平成1476日目

平成5年1月22日(金)

1993/01/22

【宮沢喜一首相】わが国の「変革」を推進

宮沢首相は22日午後、第126通常国会召集に当たり衆院本会議で施政方針演説を行い、「冷戦後のかつてない歴史的変動の中で」①世界平和秩序構築のための積極的な国際貢献②生活大国づくり③国民に信頼される政治の確立(政治改革)―の三つを柱に、わが国の「変革」を推進するとの決意を表明した。特に、東京佐川急便事件を契機に国民の政治不信はかつて例をみない状況、との認識を示し「政治改革こそが変革の出発点」と位置付け、衆院への単純小選挙区制導入を柱とした抜本改革の今国会での実現に強い意欲を表明した。経済運営では、来年度予算の早期成立を訴え「経済情勢の変化に細心の注意を払い、機動的な対応を怠らない」として追加景気対策をにじませた。

首相は冒頭、皇太子殿下のご婚約決定について「わが国の明るい将来を象徴する」として祝意を示した。新平和秩序の構築では、「国力の増大に応じた責任と役割を積極的に果たさねばならない」と指摘。戦後日本が堅持してきた平和主義、国連中心主義の理念実現が現実的課題との立場から「人的貢献を含め国連を中心とする国際的努力にできる限り貢献する」と述べ、国連平和維持活動(PKO)や資金援助の拡充を強調した。

経済運営で首相は「依然、景気の低迷が続いている」との厳しい認識を示したが、「機動的対応」に関連して議論されている所得税減税実施や赤字国債発行問題には言及を避けた。

新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)については成功への努力を表明しながらも、コメ市場開放問題は「これまでの基本的方針の下、解決に向けて最大限努力」と昨年秋の臨時国会での所信表明演説と同じ表現にとどめた。

内閣の看板である「生活大国」については「実現に向けて本格的な第一歩を踏み出す年」と位置付け、個人や企業の意域、行動の転換による構造的な変革を示えた。

外交政策では、米国のクリントン新政権の誕生を歓迎し、冷戦後の世界の諸課題解決のため「日米両国が共通のビジョンの下に連携してリーダーシップを発揮」していく考えを示し、た。

韓国の金泳三次期大統領とも緊密な対話を通じ「未来志向的関係の構築」に努力する、と述べた。また7月の先進国首脳会議(東京サミット)の議長として、サミット成功に全力を尽くす意向を明らかにした。

首相は政治改革で「今日の後に今日なしのとの覚悟で実現に取り組む」と訴えるとともに、「政治をはじめとする社会制度全体を見直し、新時代に対応していくための変革を実行する決意だ」と結んだ。《共同通信》



【光岡自動車・ビュート】発売

光岡自動車は22日、ヨーロッパのクラシックカーの雰囲気を持つ「Viewt(ビュート)」の発売を開始した。落ち着いたスタイルとカラーリニングで1950年代の欧州車の雰囲気を出している。日産マーチの新車をべースにし、価格も200万円前後と従来の同社の受注生産車より低めに設定してある。

店頭渡し現金価格は、1000ccが189万2000円、1300ccが214万4000円。北陸地区は富山市掛尾町の富山店で販売する。《北國新聞》

【大相撲初場所13日目】大翔山、小錦下す

大相撲初場所13日目(22日・両国国技館)大関曙と平幕大翔山はともに勝って、11勝2敗でトップを並走。曙は左上手を引き関脇琴錦を落ち着いて寄り切った。大翔山は大関小錦を得意の右下手投げで下した。小錦は4敗目。関脇貴花田は関脇武蔵丸を万全の寄りで破り10勝目を挙げた。小錦と平幕の浪ノ花が敗れたため、2敗の曙、大翔山を追う3敗は貴花田一人になった。十両は10勝3敗の蒼樹山が単独首位。《共同通信》

【郵政省】読売テレビに厳重注意

読売テレビ放送(本社大阪市)が、偽看護婦を出演させたやらせ番組を放映した問題で郵政省は22日、同社の青山行雄社長を呼び、行政指導としては最も重い郵政大臣名文書での厳重注意処分にした。《共同通信》

【郵政省・斉藤斗志二政務次官】小泉純一郎郵政相を批判

郵政省の斉藤斗志二政務次官は22日、地方の郵政局長や本省局長など約50人を集めた同省の幹部会議の席で、郵便貯金民営化などを主張する小泉郵政相の姿勢を「人の道に外れる行為で、現場の職員を混乱させるだけ」などと厳しい口調で公然と批判した。

同省では昨年12月の小泉郵政相就任直後、当時の笹川政務次官が「大臣の方針には従えない」として辞任したばかり。斉藤次官は「大臣の言っていることが、郵政省の考えと思われては困る」として、今後も折に触れて郵政相に反論していく意向を示しており、省内の動揺はまだ続きそうだ。

斉藤次官はこれまで、郵政相の発言に対し公にはコメントを控えてきたが「一向に大臣のトーンが落ちない」として、郵政省幹部がほぼ全員集まる会議を機に、政務次官としての考えを職員に示すことにしたという。

会議のあいさつの中で斉藤政務次官は「郵貯は現在健全に機能しており、郵政相の主張するような民営化論は理にかなっていない」などと反論した。30万人の郵政職員を混乱させたトップとしての責任も指摘し「逓信相(現、郵政相)を務めた(小泉氏の)祖父の努力も踏みにじった」などと批判した。政務次官が大臣批判をしている時には、小泉郵政相は国会出席のため会議を抜けていたが「大臣には国会内であいさつの模様を直接伝えた」(斉藤次官)という。《共同通信》

【デビ夫人】禁固60日の実刑判決

米コロラド州のリオブランコ郡裁判所は22日、パーティーで客をシャンパングラスで吸ってけがをさせ、暴行罪などで起訴されていた故スカルノ・インドネシア大統領のデビ夫人(52)に対し、禁固60日の日と罰金700ドルの判決を言い渡した。デビさんは25日収監される。

デビさんは昨年1月、同州アスペンの高級スキーロッジで開かれたパーティーで、オスメニア元フィリピン大統領の孫娘ピクトリアさん(44)の顔を殴打し37針縫うけがをさせ、暴行と公共道徳違反の罪で起訴された。

デビ夫人の弁護士は、夫人が予審で罪を認めたなどとして、保護観察処分とするよう求めたが、裁判官はこれを退け、暴行罪について実刑判決を言い渡した。《共同通信》

【安部公房さん】死去

「砂の女」、「壁」などの小説をはじめ、前衛的な作風で国際的にも高い評価を受けた作家安部公房氏が22日午前7時1分、急性心不全のため、東京都多摩市の日本医大多摩永山病院で死去した。68歳。東京都出身。20日昼すぎ、自宅で脳内出血で倒れ、救急車で同病院に運ばれ入院していた。昨年12月26日、神奈川県・元箱根の別荘で倒れたが、同県伊勢原の病院に入院後自宅に戻り、療養していた。

安部氏は、時代の先端を行く前衛性と国際的評価の高さで知られ、度々ノーベル文学賞候補に挙がった。昭和26年に「壁—S・カルマ氏の犯罪」で第25回芥川賞受賞。日本的叙情とは無関係に世界に通じてきた珍しい作家で、早くから作品は海外に翻訳、紹介された。

少年時代は旧満州(中国東北部)で育ち、東大医学部卒業後、小説の道へ。シュールレアリスムに関心を持ち、思想的にはマルクス主義に接近して先進的な作品を次々と発表した。

その後も「飢餓同盟」「砂の女」「他人の顔」「燃えつきた地図」「箱男」などの作品群を通じ、現代の都市文明の中での人間疎外の状況を一貫して追求してきた。「砂の女」(昭和37年)はフランスの最優秀外国文学賞を受けたほか、勅使河原宏監督で映画化された。

演劇活動にも力を入れた時期があり、戯曲「幽霊はここにいる」「友達」「棒になった男」などの戯曲を発表する一方、「安部公房スタジオ」を主宰。演劇界に新風を吹き込んだ。

59年には、核時代の現代人にとって「生き延びる」ことの意味を追求した「方舟さくら丸」がベストセラーに。単行本では昨年秋の「カンガルー・ノート」、雑誌発表では「新潮」今年2月号の「さまざまな父」が最後になった。《共同通信》



1月22日のできごと