平成1511日目
1993/02/26
この日のできごと(何の日)
【NY貿易センタービル】地下駐車場で爆弾テロ
世界的な金融機関が数多く入居している米ニューヨーク市マンハッタンの世界貿易センター、ツインタワービルの地下駐車場で26日午後0時18分(日本時間27日午前2時18分)ごろ、大爆発が起きた。市検視官事務所などによると7人が死亡、約500人が重軽傷を負った。日本総領事館によると、日本人4人が軽いけがをした。
米CBSテレビによると、原因は車に仕掛けられた200ポンド(約90キロ)のプラスチック爆弾。米連邦捜査局(FBI)は、クロアチア勢力を名乗る予告電話があったことから、国際テロ事件の可能性があるとしてテロ対策班を投入、捜査を開始した。ツインタワーは二つの超高層ビル(各110階)から成り、日系企業計37社も入居している。
AP通信によると、爆発の15分前に、クロアチアの軍事勢力を名乗る予告電話があった。事実とすると、混迷を深める旧ユーゴスラビア情勢に対する国際的関心を引きつけるための犯行とみられるが、確認はされていない。
CBSテレビによると、爆発現場は大統領がニューヨークを訪れる際、シークレット・サービスなどの警護車両が使用する駐車場。警護用のリムジン数台が破壊されたという。
地下二階にある駐車場で車に仕掛けられた爆弾が爆発、同階と地下三階の床に大きな穴があき、地下四階に破壊された床部分が落下した。爆発があった地下駐車場と隣接する通勤列車のプラットホームを隔てていた壁も破壊され、破片がプラットホームを直撃した。
当時、同駅付近は昼食をとるビジネスマンらで混雑しており、被害を大きくした。死者は、駐車場で爆発に巻き込まれたとみられる。爆発とともに一時火災が発生、煙がビル内を伝わり上層階の事務所にいた人までが煙を吸った。煙による被害を受けたのは数千人に上るとみられる。爆発直後、エレベーターは一時、すべて停止した。負傷者の一部は、屋上からヘリコプターで救出された。《共同通信》
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【WANDS】シングル「時の扉」発売
【故・服部良一さん】国民栄誉賞受賞
政府は26日午前、作曲家故服部良一氏の夫人万里子さん、長女初音さんを首相官邸に招き、宮澤首相から故人に対する国民栄誉賞を授与した。
表彰式には日本作曲家協会理事長吉田正氏らも出席。首相は「わが国音楽界の発展に貢献し、数多くの歌謡曲によって国民に希望と潤いを与えた」との表彰一状を読み上げ、万里子さんらに記念品の銀製花瓶などを贈った。
万里子さんは表彰式後、「主人は特別に物喜びする人だったので、早速帰ったら報告したい。古賀(政男)さん、長谷川一夫さんとも非常に親しくしていたので、(国民栄誉賞受賞者の)お仲間になれてうれしく思う」と喜びを語った。《共同通信》
【独・コール首相】来日
ドイツのコール首相が26日夜、特別機で羽田空港に到着した。コール首相の来日は1986年の先進国首脳会議(東京サミット)以来。27日に宮澤首相と会談し、7月の東京サミットに向けた対ロシア支援の在り方、国連強化などを話し合う。
ドイツ経済界の幹部らも同行、増加している対日赤字の改善策や低迷している世界経済について、宮澤首相や森通産相らとの間で意見交換される見通しだ。《共同通信》
【政界談話室】
○…社会党の木間章代議士は26日の衆院本会議で、政府提出の特定優良賃貸住宅供給促進法案に対して質問した。前置きでは「シャドーキャビネット(影の内閣)の建設担当者として住宅政策の所信を明らかにしたい」と“影の建設相”としての立場を強調。「住宅基本法を制定すべきだ」と表の内閣に論戦を挑んだが、宮澤首相は「各界に住宅政策のコンセンサスができていない」と受け流し、論戦にならず。本会議では質問と答弁が一方通行なだけに、影の建設相としての気負いだけが空回りした格好だった。
○…村上労相は26日の閣議後、国会内で河野官房長官に対し、俳句を書いた紙を手渡した。「けふ(きょう)もまた 黙(もだ)す閣議や春遠し」、「強東風(つよごち)や 黙して済まぬ事多し」の二句。記者会見で労相はその真意について「(課題が山積し)黙っていてはいけない時なのに、宮澤首相は何も言わない。もう少し閣議で活発に議論してほしいという気持ちを込めて書いた」と説明した。河野長官に「首相に渡してくれ」と頼んだが、長官は“黙って”紙をポケットに入れたということで、労相の切なる思いが通じるかどうか。《共同通信》
【進歩党・田川誠一代表】政界引退を表明
新自由クラブ結成に参画した田川誠一・元自治相(進歩党代表)=神奈川2区選出=は26日夕、神奈川県庁内で記者会見し、次期総選挙での立候補を断念、政界を引退する意向を表明した。
理由として田川氏は①33年の代議士生活は少し長すぎ、ことし6月で75歳となる年齢も考えて世代交代が必要と感じた②心身ともに元気なうちに余力を残して退くことが政治家として大事と思う—などを挙げた。
田川氏は今後の活動について「このまましばらく代表を続けたい」として当面、進歩党代表を続ける意向を示した。神奈川2区からの後継者問題については「進歩党としても、後援会としても全く白紙」を強調した。
田川氏は1960年に初当選して以来、当選11回。76年、河野洋平氏(現官房長官)らとともに自民党を離党して新自由クラブの結成に参画。80年2月から84年6月まで代表。この間、83年12月に自民党と連立を組み、中曽根内閣の自治相として入閣、84年11月まで務めた。86年の新自由クラブ解党後は、87年に進歩党を結成した。《共同通信》
【竹下登元首相】69歳の誕生日
竹下元首相は26日、満69歳の誕生日を迎えた。数えで70歳(古希)に当たる。例年なら東京・代沢の私邸に議員や関係者が集まって誕生会を開いていたが、折あしくこの日は社会、公明、民社3党が2回目の議員辞職勧告決議案を提出。世論にも配慮して今回は「おおげさなことはせず、ごくごく内輪で祝う」(竹下氏周辺)ことになった。
最近の竹下氏は「周りにご迷惑をお掛けしている」と漏らし、「蔵相経験者として、自分のことで予算成立が遅れることを気遣っている」(小渕派幹部)という。
ただ、一連の竹下氏をめぐる疑惑報道については週刊誌2誌に抗議文を提出、法的手段も検討している。竹下氏と会談した自民党幹部は「(マスコミの)ボディーブローも効いていない」と語るなど強気の反転攻勢の構えを見せている。《共同通信》
【ソニー】ワープロ分野から撤退
ソニーは26日、不採算のワープロの新機種開発を取りやめ、ワープロ分野から事実上撤退する方向で検討していることを明らかにした。景気低迷の長期化を受けた合理化策の一環。
同社は1985年にワープロ市場に参入し最盛期は月間約1万台を生産したが、その後はメーカー間の競争激化で販売不振に陥った。現在は「PJ-700」1機種に絞り、月間生産量は約500台に落ち込んでいる。
国内のワープロ市場は91年度で約263万台でシャープ、東芝、NEC、富士通、松下電器産業の5社が全体の約70%のシェア(占有率)を占めている。大手は年間10機種近い新製品を発売している上に、ワープロの普及に伴い、新規需要と並んで買い替え需要の比重が高まっており、下位メーカーは苦しい展開となっている。
同社は世界的な不況で主力のAV(音響・映像)製品などの売り上げ不振が都き、93年3月期のグループ全体の連結決算は営業、最終利益とも約20−70%の大幅減益を見込んでいる。《共同通信》
【NTT】3万人削減計画を推進
NTTは26日、1993年度から向こう4年間に社員を3万人削減する人員合理化を推進するため、これまでの採用抑制、自然減などに加え、新たに希望退職制度を実施する方針を明らかにした。同社が希望退職制度を導入するのは初めて。近く組合側に提示し、実施規模や条件などについて交渉に入る。さらに児島仁社長は93年度の事業計画発表の記者会見で、料金体系の見直しについて「3月中に社内の検討を終え、郵政省と相談したい。一日も早く実施してもらいたい」と述べ、市内電話料金を早ければ年内にも値上げしたいとの考えを明らかにした。
NTTの削減計画は、今年3月末の社員23万3000人を97年3月末までに3万人削減し、20万人体制にする。また地方と都市の間で人員配置に偏りがあるため、地方の社員を通動圏や県単位を越えて、広域的に人事異動させて、地方の人員を都市部に集中させるよう労組と交渉する。NTTの地方支社では地元採用の社員も多いため、遠隔地への転勤によって、事実上退職を促す狙いもあるとみられる。
NTTがこの日発表した1993年度の事業計画は、新電電との競争激化が一段と予想されるため、売上高は92年度見込みに比べて1.5%減の5兆8050億円、経常利益は34.9%減の1490億円と大きく業績が落ち込む見通し。《共同通信》
【米・クリントン大統領】通商政策演説
就任以来、国内経済の立て直しに全力を投入してきたクリントン米大統領は26日の通商政策演説で、7月の先進7カ国首脳会議(東京サミット)へ向けて米国が主導権を確保していることに強い意欲を示した。
大統領は、新政権が投資の拡大と財政赤字削減の両立を目指す包括的な経済政策をまとめたことを説明し、「サミットまでに議会がこの政策を承認していれば、ドイツや日本を含む各国に対し、世界経済の成長のために今度はあなたたちが努力する番だと言える」と述べた。
日本とドイツについては「米国とともにエンジン役を務めるべきだ」と力説、日本には財政面からのテコ入れ、ドイツには金利の引き下げを求めた。また、米国内の外資系企業に対しては、米国企業と同等の税負担を求めると重ねて強調した。
通商面では保護主義と一線を画す姿勢を明示すると同時に、関税貿易一般協定(ガット)の新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)や北米自由貿易協定(NAFTA)を推進していく方針を改めて示した。この点については演説終了後、ブッシュ政権で通商代表を務めたヒルズ女史も高く評価しており、政権交代によっても米国の通商政策には基本的に変化がないことを印象付ける点ではまず成功したといえる。
ウルグアイ・ラウンド交,渉の続行に欠かせない議会の一括承認手続き(ファスト・トラック)の延長期間など具体論には言及しなかった。《共同通信》