平成1386日目

平成4年10月24日(土)

1992/10/24

【日本人留学生射殺事件】服部君、無言の帰国

留学先の米ルイジアナ州で射殺された愛知県立旭丘高校2年生服部剛丈君(16)の遺体が24日夜、両親とともに成田経由で名古屋空港に到着した。

服部君は今月17日夜、留学しているバトンルージュ市でハロウィンパーティーに参加しようとして訪問先を間違え、この家の住人に射殺された。

事件後、服部君の両親が渡米し剛丈君の遺体と対面、現地での追悼集会などに参加、遺品の整理などを済ませ23日、帰国の途についた。《共同通信》



【天皇、皇后両陛下】万里の長城ご見学

天皇、皇后両陛下は中国訪問二日目の24日午前、北京郊外の八達嶺にある万里の長城を約40分にわたって見学された。2500年前に築き始められた長城は、全長6700キロの世界最長の建造物。訪中に当たって両陛下は、この見学をとても楽しみにされていたという。

両陛下は予定通りの午前10時半(日本時間同11時半)に八達嶺にご到着。長城付近は雲ひとつない快晴に恵まれたものの、身が縮まるような寒さで気温は5度前後。周囲には雪をかぶった峰々も見えた。

厚手の黒いコート姿の天皇陛下と、薄いピンク色の上着にローヒール姿の皇后さまは、陳希同・北京市長の案内を受けながら「女坂」と呼ばれる回廊の散策を楽しまれた。峰を貫いて延々とうねって続く長城のながめに、両陛下ははるかな歴史へのロマンをかりたてられているご様子だった。

この日午後は、陛下は中国科学院、皇后さまは北京北海幼稚園を訪問、夕方からはお二人そろって李鵬首相夫妻との会見、江沢民・中国共産党総書記主催晩さん会に臨まれる。《読売新聞》

【天皇、皇后両陛下】中国・李鵬首相と会見

中国訪問中の天皇、皇后両陛下は24日午後、宿泊先の釣魚台迎賓館に李鵬首相夫妻を招き、約30分間会見された。1989年4月の来日時に陛下と会見した李鵬首相は「月日のたつのは早いものです。北京でお会いでき格別の思いです」とあいさつすると陛下も「再びお目にかかれてうれしく思います」と笑顔で応じられた。

中国の環境問題や今回訪問する西安、上海についても話題が及び、最後に李首相が「今後は科学技術や文化の交流で日中協力を進めたい」と意欲をみせ、陛下も「各方面の協力が広がることを望みます」と答えられた。《共同通信》

【千代田区立錦華小】創立120周年記念式典

今年度限りで廃校の方針が打ち出されている東京都千代田区猿楽町の区立錦華小(丸山信男校長、児童386人)で24日、秋篠宮ご夫妻を迎え、創立120周年を祝う記念式典が開かれた。

同校は明治6年の開校で、作家の夏目漱石や永井竜男、劇作家の福田恆存氏らが通った名門。多いときで1000人を超える子供たちが集ったものの、バブル景気に伴う地上げや都心の地価高騰などの影響で住民が追われ、現在では、400人を切る状態が続いている。

式典では、秋篠宮さまが「この小学校での生活がよい思い出になるよう祈ります」と述べられ、全児童が参加する「舞踊演劇」を披露、その中で学校誕生の喜びや関東大震災、戦争による苦難など、これまでの歴史を組み体操やマーチングバンド演奏で振り返った。

同区では現在、人口の減少で小、中学校の統廃合が大きな問題になっているが、昔から名の通った名門が多いため、19の区立小、中学校全校をいったん廃校にしたあと、改めて11校を新設する全国でも異例の“荒療治”に取り組んでいる。しかし、「番町小」や「錦華小」「麹町中」といった「名」が消えることに対し、住民の間に根強い抵抗があり、一部で強い反対運動も起きている。《読売新聞》

【タジキスタン】首都で市街戦

旧ソ連中央アジア・タジキスタンの首都ドゥシャンベで、24日早朝、ラフマン・ナビエフ前大統領を支持する武装勢力が、最高会議、大統領府など政府主要建物を武力奪取し、ナビエフ氏の権力復帰を宣言した。しかし、インターファックス通信は、タ刻になって、市内で手投げ弾、機関銃などによる激しい戦闘が起きたと報じ、首都郊外で戦力集結を図っていたアクバルショ・イスカンダロフ大統領代行現政権側の反撃が始まったことを示唆した。また同通信によると、同大統領代行は内務省ビル内に避難中で、同省特殊部隊が最高会議ビルの奪回攻撃をかけたほか、ラジャボフ国家保安委員会議長がイスカンダロフ政権の指揮下にあると声明、また駐屯ロシア軍司令官も同政権と接触中と語るなど、事態がなお流動的であることを伝えた。

ロシア通信(RIA)などによると、ナビエフ支持派は、24未明、戦車、装甲兵員輸送車を先頭に南部クリャブ州からドゥシャンベに進撃、約40分にわたる銃撃戦の後、最高会議ビルなど市内の枢要施設を占拠した。ナビエフ派の指導者サファラリ・ケンジャエフ前最高会議議長は、テレビ、ラジオを通じて、ナビエフ氏の下に5月当時の旧指導部の復権を宣言するとともに、市民に平静を保つよう呼びかけた。

ナビエフ氏は、元共和国共産党第一書記で、ソ連解体後初の公選大統領となったが、さる5月以来、イスラムや民主勢力など反対派の武力闘争の前に政情不安を招き、先月正式辞任。イスカンダロフ連合政権が成立したが、支持派と反対派の武力紛争が続き、首都では23日に非常事態宣言が布告されていた。《読売新聞》

【自民党竹下派】「小渕会長」総会で一気に決着

派内抗争が続く自民党竹下派は24日、新会長となった小渕恵三・前幹事長を支持するグループと、羽田孜蔵相を後継会長に推す小沢一郎・元幹事長グループが、それぞれ拠点とする都内のホテルに集まり、当面、焦点となる「小渕会長」を正式決定する総会の開催を中心に、今後の対応を協議した。

小渕氏のグループは、小渕氏をはじめ橋本龍太郎・元蔵相、梶山静六・党国会対策委員長らが、情勢を分析。この中で、先の最高幹部会での小渕新会長決定を受けて開く予定の総会について、週明け早々にも開催、小渕会長の決定を「報告」する方針を決めた。小沢グループから異論が出ることは予想されるものの、「一事不再理」(グループ幹部)として一気に決着をつける考えだ。

このため総会で事務総長らが行っている司会進行についても、「事務総長は実質的にいなくなった。現在は会長だけがいる」として、小沢グループの佐藤守良・事務総長、船田元・事務局長ではなく、小渕グループの司会で進めることにしている。また副会長以下の新執行部についての話し合いを、小沢氏側に求めていく考えだ。

一方、小沢グループは佐藤氏や石井一・元国土庁長官らが対応を協議、総会については、「行かなければ満場一致で選任と報道され、得策でない」として、出席して「小渕会長」の白紙撤回を求める方針を確認した。両グループの主張は真っ向から対立しており、総会での混乱は必至の情勢だ。

また小沢グループは24日、①小渕会長選任の手続きは無効であり、会長選出のやり直しを求める②羽田氏が会長にもっともふさわしい―とする文書を同派全議員に発送した。《読売新聞》

【自民党・石破茂衆院議員】羽田氏らの行動に理解示す

自民党の「政治改革を実現する若手議員の会」主催の政治改革実現フォーラムが24日、長崎県佐世保市内で開かれ、同会代表世話人の石破茂衆院議員(渡辺派)があいさつの中で、竹下派の内部抗争に関連し「小沢一郎・元幹事長や羽田孜・蔵相は、ここ2年も3年も泥をかぶって政治改革をやろうとしてきた。今までは権力と富の分配を求めて派閥を作ってきたが、羽田さんは派の長にならなければ派閥を解消できないと考えられて動かれているようだ」と述べ、羽田氏らの行動に理解を示した。

石破氏は、昨年、党選挙制度調査会長だった羽田氏らとともに、廃案になった政治改革関連法案成立に向けて行動した政治改革推進派の中心メンバーの一人。《読売新聞》

【中国】民主活動家を釈放

中国国営新華社通信によると、非合法活動に従事したとして、9月1日以来身柄を拘束され、取り調べを受けていた民主運動家、沈彤氏(24)は24日、釈放され、空路米国に向かった。

同通信によると、沈彤氏は、取り調べにあたった公安当局に対し、「外部の支援を受けて、中国国内に反政府組織を設立しようとしたこと」を認めた。公安当局は、沈彤氏が「悔い改め」、米国で引き続き勉学することを望んだため、出国を許可したという。

沈彤氏は89年の天安門事件の際、学生指導者の一人として活動、事件後、米国に逃れ、今年7月、中国民主基金会の北京支部を設立するため帰国した。設立を発表する当日の未明、公安当局に拘束され、米国などは、その釈放を求めて抗議していた。

「悔い改め」たことを理由に、事実上の国外追放処分にとどめたのは、対米関係への配慮であるとともに、改革・開放の加速化に向けて、留学生の帰国を望む北京指導部の意向を反映したものと言えよう。《読売新聞》

【セルビア・ミロシェビッチ大統領】党首就任を強行

新ユーゴスラビア・セルビア共和国与党のセルビア社会党大会は24日、ミロシェビッチ・セルビア大統領を党首に選出して閉幕した。セルビア憲法には大統領の「公職兼務禁止規定」があり、一時は大統領辞任との観測も流れたが、今大会では党首の実務を事務局長が代行するとの変則措置を決めた上で、同大統領の党首就任を強行した。

これで、国連制裁解除の最低条件とされる同大統領辞任は遠のき、ボスニア・ヘルツェゴビナでの戦闘終結の見通しも当面なくなり、新ユーゴの国際的孤立がさらに深まるのは間違いない。《読売新聞》

【フィギュア・佐藤有香選手】スケートアメリカでV

フィギュアスケートのスケートアメリカ最終日は24日、アトランタで行われ、女子シングルで佐藤有香(法大)が、アルベールビル五輪銅メダルのナンシー・ケリガン(米)を抑えて優勝した。この大会で日本選手が優勝したのは初めて。三位は陳露(中国)。

前日のテクニカルプログラムで首位に立っていた佐藤は、この日の自由でも、四度の三回転ジャンプを成功させるなど安定した演技。自由ではケリガンに次いで2位だったが、順位点2.5。前日4位と出遅れたケリガンは順位点3.5で及ばなかった。

男子シングルはトッド・エルドリッジ(米)、アイスダンスはアルベールビル銅のマイア・ウソワ、アレクサンドル・ズーリン組(ロシア)がそれぞれ優勝した。《読売新聞》

【MLBワールドシリーズ】ブルージェイズ初優勝

大リーグ野球ワールドシリーズ第6戦は24日、アトランタで行われ、ア・リーグ一のブルージェイズが、ナ・リーグのブレーブスを4-3で下し通算4勝2敗とし、球団創設16年目で初優勝した。米国以外のチームがワールドシリーズを制したのは初めて。初出場チームの制覇は1969年のメッツ以来23年ぶり。

MVPには、20打数9安打、4割5分の高打率をマークしたブルージェイズのパット・ボーダース捕手が選ばれた。1点を追うブレーブスが九回裏に追いついたが、ブルージェイズは十一回二死一、二塁でウィンフィールドが左翼線に2点二塁打。最後はティムリンがブレーブスの粘りをかわして逃げ切った。《読売新聞》

【高田誠さん】死去

点描の作風で知られ、日展理事長、一水会運営委員などを歴任した洋画界の重鎮、高田誠氏が24日午後2時37分、肝不全のため浦和市の病院で死去した。79歳。

浦和市生まれ。旧制浦和中学四年のとき二科展に初入選するという早熟さで、在学中から安井曾太郎に師事。昭和12年、創立された一水会に安井と共に移る。安井の影響下に出発したが、20代半ば、信州の風景を描くうち点描に開眼した。その後は一貫して点描を追究し、明るく柔らかな光に満ち、親密さをたたえた画風を確立した。日本芸術院会員、昭和62年に文化功労者。《読売新聞》



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