩こうした首相の意向を反映している。

抜本改革を主張する若手議員は必ずしも単純小選挙区制にこだわっているわけではなく、並立制や併用制での改革を選択するべきとの意見も多い。

自民党は単純小選挙区制を基にした法案を今国会に提出する基本姿勢は変えていないものの、政治改革での成果を得るために各党案が出そろった後は小選挙区比例代表並立制など選挙制度の修正や政治資金規正法の罰則強化といった部分的な改革で妥協点を模索する現実的な動きに軌道修正させていく可能性が強い。《共同通信》

【政界談話室】

○…25日午前の政治改革推進本部と選挙制度調査会の合同総会に出席した宮沢首相は終了後、記者団に感想を開かれ「まあ、あれで大体いいんじゃないですか」と改革推進の意見が相次いだことに満足げだったが、小選挙区制導入への反対論も出たことには「いろいろ意見がありますよね」と人ごとのように受け流した。総会で「抜本改革の先頭に立つ」と胸を張っていた首相だが、3月中の取りまとめの展望を記者団から聞かれると「時間も十分あるわけだし…」と、最後はいつもの歯切れの悪さ。

○…社会党の赤松書記長はこの日昼の代議士会で、大苦戦必至の今夏の都議選対策について「都民の支持者カードを40−50万は集めて全部つぶしたい」と、議席3倍増に躍進した前回選挙で集めたカード数の10倍もの目標を掲げて熱弁。さらには「今回は党本部で共通の(デザインの)ポスターをつくり、全候補者について張り切りたい」と具体的戦術まで披露した。最近の代議士会ではコメ問題などで一言は赤松批判発言が出るのが恒例だが、この日の赤松氏は政策問題は回避して「党務専念」の姿勢をアピール。《共同通信》

【横田基地騒音訴訟】住民側一部勝訴

米軍横田基地(東京都)と米軍、自衛隊が共同使用する厚木基地(神奈川県)の航空機騒音をめぐり、周辺住民が国に夜間、早朝の飛行差し止めと過去、将来の損害賠償を求めた両基地(厚木は一次、横田は一、二次)の騒音公害訴訟の上告審判決が25日、最高裁第一小法廷であった。

横田訴訟で三好達裁判長は過去の被害賠償について、うるささ指数(WECPNL)75以上の地域住民への賠償を認めた二審判決を支持、住民、国側双方の上告を棄却し、住民側一部勝訴が確定した。厚木訴訟で味村治裁判長は、住民側全面敗訴となった二審判決のうち、過去の賠償を退けた部分を破棄し、審理を東京高裁に差し戻した。いずれも同小法廷の5裁判官一致の結論。《共同通信》



2月25日のできごと