平成1507日目

1993/02/22

この日のできごと(何の日)

【国連安保理】戦争犯罪法廷を設置

国連安全保障理事会は22日、他民族を排除する「民族浄化」や大量虐殺、集団レイプなど旧ユーゴスラビアでの反人道的行為を戦争犯罪として裁く国際法廷を設置する決議を全会一致で採択した。

国際戦争犯罪法廷としては第二次世界大戦直後、ナチス・ドイツを裁いたニュルンベルク裁判、日本の軍部を対象とした極東軍事法廷以来。この二つはいずれも戦勝国が主宰しており、国際社会の総意として国連が主導する国際法廷は史上初めてである。

この日採択された安保理決議808は国際戦犯法廷の設置を決めただけで、構成や機能、刑罰など具体的な問題についてはガリ国連事務総長に60日以内に報告書の形でまとめるよう要請した。従って実際に法廷が開設されて審理を開始するのはかなり先になる。

決議によると同法廷は、1991年以降に旧ユーゴで発生したジュネーブ条約(1949年、戦時の文民保護)など国際人道法の重大な違反事件の責任者を訴追することが目的。同時に法廷設置により、今後同種の事件が発生することを抑える効果も狙っている。

訴追対象にはボスニア・ヘルツェゴビナにおける。民族浄化政策、強制収容所の設置などで国際的な非難を浴びたセルビア人勢力だけでなく、クロアチア、イスラム勢力も含まれる。《共同通信》

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【小和田雅子さん】母校訪問

皇太子さまとの婚約が決まった小和田雅子さん(29)は22午後、小学校から高校一年までを過ごした母校・田園調布雙葉学園(東京都世田谷区)を訪れ、恩師、生徒にあいさつした。 同学園によると、在校生約750人が体育館に集まり雅子さんを歓迎。生徒代表がお祝いの言葉を述べ花束を贈ると、雅子さんは「勉強、スポーツ、遊びに励んでください」と答えたという。雅子さんはこの後、外務省の同僚などが開く送別会へ向かった。

皇太子殿下ご成婚記念貨幣は5万円金貨、5000円銀貨、500円白銅貨の三種類発行されることが有力となった。22日に開かれたご成婚記念貨幣に関する有識者懇談会(座長・石川忠雄慶大塾長)の提案により発行の基本方針がほぼ固まったもので、大蔵省は今後、額面や発行枚数、デザインなどを最終的に詰め、正式決定する。発行時期は銀貨と白銅貨はご成婚前、金貨はご成婚後の秋口とする方針。 デザインに皇太子さまと小和田雅子さんの肖像を使用するかどうかについて、懇談会は賛否両論に二分された。大蔵省は懇談会のメンバーである画家の平山郁夫氏の指導を受けながらデザインの検討を進める方針。《共同通信》

【社会、公明、民社】減税4兆2600億円を要求

社会、公明、民社3党の政審会長は22日、国会内で会談し、1993年度政府予算案への対応として総額4兆2600億円の所得・政策減税を要求する共同案をまとめた。財源の大部分を占める4兆1000億円を償還期間5年未満の特例公債発行で賄うとしている。野党側が最初から赤字国債発行を当て込んで大規模な減税要求を掲げるのは異例。

3党は23日に細部の数字を確定した上、月内にも与野党協議を求める方針。自民党は住宅減税について景気への波及効果が大きいとして前向きの姿勢を見せているが、所得税減税には消極的でこの扱いが焦点となりそうだ。《共同通信》

【政界談話室】

○…宮澤首相は22日、国会が公聴会で時間が空いたことから、「上野の森美術館」で開かれているニューヨーク近代美術館所蔵絵画、彫刻などの展覧会へ。美術には興味があるだけにアンリ・ルソーの「眠るジプシー女」やセザンヌの「水浴の男」などに足を止め、ピカソの作品の前では主催者側の米女性に時代背景を英語で質問する熱心さ。記者団から好きな画家を募ねられ「おのずと好き嫌いはある」と言いながらルソー、セザンヌ、マチスの名を挙げた。ふだん政治課題には口の重い首相も、画家の好き嫌いについてはだれにも文句はつけられない、と思った?

○…社会、公明、民社3党の政審会長は4兆円規模の減税実施を目指して共同要求案作りに協議を重ねたが、その間開かれた社会党代議士会では日野政審会長に対して「消費税の(飲食料品)非課税化はどうなってるのか」「セレモニーで党の(減税)方針に入れただけなら重大な裏切りだ」と厳しい注文が相次いだ。執行部が所得減税を目指しているのに「所得税を納めていない国民に見えるのは(飲食料品への)消費税非課税化だ」と水を差す意見も飛び出す始末で、野党間調整に汗を流している日野氏も渋い顔。《共同通信》

【米・クリストファー国務長官】クウェート・ジャビル首長と会談

クウェートから伝えられたところによると、中東歴訪中のクリストファー米国務長官は22日、サウジアラビアのリヤドからクウェート入りしてジャビル首長と会談、クリントン米政権がイラクのフセイン政権に対してこれまで通りの強硬姿勢を貫き、有事の際にはクウェートを防衛すると確約した。

長官はその一方で、クウェートが女性への参政権付与など、より一層民主化を推進するよう求めたもようだ。

クリストファー長官はクリントン大統領がブッシュ前大統領と同様に湾岸の安全保障の軍事的責任を担っていくとの方針を伝え、とりわけイラクのフセイン政権に対しては湾岸戦争のすべての国連決議を履行するまで制裁を継続していくと伝えたという。

長官はこれに先立って21日夜、ファハド・サウニジアラビア国王と会談し、中東和平交渉再開への支持と協力を要請する一方で、米国のペルシャ湾岸防衛の方針を確認した。長官は特に国王にエジプト、シリア、ヨルダンの各指導者との話し合いの結果も報告、4月にワシントンで和平交渉を再開したいとの考えを明らかにし、サウジの支援を要請、これに国王が全面的な協力を約束したもようだ。

長官は22日中にクウェートからイスラエル首脳や占領地のパレスチナ人と会談するためエルサレム入りする予定。《共同通信》



2月22日 その日のできごと(何の日)