平成1411日目
1992/11/18
この日のできごと(何の日)
【ボクシング・井岡弘樹選手】3度目の防衛ならず
井岡の3度目の防衛は成らなかった。世界ボクシング協会(WBA)ジュニアフライ級タイトルマッチ12回戦は18日、大阪府立体育会館で行われ、チャンピオンの井岡弘樹(23)(グリーンツダ)は挑戦者の同級1位、柳明佑(28)(韓国)に判定で敗れ、2度防衛していた王座を明け渡した。柳は昨年12月17日に井岡に敗れて失ったタイトルを11か月ぶりに奪回した。
井岡はスタートから柳の接近戦に苦しみ、終盤にはショートパンチの連打にあって、防戦一方だった。井岡の敗戦で日本のジム所属の世界王者はストロー級の大橋秀行(ヨネクラ)、フライ級のユーリ海老原アルバチャコフ(協栄)ジュニアバンタム級の鬼塚勝也(協栄)の3人となった。井岡は今後、フライ級に上げて、日本人では初の三階級制覇を目指す。
◇
井岡の完敗だった。1回、柳の二度目のバッティングで左マユの上を切り、立ち上がりのリズムが狂ったのか井岡には本来の左ジャブからの連打が出なかった。さらに足を使ったヒットアンドアウェーでの間合いが十分でなく、柳の得意とする距離で戦った。このため、ショートパンチの打ち合いでは明らかに柳の力が上だった。 井岡は中盤、左のリードパンチからポイントを奪い、逆転を試みたが、手数が柳に比べて少なすぎた。打たれてもそれ以上に打ち返すのが柳のスタイル。12回を通じて終始闘う姿勢を貫き通し柳が大差のポイントをもぎ取った。
◇
「この試合に負けたら引退するつもりだった」とタイトルを奪い返した柳。右マユの上にパックリと開いた傷は痛々しいが「この一年間、この日が来ることを信じて待ち望んでいた」と会心の笑顔。柳の所属する大元ジムの金賢治会長は「井岡の左ジャブ、フットワークに対する研究の成果が出た。決してこのまま引退は出来ないと思っていた。ブランクをはねとばす練習をしてきたし、不安はなかった」と、韓国での愛称「小さな巨人」をたたえていた。《読売新聞》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
情報量が少ない日は随時加筆中です。
引用記事は名前、住所など一部修正の上、抜粋してあります。
外国の方のお名前、地名などは現時点で一般的に通じるものに書き換えています。(例・ロシアのプーチン氏はかつてプチン氏と表記されていました)
古い記事の多くは「書き写し」のため、誤字脱字が多数あります。見つけ次第修正しています。
【T-BOLAN】シングル「Bye For Now」発売
【大相撲九州場所】11日目
大相撲九州場所11日目(18日・福岡国際センター)曙は若翔洋の立ち合いの変化にもあわてず右からのひと突きで快勝、不戦勝の琴錦とともに1敗を守った。2敗の武蔵丸は大善に土俵際まで攻め込まれたが、安定した下半身を生かして逆転勝ち。
平幕で2敗の琴椿は時津洋をタイミングよく引き落とした。小結の貴闘力は負け越し。十両は元高校教師の智ノ花が勝ち越しを決め、3敗でトップに並んだ。
【プロ野球・阪神】郭李建夫投手の入団を発表
阪神は18日、大阪市内のホテルでバルセロナ五輪銀メダルの台湾チームのエース、郭李建夫投手(23)の入団を発表した。契約金は8400万円、年俸は1200万円(いずれも推定)。
17日、両親とともに来日した郭李は「先輩の郭源治(中日)さんや郭泰源(西武)さんらの活躍を聞き、日本でプレーするのは小さい頃からの夢だった」と阪神の一員になれた印象を話した。
阪神は外国人選手としてオマリー、パチョレックがいるため、郭李の1軍出場は厳しい状況だが「2軍で成績を挙げれば、1軍でのチャンスもあるのでは……。いい成績を出すことが両親へのプレゼント」と阪神の一員になれた印象を話した。《共同通信》
【NHK紅白歌合戦】司会に石田ひかりさん、堺正章さん
大みそか恒例の第43回NHK紅白歌合戦の司会者が、18日決まった。紅組は石田ひかりさん、白組は堺正章さんで、総合司会は山川静夫アナウンサー。堺さんと山川さんは昨年に引き続いての担当。山川さんは白組司会を含めて11回目の登場になる。
石田さんは「紅白」初出演。昭和62年に歌手としてデビュー、最近はNHKの連続テレビ小説「ひらり」に主演するなど、女優として活躍している。堺さんは歌手として6回の出演歴があり、司会を合わせると通算8回目。放送は、例年と同じ午後7時20分から同11時45分までの4時間25分。NHKホールから生中継する。《読売新聞》
【宮澤喜一首相】派閥弊害除去に意欲
首相経験者などによる自民党の最高顧問懇談会が18日夜、宮澤首相も出席して都内のホテルで開かれ、出席者から派閥の解消など政治改革の断行に向け首相が強い指導力を発揮するよう求める声が相次いだ。首相は「派閥の在り方については方針をもって決断したい」と述べ、派閥の弊害除去に積極的に取り組む考えを表明した。
福田元首相は「最近の党内は派閥が横行している。派閥の跳梁を首相はしかるべきだ」と述べ、派閥政治の排除を首相に強く進言した。中曽根元首相も「党改革は政局と違い(自民党)総裁としてやれる。例えば派閥解消など、首相は英断を下せばいい。この際指導力を示せ」と首相のリーダーシップを求めた。
最後に田村前衆院議長が「首相が陣頭に立ち、自ら指導力を発揮すればいい。この会はつるし上げの会ではなく激励の会だ」として首相の立場を支持することで意見を集約した。《共同通信》
【中曽根康弘元首相】「派閥解消、英断を」
首相、衆参両院議長経験者らによる自民党最高顧問懇談会が18日夜、都内のホテルで宮澤首相も出席して開かれ、党運営のあり方について協議した。この中で中曽根元首相は、「党改革は総裁(の権限)でやれる。最大公約数は派閥解消だと思う。英断を下せばいい」と述べ、派閥解消に向けて首相が指導力を発揮するよう求めた。福田元首相も、「国民は今の政治を『派あって党なし、党あって国家なし』と見ている。派閥の跳りょうをしかってしかるべきだ」と、派閥政治の横行に強い不満を示した。これに対し宮澤首相は、「貴重な意見を肝に銘じる」と述べた。
また竹下元首相は、宮澤首相の到着に先立ち、他の出席者に対して、「私のことでいろいろ迷惑、心労をおかけしている。申し訳ない」と、自らの証人喚問問題で国会が混乱していることについて陳謝した。《読売新聞》
【パキスタン】ブット元首相を逮捕
パキスタン・ラワルピンディからの報道によると、ナワズ・シャリフ政権打倒のデモを組織したベナジル・ブット元首相=パキスタン人民党(PPP)共同総裁=が18日、警察当局に逮捕された。ブット元首相は、ラワルピンディからイスラマバードまで約16キロの無許可デモに出発するため、自宅周囲に警察が張りめぐらした有刺鉄線を数百人の支持者と共に破った直後、約200人の警察隊に取り囲まれ、催涙弾数十発を浴び、警棒で殴るなどされたうえ、身柄を拘束された。ブット元首相にけがはないという。 また、東部のラホールからイスラマバードに向かっていたブット元首相の実母ヌスラット・ブットPPP共同総裁も身柄を拘束された。
◇
パキスタン政府高官は18日、ブット元首相の身柄拘束について「逮捕したのではない。デモ行進をしようとしたためイスラマバードへ連れていっただけだ」と述べた。《読売新聞》
【ロシア・エリツィン大統領】訪韓
エリツィン・ロシア大統領は韓国初訪問のため18日午後3時すぎ、大統領特別機でソウル空港に到着、玄勝鍾・韓国首相の出迎えを受けた。同大統領は空港で「わが国の外交はロシアの国章の双頭の鷲のように西方にも東方にも向いている」と述べ、アジア外交への意欲を強調。この後、同大統領は朝鮮戦争の犠牲者が眠る国立墓地を訪れ献花した。
韓国では三日間滞在し、盧泰愚大統領と首脳会談を行うほか、両国の友好と協力をうたう韓ロ基本関係条約に正式調印する。《読売新聞》
【渡辺美智雄外相】チリ・シルバ外相と会談
渡辺美智雄外相とチリのエンリケ・シルバ外相は、18日夕、東京・元赤坂の迎賓館で行われた首脳会談終了後、チリに対する約244億円の円借款供与に関する書簡を交換した。チリへの円借款は、73年のチリ軍事政権樹立に伴い凍結して以来、約20年ぶりの再開になる。借款の内訳は、灌漑125億円、鉄道修復64億円、上下水道整備55億円。
また、両外相は、サンディアゴ市交響楽団に対し、楽器購入のため4000万円の文化無償協力を行う書簡も交換した。《読売新聞》
【中国】ニセ酒売った男、死刑執行
中国を代表する名酒として知られるマオタイ(茅台)酒のニセモノを製造、販売して荒稼ぎした中国貴州省の男性が、裁判所から死刑判決を受け、18日、刑を執行された。中国では経済活動が活性化する中で有名ブランド品のニセモノが横行、深刻な社会問題になっているが、この種の事件での死刑判決は初めて。市場経済促進を宣言した当局が、事件多発に業を煮やして断行した見せしめ処分と見られる。
18日夜の中国新聞社電によると、死刑になったのは同省の33歳の元酒造工場支配人。普通の焼酎にマオタイ酒のラベルをはりつけるなどしてニセモノ約4万1000本を製造、各地に売りさばき、209万元(約4800円)を稼いだ。男性は同省の裁判所で一審、控訴審とも死刑判決を受けたが、北京の最高人民法院も「経済秩序をはなはだしく破壊した」として死刑を許可した。《読売新聞》
【米・ブッシュ大統領】クリントン次期大統領と会談
ビル・クリントン米次期大統領(46)は18日、当選後初めてワシントンを訪れ、ホワイトハウスでブッシュ大統領(68)と会談し、国際情勢や政権移行について初めて本格的に話し合った。
1時間40分に及んだ会談では、世界各地の紛争地域における米外交政策について、ブッシュ大統領がクリントン氏に説明したほか、政権移行のそれぞれの幹部を交えて、次期政権閣僚の任命など政権交代の具体的業務を話し合った。
会談後クリントン氏は記者団に対しブッシュ大統領が「親切に力になってくれた」と述べ、選挙戦で激しい非難を応酬した政敵同士が過去を水に流して、政権引き継ぎ業務ではすっかり協力的になったことを強調した。
クリントン氏は会談の中身について「内政を若干話し、世界の十数か所の紛争地を話した」と述べたにとどまった。具体的な「紛争地」には言及しなかったが、ボスニア・ヘルツェゴビナや中東地域、ソマリア、旧ソ連などが議題にのぼった。《読売新聞》